隠された奴隷制

隠された奴隷制

869円 (税込)

4pt

4.0

マルクスの『資本論』には「隠された奴隷制」というキーワードが登場する。一般に奴隷制と言えば、新大陸発見後にアフリカから連れて来られた黒人奴隷が想起され、すでに制度としては消滅している。しかし著者によれば、「自由」に契約を交わす、現代の私たち労働者も同じく「奴隷」であるという。その奴隷制はいかに「隠された」のか。格差社会はじめ諸矛盾が解決されることなく続く資本主義にオルタナティブはあるのか。マルクス研究の大家である著者がロックから現在に至る「奴隷の思想史」350年間を辿り、資本主義の正体を明らかにする。

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隠された奴隷制 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年05月05日

    パワーワード溢れる興奮の読書。

    学者や思想家による〝奴隷“の解釈を追いながら、スタートラインから既に生産手段とされたそれを、最終的に現代の労働と重ねていく。徐々に思想にリアリティが増し本の後半で佳境に入るが、それはまるで、思想が本から飛び出て、まさに読み手が奴隷であった事実を突きつけるかのようだか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月01日

    奴隷貿易の時代から奴隷の解放、その結果自由意志を持ったはずの労働者が如何にして搾取される存在となったのかを説き起こします。その結果が「自己責任」の名の下でブラック労働に従事させられる現代労働者。これからどうすべきなのか明確な答えはありませんが労働者一人一人が考えてみる必要はあると思います。

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    Posted by ブクログ 2022年06月22日

    労働者の賃金は「彼ら自身の維持と再生産が行われる」最低限の水準に保たれているため、彼らは日々の「個人的消費」によって「生活手段をなくしてしまう」。
    つまり彼は、スミスの言う意味で「財産を取得できない人」なので、生活を続けるためには自分の労働力を労働市場で販売し続けることを「強制」されている。


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    Posted by ブクログ 2021年07月11日

    奴隷制から逃れるためには、個人が自分の時間の主人公になること。
    そのための手段として「階級闘争」に勇気をもって挑むことや「労働組合」に参加する、ポールメイソンの言う「協同組合的ネットワーク社会」の構築など様々ある。
    共通して言えるのは他人任せにせずに「主体的に動く」という事と「選択の幅を広げる」こと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月13日

    近代資本主義における奴隷制について紐解く一冊。

    明確な結論はなく難しく感じたが、勉強にはなった。

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    Posted by ブクログ 2020年10月12日

    かつての奴隷度今の労働者にどんな違いがあるのって問う本。正直身も蓋もない話。

    アダムスミスのころの社会における奴隷感をはじめ奴隷の状況や奴隷について書かれた思想など広範囲にわたる側面から「奴隷とは」と論じられるのを読むと、改めて奴隷とは自由とは労働とはについて考えたくなる内容だった。

    面白いのは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年07月27日

    端的に言えば、労働に対する賃金が等価より低いとき(ブラックなど)は奴隷とみなせるというような話。
    自由に職業を選択したようでそれは奴隷状態。
    ただ、労働に対する評価、賃金の解釈は人それぞれ。人に欲がある以上は、完全な等価は実現不可能である。
    共産主義が実現しないのと同じになってしまう。
    これからはA...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月14日

    新大陸における黒人奴隷によるプランテーション経営の成功が、イギリスひいては先進諸国の大規模工場での賃金労働につながった。そういう意味では賃金労働者は隠された奴隷なのだ・・・と言えなくもない。

    しかし、そこから一気に新自由主義は資本家階級によ(隠された)奴隷制の強化とつなぐのはあまりにも短絡的ではな...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年11月10日

    この本の「隠された奴隷制」というタイトルは、マルクスの『資本論』の「ヨーロッパにおける賃金労働者の隠された奴隷制は、新世界での文句なしの奴隷制を踏み台として必要としたのである」という文章に由来している。「隠された奴隷制」とは、黒人奴隷の「むき出しの奴隷制」に対して賃労働で働く「自由な労働」を指してい...続きを読む

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