作品一覧

  • 代表制民主主義はなぜ失敗したのか
    3.7
    「ウンザリするポピュリズムに淫した民主主義より、能力主義的選抜を勝ち抜いた政治エリートの政治(中国!)の方がマシだ……。 この「誘惑」に抗う術はあるか。 実に困難な課題に本書は果敢に挑戦する」――宮台真司氏、推薦! 世界中をポピュリズムが席捲する中、わたしたちの民主主義はどこへ向かうのか。 人々は政党や議会には期待せず、時に自らの自由の制限もいとわずにトップの強いリーダーシップを望むようになった。 著者は古典から最先端の政治理論まで駆使し、選挙と政党を基盤にした「代表制」と民主主義とはイコールではないこと、現在の社会は「代表制」が機能するための条件を完全に失ってしまったことを明らかにし、一方で、中国統治モデルの可能性と限界も検討する。 民主主義を再生させるヒントはここにある。
  • 日本が壊れる前に――「貧困」の現場から見えるネオリベの構造
    5.0
    学費のため風俗に走る女子大生、貧困地域で蔓延する主婦の売春、低賃金で部品のように働かされる介護現場。 ——「貧困」は社会のいちばん弱い部分を直撃する。 バブル崩壊から日本社会は転げ落ちはじめた。 終身雇用、労働組合のあり方、すべてが時代遅れとされ、ネオリベ(新自由主義)と自己責任論が社会を席捲した。 そこで犠牲になったのは、主に女性たちと若者。 そして、いま中年男性が狙われている。 国が決めたマクロな政策はときに末端の人々を壮絶な現実に陥れる。 ——衰退途上国で、次に堕ちるのは、中年の男たちだ。 衰退途上国・日本の現状を徹底討論したノンフィクションライターと政治学者による平成30年史。そして未来は? 【目次】 プロローグ 新自由主義とは 1 コロナ禍が浮き彫りにした見たくなかった現実 2 コロナがなければ、中年男性が死ぬはずだった 3 どうして団塊の世代だけが恵まれるのか 4 分断をこえて、ポストコロナを生きる あとがき ・なによりも死にたくないという覚悟を——中村淳彦 ・政治の行き詰まりと私たちのこれから——藤井達夫
  • 〈平成〉の正体 なぜこの社会は機能不全に陥ったのか
    5.0
    1巻947円 (税込)
    6つのキーワードで読みとく平成デモクラシー。 戦後の日本社会は政治から経済、家族、教育、社会保障に至る制度基盤を、高度経済成長期をとおして形成してきた。そうした制度が徐々に機能不全に陥り、その弊害が誰の目にも明らかな形で社会問題化し始めたのが、平成という時代であった。 本書では、「ポスト工業化」、「ネオリベ」、「格差社会」、「ポスト冷戦とグローバル化」、「五五年体制の終焉」、「日常の政治」という6つのキーワードによって、この時代の赤裸々な姿を浮き彫りにする。ポスト平成を迎えるにあたり、平成の30年間に露わになった社会問題のゆくえを考える一冊。巻末に、辻田真佐憲氏との特別対談収録。

ユーザーレビュー

  • 日本が壊れる前に――「貧困」の現場から見えるネオリベの構造

    Posted by ブクログ

    ネオリベというキーワードを軸にこの30年の没落を見ると、いろいろなことが腑に落ちる
    という内容
    自分の考えや行動を深く反省するきっかけになる本
    対談形式で結論が見えにくいところが難点

    0
    2024年08月14日
  • 代表制民主主義はなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ

    代表制民主主義の欠陥が指摘されていて興味深いです。改善策も考え出されているが、新書のせいかかなり短め。もう少し自分なりに深堀って考えていきたい。

    0
    2022年06月08日
  • 〈平成〉の正体 なぜこの社会は機能不全に陥ったのか

    Posted by ブクログ

    全ての責任を個人に還元する自己責任論が、解決すべき社会問題が放置される原因となっているというのは、誰しもが気付きそうだが、指摘されていない卓越した解説である。
    そして、その事によって、時の政権は、社会問題を政治課題とせずに済み、新自由主義による統治の補強になっている。
    こういう論が、ジャーナリズムで主流とならないのは、全く不思議だ。
    とてもわかりやすい文章で書かれているが、参考文献には、近代を何かと問う高度な学術的図書もある。

    内閣の暴走。解散権の濫用。

    日本会議など、右派による日常の政治活動。
    日本会議の自民議員への浸透。
    格差の定着。弱者叩き。
    専門家集団によるセクショナリズム。

    0
    2019年11月10日
  • 代表制民主主義はなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ

    ルソーは「人間不平等起源論」で、本来平等で自由であったはずの人間たちの間に不平等が生まれ、自由が喪失されていく歴史の端緒は、すべての人間たちの共有のものを私有することによって開かれると述べている。
    国家を誕生させた直接の原因は、万人の万人に対する闘争を終わらせるために人間たちが契約を結び、為政者の職を設ける必要が生じたから。

    民主主義がうまく機能するには、憲法や裁判所だけでなく、不文律の規範が必要なのだが、それがなし崩し的に反故にされることで、民主主義がおかしくなる

    「社会契約論」における国家の目的は、安全と自由を構成員に提供すること。
    そのためにはまず全面的な譲渡がなくてはならない。これ

    0
    2024年09月07日
  • 代表制民主主義はなぜ失敗したのか

    Posted by ブクログ

    社会や政治の私物化を防ぎ、共有化して自由を取り戻せ。

    「人新世の『資本論』」にも通じる問題意識を持った注目の書。政治学や民主主義のおさらいになる教養書でもある。

    現代は民主主義が機能するための前提が崩されてしまった危ない時代といえる。とはいえ、「中国の誘惑」に屈するのはイヤだ。ではどうすれば? 

    「そもそも民主主義ってなんだ」という根源から考察することで、道筋が見えてくる。コロナ後を見据えて、より良い政治・社会へ、まず一歩を踏み出すために、必読だ。

    ただし、やや書き方が固いかもしれない。ぜひとも岩波ジュニア新書あたりで、中学高校生向けにも分かりやすく広く伝えてほしいところだ。

    0
    2022年01月27日

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