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「斎藤環」の「いじめ加害者にどう対応するか 処罰と被害者優先のケア」「いじめ後遺症」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
私自身もいじめの被害者であり、その影響から、人間不信や物事の捉え方の歪みなど、今でもいじめの後遺症を感じることが多い。そんな中で本書が刊行され、気になって手に取った。
本書では、アメリカで2012年に、53年越しにいじめへの復讐を果たした老人男性の事件も紹介されている。もちろん銃撃という手段は許されるものではないが、そこまで長い年月を経てもなお、いじめによる傷が残り続け、ついには事件にまで至ってしまったことには、被害者として共感してしまう部分もあった。
日本のいじめ対策は、加害者への指導に重点が置かれる一方で、被害者へのケアは十分とはいえない。しかも、加害者側はよほど大きな事件になってニュースで名前が知られるようなケースでもない限り、その後の人生に大きな影響を受けることは少ない。一方で、被害者は傷を抱えたまま、声を上げても否定されたり、泣き寝入りしたりすることもある。この状況はおかしいのではないか。
そうした、いじめが終わった後も被害者に残り続ける影響を「いじめ後遺症」と名付け、もっと社会に認知してほしいという思いが、本書には込められている。
さらに、こうした状況を生み出してしまう行政のクローズドな体質や、実際の事例を通した被害者ケアについても触れられている。
学校という檻は、集団教育である以上、いじめはなくならない。だからこそ、いじめが起きた後に「被害者を中心に考える」ことが重要なのだと感じた。
自分自身がいじめの影響を今でも感じているからこそ、他人事とは思えず、考えさせられる一冊だった。
Posted by ブクログ
#ツナグ100分de名著
\\ 寛容な心。そこにある強さ。 //
『平和』について、
4冊の本から共に考える。
◇◇◇◇◇◇
【タイトル】別冊 NHK 100分 de 名著「平和」について考えよう私たちに何ができるのか?
【 著者 】斎藤環/水野和夫/田中優子/高橋源一郎
【 出版社 】NHK 出版
◇◇◇◇◇◇
本書は2016年オリンピックイヤーに当たる年に企画された。
オリンピックは元々『平和の祭典』として戦争を休戦して大会に参加しようという理念がある。
そこから企画された本書は、4章4冊から成り立っている。
◇◇◇◇◇◇
第1章
フロイト『人はなぜ戦争をするのか』斎藤環
☆心理学から考える。平和のためにできることはダイアローグ対話である
第2章
ブローデル『地中海』水野和夫
☆経済学から考える。平和のためにできることはよりゆっくりより近くより寛容に
第3章
井原西鶴『日本永代蔵』田中優子
☆江戸文学から考える平和のためにできることは信頼を作り出し、それを持続すること
第4章
ボルテール『寛容論』高橋源一郎
☆哲学から考える。平和のためにできることはPray,and think
◇◇◇◇◇◇
このポストでは、第一章『フロイト//人はなぜ戦争をするのか』について、触れてみたいと思います。
◇◇◇
『人はなぜ戦争するのか』は精神分析の創始者であるジークムント・フロイトが物理学者アルバート・アインシュタインの呼びかけに応じて交わした公開の往復書簡である。
●アインシュタインは、人間の心自体、平和に抵抗する人間の悪しき権力欲と権力にすり寄って利益を得ようとする心がある。人間には本能的な欲求が潜んでいてその本能的な破壊欲動、死の欲動があると言った。
●戦争防止する2つの方法
①感情的な絆
②同一化
●反戦活動をする問いのこたえ
①個人の生を尊重するという個人主義に基づく
②生理的に戦争が嫌だと感じるから
●文化は欲動を制限する
文明は科学技術的なもの、文化はどちらかというと人文的な知識全般を指すもの。良い悪いの価値判断はどこでするのか。その判断をしていくのが文化の力。
「文化の発展がもたらすものは全てが戦争を防ぐように機能する」とフロイトはこの書簡の最後に記している。
◇◇◇◇◇◇
フロイトは反戦の理由を『生理的に戦争が嫌だと感じるから』と、人間の本能を取り上げていることに、驚きと納得を覚えたのでした。
あれこれ考えた理由、理性の問題じゃないんだなぁ、って思ったんです。
◇◇◇◇◇◇
他にも、4章にパリ同時多発テロの時に、奥様を亡くされた人が、『あなたたちは私に憎しみを抱かせることはできません。』Facebook に書き込みをした話が載っている。
『彼は生後十七カ月。普段通り食事をし、私と遊び、そして幸せで自由な人生を過ごすことで、あなた達に勝利するでしょう。彼もあなたたちに憎しみを抱くことはありませんから』
パートナー、幼い子どもの母を亡くした直後にこの思いを抱き、口にできることの凄さには考えさせられるものがあります。
◇◇◇
ページの横には各々の平和に対する一言格言が載っていて、
『戦いは戦いを生み、復讐は復讐を生み、好意は好意を生み、善行は善行を招く。』エラスムス
の言葉との繋がりも感じ、
『寛容』な心を自分の中に大きく育てることが『平和をつくる』ことなんだと、真摯に受け止め、難しくても励んでいこうと思いました。
◇◇◇◇◇◇
他にも、
『すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。』世界人権宣言第一条
『すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。』世界人権宣言第三条
など大切な考え方が本書の隅々まで載っている学びの多い、示唆に富む1冊です。
Posted by ブクログ
自分をやたらと卑下する人は、自己愛に乏しいのではなく、むしろ自分への強い関心を持っていることから、ひとつの自己愛のありかたとして捉えられる。そこに自分が無価値であることは自分が一番よく知っていて、それを否定されたくないという信念がある。
自傷的自己愛は、現代の承認の時代の中で、自己承認が困難になっていった結果、あるべき自分のイメージから見たダメな自分への批判と捉えることができる。それらはどちらも自身が正確に認識できているとは限らないものである。
自傷的自己愛は愛着障害ほどの病理性はなく、むしろ健全に育ってきた自己愛が、思春期以降の傷つきによってねじれを生じさせるのではないかと考えられる。
自傷的自己愛は誰にでも生じ得るものであり、世間的な価値観や同調圧力が深く関わっている。
それに気がつき、尊厳を傷つけられない環境に身をおき、他者との対話のなかでアサーション(他者に配慮しつつ、自己主張ができる)を育むこと、つまり自己愛を捨てるのではなく成熟させるという認識が健全な自己愛に必要なことである。