歴史・時代小説 - 潮出版社作品一覧
-
5.0もし彼女の働きがなかったら、日本の歴史が少し違ったことになっていたかもしれない(著者) 52歳で志を立て、信州飯田から京へのぼった歌人・多勢子は、 岩倉具視の命を助け、孝明天皇暗殺の幕府方の密謀を探り出すなど 若き男性志士たちと共に命がけで国事に奔走する。 「武士(もののふ)の 赤き心を語りつつ 明くるや惜しき、春の夜の夢」(松尾多勢子) 随所にちりばめられる多勢子の和歌。その歌に込められた想いとは――。 明治維新の渦中、国ために戦った女性勤王志士の物語! 著者による「文庫版に寄せて」を加筆! 巻末には文芸評論家の縄田一男氏による「解説」を掲載!
-
4.0幼いころに徳川家康の家臣・服部半蔵に命を救われた瑠璃。 その時、半蔵が見せた薬草の使い方に興味を持ち、 保護された村で出会った師匠から本草学の書籍をもらい受け、薬師になる夢を膨らませる。 その後、家康の祖母に小間使いとして仕え、本草学の知識を生かして体に良い茶を煎じる日々を過ごす。 半蔵もそんな瑠璃を気にかけ、何度も様子を見に来ていた。 一方、今川家での人質として暮らしに鬱屈していた松平元康(徳川家康)。 今川義元の姪(瀬名・築山御前)との望まぬ婚姻が決まり、その報告に祖母の家を訪れる。 そこで、出会ったのが小生意気な少女・瑠璃だった。 その後、時代は流れ、桶狭間の戦いを経て戦国大名へと昇り詰めていく家康。 しかし、決して安穏な日々ではない。武田信玄による三河侵攻、織田信長からの圧力・・。 そして重要性を増す瑠璃の師匠がもつ各大名の病状と処方箋を記した覚書の存在。 心労の絶えない家康の傍らで瑠璃は茶をそして薬を煎じて支える。 戦国乱世において、家康の体調や精神を支え、共に歩んだ女性の物語。
-
4.0「おなごはいくさの役には立たぬかもしれぬ。 だが、もっと大きな働きで陰の役割を担うこともできるのじゃ」(徳川家康) 関ケ原後、いまだ不穏な動きを見せる奥州。 家康の画策で津軽藩主・信枚に嫁いだ満天姫。 慣れない最果ての地での正室としての暮らし。 前夫である福島家の息子の存在。 襲い来る飢饉。 信枚への想い―― そして大切な人たちの死。 すべては江戸と津軽のために。 これは――女の関ヶ原! 「争うよりも、相手の真心を引き出し、いかようにして味方につけていくか。そこに思いをいたさねばならぬ。相手ではない。自らの生き方にかかわることじゃ」(満天姫) 波乱に満ちた家康の養女の生涯! 巻末には、直木賞候補でいま大注目の作家・永井紗耶子氏による特別解説を掲載!
-
3.7江戸を舞台に、個性豊かな三人の婆たちの日常と その周りで起こる悲喜劇をコミカルに描く 「女性の老後」をテーマにした長編小説。 名手宅の祐筆(文書や記録を取り扱う職)を得て静かな余生を 過ごしたいお麓(ろく)は、おはぎ長屋という長屋に住んでいた。 これで老後の安泰は約束されたと思い込んでいたが、 その平穏な暮らしはわずか一年で終わりを迎えた。 お菅(すげ)が越してくると、さらに半年後には お修(しゅう)がやってきたのだ。 二人の幼馴染はお麓の長屋を毎日欠かさず訪ねてきては、 心底どうでもいい話をしゃべり散らす。 お麓はこの先、二人とうまくやっていけるのか。 安穏に暮らすはずの余生はどうなってしまうのか。 さらには、いろいろな事件に巻き込まれていき……。
-
3.0物語の舞台は、歴史ファンの間でも注目度の高い清代末期の光緒25 年(1899 年)。 中国大陸に進出したイギリス、ドイツ、フランスをはじめとする西洋列強は、中国各地で分割支配を強めていた。 そんな列強諸国に対抗すべく、「扶清滅洋(清を扶け西洋を滅ぼす)」のスローガンを掲げた「義和団」を名乗る集団が、 山東省での暴動をきっかけに各地に広がり、社会は不安定な状況であった。 そんななか、杭州・西湖のほとりにある孤山に暮らす数え年で二十一歳の丁仁は、 金石学者である父・丁立誠の後を継ぎ、学究に勤しんでいた。 ある日、生薬である「竜骨」に神秘的な図形や文字のようなものが刻まれていて、北京で騒動になっていることを耳にした丁仁は、 丁家にかねてから出入りする北京在住の雑貨商人・元突聘に、その子細を尋ねようとする──。
-
3.0
-
-
-
3.52024年大河ドラマは紫式部! 名作『源氏物語』の作者が直木賞作家の手によって等身大の女性として鮮やかに蘇る。 時は平安時代――。藤原家に生まれた香子は、一人の女性として悩みながら、物書きの才能を開花させていく。 彼女はいかにして「紫式部」となったのか。そして『源氏物語』の執筆の陰にある彼女自身の物語とは……。 時の権力者道長との関わりなど、小説ならではの展開の中に実像を追う。 作中に登場する人物たちが織りなす和歌にも注目! 「紫式部は歴史に残る大作『源氏物語』の作者である。わが国物書きの最高峰の先達と考えていた。 いつかは始祖紫式部の生まれ育ち、生き方について書きたい、と思うようになっていたのである」(「あとがき」より) 解説に、中山義秀文学賞や新田次郎文学賞などで注目の作家・奥山景布子氏が特別寄稿!
-
4.0モデル・冨永愛さん、絶賛! 「苦難と災害に立ち向かいながらも 受け継がれる想いに、心に火が灯るような活力を得る! あぁ、日本の素晴らしさをまた知ってしまった。」 江戸後期。知多郡半田村(現在の愛知県半田市)で酒造業を営む、 五代・中野半左衛門の急死により、婿養子に迎えられた三六(のちの初代・中野又左衛門)は、 酒造りの傍ら、酒粕を使った粕酢造りを思いつく。 いまや世界で愛される日本の「寿司-SUSHI-」。その流行の淵源となった「粕酢」に生涯をかけた、 初代から二代、三代へと受け継がれる三人の又左衛門の物語。 巻末に女優・高島礼子氏との特別対談を収録。 「歴史書であり、啓発書であり、企業書でもありますね。仕事に悩んでいる人に 読んでもらいたい本です」 「私はお寿司が大好きですが、酢飯に注目して食べたことはありませんでした。これからは、酢の歴史にも思いを馳せて味わいたいと思います」 ――女優・高島礼子さん(巻末の特別対談より抜粋)
-
4.0世界に誇る「江戸前寿司」はなぜ誕生したのか―― 「粕酢」に挑んだ三人の又左衛門と、彼らを支えた女たち。 江戸の鮨文化を一変させた変革と挑戦! 江戸後期。知多郡半田村で酒造業を営む五代・中野半左衛門の急死により、 婿養子に迎えられた半六は、酒造りの傍ら酒粕を使った粕酢造りを思いつく。 後に分家を許された三六は、又左衛門家を興す。 初代から二代、三代へと、粕酢造りは受け継がれていくが、彼らの行く手には 幾多の苦難が待ち構えていた。 三人の又左衛門は、いかにして粕酢を江戸中に広めたのか――。 いまや世界で愛される日本の「寿司-SUSHI-」。 その流行の淵源となった「粕酢」に生涯をかけた人々の歴史長編小説。
-
3.0
-
4.2
-
-「2022年ドラマ主人公」。時代小説の旗手が満を持して長編書き下ろし! 鎌倉幕府第二代執権・北条義時。源頼朝の伊豆での旗揚げ時から忠義を尽くし、 頼朝にすべてを学んだ男。常におごらず、源三代の「鎌倉殿」に仕えながら、 時に影の如き冷徹さを兼ね備えた武将である。 頼朝死後、繰り返される権力の座を巡る幕府内の抗争。次々と滅んでいく幕府開闢の功労者たち。 そして三代将軍実朝が暗殺され、朝廷が義時追討の宣旨を発した時、 「不動」の男がついに動く! 迫る朝廷軍。承久の乱を目前に義時は―― はたして義時は「運」だけでのし上がったのか、それとも……
-
4.0吉野の山野で馬借に仕えていた少年・多聞は、野盗による襲撃から辛くも逃れる。 行先のない多聞の前に、二人の武者が―。二人は、後醍醐帝の後胤・玉川宮敦子、後鳥羽帝の後裔・鳥羽尊秀、と名乗る。 「そなたには見どころがある。どうだ、我らの同志にならんか?」 弱き民草を虐げ、我が世の春を謳歌するすべての武士、公家、寺社、有徳人どもを倒し、あるべき世を作り上げる。 吉野朝(南朝)の隠密部隊「菊童子」として訓練を受けることになった多聞は、京の将軍・足利義教の打倒と南朝の再興へ向けて尽力していく。 暗殺、奇襲、破壊工作――その道は過酷を極めた。 状況の打開へ、敦子と尊秀は、将軍義教の弟・義昭との接触や、鎌倉公方の籠絡、同志の拡大などを画策する。 一方で、南朝の正統性、そして信念と志に、有力大名や国衆をはじめ「つわもの」たちが集い来る。 ついに義教は吉野へ大軍を差し向ける。その裏には幕府方、吉野朝方、それぞれの武将たちの思惑が交錯する。 しかし、誰も気づかぬところで、さらなる謀略が張りめぐらされており――! 中山義秀賞をはじめ、数々の賞を受賞した歴史小説の気鋭が、 歴史に埋もれた国家の行く末を懸けた史上最大の「ゲリラ戦」を迫力の筆致で描き出す会心作
-
-その名は、少年勇者 ――! 故郷を追われ、「海賊」と蔑まれた男たちの 起死回生の物語。 我ら、「倭寇」にあらず。運命を切り拓く者なり 戦いに敗れた熊野衆の未来は、一人の若人の手に託された。 「水平線の向こうには何がある――」 時代の変革期を懸命に足掻いた者たちを迫力の筆致で描く! 渾身の書き下ろし! 【あらすじ】 南北朝の戦いに敗れた熊野衆は、源氏の末裔・千鶴(のちのアギ・バートル)を旗頭に いまだ南朝方が優勢な九州での再起を図る。 熊野で舟指(船頭)をしていたカラスは、類まれな船捌きを買われ、次第に千鶴の片腕となっていく。 しかし、足利幕府方の九州探題・今川了俊によって南朝方は大宰府を奪取される。 もはや日本に安住の地はないのか。外洋航海術、大型船の建造、琉球との交渉などの困難を乗り越え、ついに彼らは外海へ――。