• 孤独な天使が舞い降りる【書下ろし】

    家族を知る側面もある物語かも

     たどたどしい、何も知らない理玖を導いていく一臣。家族であろうとしながら、恋人でもいたい。その傲慢さが、理玖に変化を与えるきっかけとなるのでしょうか。
     当初は下心だけだった一臣も段々と理玖へと抱く気持ちの変容に気づき始めて……心の情動が丁寧に描かれています。後半、元彼女の暗躍があれですが……二人の幸せを願いたいですね。
     また、会話文主体の感じが強く、いくらか読みやすいと思うので、あまり小説に慣れていないけど、BL読みたい! っていう人にもおすすめできる作品かと思います。

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  • 銀翼の騎士【特別版イラスト入り】

    熱を孕む愛の行く末

     先導するユーグによって、快楽に呑まれていく司は、最初はいやだいやだとしか言わないし、叫ぶような喘ぎしかしてくれませんが、回を重ねるごとに具合もよくなってきたのか良い声で鳴いてくれます。またそれがかわいく、以前の恋人、ロイに対する背徳であるからこそ、またそそられてしまいます。

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  • 官能のスパイラル【特別版イラスト入り】

    潜む甘さとロマンティック

     堕ちていくようで、一緒に堕ち呑まれていく感覚。妻帯者であるにも関わらず、瀬上にのめり込んでいってしまう加嶋は、哀れというより破天荒。とても言い草にはできない感情のうねりを持ちながら、表に出すのは行為の最中のみのような。
     まさに快楽を求め合うだけの関係。偏屈な愛ながら、純粋な愛の結晶。……また濃厚な作品に出会ってしまったと感じた。

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  • 淫靡な団欒II【書下ろし】

    ロマンチックよりも快楽を貪る

     前作に続き、濃い内容だなと思います。親と恋人を共有しているところがまた、衝撃的な部分。またそれも、父が遠慮しているところが見えるのだから、親子の絆というのもまだ残っているし、それに幸せを願っているのかなとも思う。
     とはいえ、廉に浮気をする英成。欲があまり余っているし、あっちも積極的ともなると、据え膳食わぬは男の恥というものなのかな。しかし濃厚だった……それぐらいしか言えないぐらいに、すごい。ごちそうさまでした。

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  • 狂おしく、甘やかして【書下ろし】

    ロマンチックに狂わせて

     広己のかわいさだけでなく、今作は富樫のかわいさも光ってました! まったく誰も彼も嫉妬して、浮気みたいなことして……もっとやれ!
     無事に同居生活をスタートさせた二人ですが、だからこそまたしても甘い逢瀬の日々が幕を開ける。今まで抑えていた欲を解放し、愛を注ぐ……とてもロマンチックです。そのロマンチックの中に、独占したいがために強引になる富樫もかわいくて……前作を読まずともたぶん楽しめるので、ぜひ読んでみてください! できたら、前作も!

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  • 秘密倶楽部の調教【書下ろし】

    とろけていく快楽に……

     借金のせいで男娼見習いをする理人ですが、次第に快楽に溺れていく姿はそそられますね。しかも導くのが褐色の長身であるからこそ、またね。インド系のハーフは誰もほりが深くて、イケメンが多かったりするので、童顔な理人と組み合わせるともう興奮しちゃいます。
     私としては、シンとの絡みも好きなのですが、序盤、理人が先輩(かな?)に指導してもらって果てるところがお気に入りです。かわいい。

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  • 快楽主義者の淫らな戯れ【書下ろし】

    美しき快楽の乱れに注目

     3Pが最終的な主体になっていくんですけど、序盤のヴァルター×カミルは一方的にカミルに迫られることがおおいですが、ヴァルターもなんとなく受け入れていきます。その後に現れるパトリックとは、優しく包み込むような行為に及び、カミルとヴァルターとで全然行為の仕方が違うのが魅力的かと思います。二面を見たあとに、3Pという三面目も拝めることができる……これって最高ですよね。え、違いますか?
     戸惑いがちなヴァルターが快楽によって変貌していく姿も見ていてドキッとします。おすすめです。

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  • 罪作りな君 【新装版イラスト入り】

    ロマンチックさと甘さと

     モデル同士の恋……避けて通れないのは、男女二人組での撮影時に必要以上の絡みがあったり、恋人同士のような眼差しを向け合うことでしょうか。それを目の前でやられてしまえば、嫉妬せざるを得ません。私の見ないところでやってくれたら看過しないから。でも、やっぱり嫉妬しちゃうのはお決まりですよね。
     嫉妬してしまうRYUはかわいいですね。SINがあからさまに上から、どうだよと見せつけ、嫉妬させようとするのは男の傲慢ですが、それも少しグッと来てしまう私がいます……!
     カメラの前ではモデルでも、カメラの外ではあなただけのモデルになる――そんなシチュには萌えざるを得ませんね!

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  • この恋が罪ならば 【書下ろし】

    禁断の恋の行方は

     義兄弟の恋。禁断と言われている恋の一つですが、血がつながっていないだけにもどかしい。しかも求められてしまえば応えずにはいられない……ああもう!
     密やかに深まっていく恋の果てがすべて綺麗に収まるとは思ってはいませんが、それでもこれだけは伝えておかなければいけない気がします。その恋は罪ではないよ。むしろ最高だよ、と。

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  • 恋の迷宮に溺れて【書下ろし】

    愛してくれるのはあそこだけ?

     慰め合うだけの関係なら、いずれ別れる時が来る――
     切なさがこみ上げてきます。誰もが一方通行の恋をしていることもありますが、振り返ることがほとんどない。だからこそ、その時の行為に溺れ、熱を溢れさせる。
     好きゆえの行為なのに、自分の欲を、穴を埋めるような行為に見えてきてしまうことが、悲しみではあるのですが、一方で胸に来るものがありました。
     愛し続けてこそ、愛なのです。そんな気持ちを教えてくれた気がしました。

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  • ドクター・コール【新装版イラスト入り】

    収まりがよい

     片想いをし続けてきた二人は、医者となった今もお互いの実力を認めつつ、素直になれない……うん。このすれ違ってしまいそうなほころびのある関係すごく好きです。
     女っぽい喘ぎをされると少し萎えますけれど……それはそれ。最初は男の喘ぎをしてくれていたので満足です。医者としての側面をみせつつ、濡れ場を演じてくれるので、的確なところで医者の経験が出てくるたび、ああこの時いやらしい顔してるんだろうなと一人でニヤニヤしながら読んでしまっていました。

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  • ここしかない場所【新装版イラスト入り】

    愛されたいと願うこと

     医師というと、手ほどきが優しいイメージがあります。そのイメージと違わず、またそれよりも少しだけ強く、相手の無理のないような動きをしてくれる富樫は素晴らしい人だなと思いました。それゆえに広己が頑張って受け入れようとする……もうね、それだけでそそられます。
     どんな困難をも乗り越えようとする二人の物語は、ロマンチックながら胸を締めつけられる部分もあり、素晴らしい者でした。

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  • 温もりのイイワケ【新装版イラスト入り】

    愛さずにはいられない

     一線を越えてしまうと、どんな相手だろうと意識せざるを得なくなる。大人になって恋に落ちることはあっても、身体が先の恋愛が多くなる……現代社会を色濃く反映させているような作りはリアリティがあって、楽しかったです。
     また、友人同士のような掛け合いの中にある、愛情というか慈しみというか。二人の関係性の深まりにもグッと引き込まれてしまいます。
     最初はあんなだったのになー……今じゃこんなに――そんな相原と本城が愛しくて、とろけてしまいそうな気分でした。

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  • 檻の中の情人【新装版イラスト入り】

    牢で犯す愛もある

     逆らえないのは、兄ゆえの罪悪感のためか。それとも――
     何とも言えない欲の渦へと呑み込まれていく青華を見ているとゾクゾクしますが、それを強引に導いていく朱牙の俺様感には痺れてしまいますね。ああ、こうして男の味を教えられてしまうんだと思うと、いやらしい笑みが止まりません。

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  • 恋の引力【特別版イラスト入り】

    強引さを受け入れる姿の良さ

     同期ながら力関係が成立している二人というのもそそられましたが、それ以上に強気な夏目を組み敷いていく構成がすごく好きです。強気キャラというのは猫にしてなんぼですものね、興奮してしまいます。
     そして、強気な子ほど、恐怖に敏感。痛みに鋭敏であり、周りに自分を強く見せていないと不安で仕方のない人が多いです。その特性も相成って、濡れ場をドキドキしながら読んでいました。
     夏目の話を聞かず、強引に進める梶山にもっとやれと心の中で囁いていたのは秘密です。

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  • 天使が降りてくる夜に【特別版イラスト入り】

    ロマンチックさと甘さと

     甘さにとろけてしまいそうですね。生徒×教師というジャンルは多くありますけれど、ああこれはひどい。私の胸を満たしてやまない……。
     頑張りたくなる。自分を見つめる彼のためになら、なんでもできる気がする……愛って、恋って、そういうものですよね。恋する熱を思い出させてくれるそんな一冊。

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  • 恋する瞬間【特別版】

    何もかも理屈は要らない

     社会人が学生に無理やりに犯される。……強引な弟に、なすすべなく犯されていく兄……普通なら立場が逆のようなシチュでも、逆転されてしまうと途端に興奮を覚えてしまいますね。いつもは上からものを言うくせに、ベッドの上ではにゃんにゃん鳴くだけになるギャップのような。素晴らしい。
     しかも受け側の一人称であるのが、そそられてしまう。攻め側よりも、受け側の心情が見えることで、こちらが攻め手の気分にもなれる……良かったです。

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  • キケンな情熱【新装版イラスト入り】

    収まるところにきたのかも

     前巻に続き、甘さは然ることながら、過去を知ることで段々と二人の関係が深く、這いずり出ることのできないところまで落ちていくのがドキドキしてしまいます。
     奈月の壮絶な過去を受け入れ、憎悪し、立ち向かっていく一己の背は凛々しいものであり、そんな彼に愛された奈月は幸せ者とも思えます。最後、決意と結果を示す二人の行く末を思い浮かべると、少し涙も滲んでしまいますね……。

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  • キケンな恋人【新装版イラスト入り】

    ひっそりとした愛の深さ

     なんというか、初々しさがたまらないですね。ぎこちなさというか。
     愛し合うに際しても、一人称であることが感情の昂りや落ち込みを表現するのに一役買っているかと思います。
     密愛のような夜伽の時間が二人のロマンチックな雰囲気を助長しているようで、読んでいて心地よい時間を提供してもらった気がしました。ありがとうございます。

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  • 花を揺らす風【特別版イラスト入り】

    ロマンチックなお話で……

     香りをテーマに使っているだけあって、濡れ場でもお互いの香りを嗅ぎ合うシーンを使っていたりするのは、使い古された体位のマンネリ化を防ぐ手立てとしてとても有効だなぁと思いました。
     花も、香りも。そのどれもが可憐で、華美に描かれる物語はロマンチックで、一息には読みきりたくないなぁという感覚にさせられました。よかったです。

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  • 深海魚たちのうた【特別版】

    切なさは二割増し

     センチメンタルでありながら、それが逆上していくさまは読者に強く訴えかける何かがあります。離れられなくても、完全に混ざり合うことができない。二人の複雑な関係性が色濃く表現されていて、かつ後半の流れには胸が締めつけられる想いになりました。

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  • 心地の良い場所【特別版イラスト入り】

    時にはこういうのもいいかも

     間断なく、槙瀬を想う昭洋を突く水野。二人の関係がこじれ、交わるまでに至るまでのストーリーはじんと胸にしみわたります。そして、忘れろと口にする水野の声が直に耳に響くようで……んん、蕩けそうでした。

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  • Get a chance【特別版イラスト入り】

    激情にも似た甘さ

     丁寧で細かな描写によってリアルに場面が想起でき、また榛名の表と裏、それを見つめる宮保の心情が胸を締め付けます。
     チーム制のスポーツだからなおのこと。胸に渦巻く想いを隠し通せるわけがなく……走ってしまうのは男の性でしょうかね。素晴らしかったです。

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  • ノスタルジック・ラヴ【特別版イラスト入り】

    ロマンチックさと甘さと

     心の揺らぎ、妄執のような劣情の高まり、友愛は愛欲へと変わる……精緻で卓越とした心理描写の中、ロマンチックな雰囲気に加えて悲しみや慈しみが垣間見え、読んでいて胸がきゅっとしましたし、読み終えて、よかった、と息を吐かされます。特に最初のなつまつりがよかったかと。
     直接的ではないからこそ、想起させる工夫が上手いです。

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  • 冷徹シークと灼熱の蜜夜【書下ろし・イラスト10枚入り】

    可憐さと強引さと

     無理やりに犯されるのではなく、そのための順序立てがしっかりしているし、またハーレム設定と、それ自体がすべて自分のものであるということで彼女を護ろうとしているシークは読み進めていくとカッコ良さがわかります。
     アラブ系は彫りの深い味わいのある顔が多いので、日本人好みというか。欧米っぽさにアジア系を足したあの顔立ちは、どうも好印象ばかりつけてしまいますね。閑話休題。
     ハーレムに押し込まれてしまったヒロインが、快楽に堕ちていくとともに、シークへの恋を、愛を、感じていくさまは綺麗な印象がありました。ゆったりと丁寧な描写だからこそ、ロマンチックさが演出されていましたし。
     強引な彼に欲のまま押...続きを読む

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  • お嬢様は欲求不満!? -フィアンセと淫らな蜜夢の呪い-【書下ろし・イラスト10枚入り】

    夢に期待してしまいそう……

     淫夢を扱った作品って結構少ないので、新鮮だなぁと思いました。それを中心に回す作品なんてものは男性向けばかりかと思えば、TLにもあったんですね。なんだか嬉しいです。
     しかし、淫夢というのはすごく使い勝手がよくて、ヒロインの欲をかき立てる技法としては秀でているんじゃないかなと私は思います。その分、ヒーローと交わる時になって処女ではない、淫売のような反応を見せてしまう……その羞恥がそそられますし、それをよしとして迫るヒーローにもドキッとしてしまったり。
     ロマンチックさの中に不思議な感覚が混ざった、まさに不思議な作品。でも、読んでいるうちに没入してしまう……本当に不思議。

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  • 蜜約-ラシェルとふたつの白い薔薇-【書下ろし・イラスト8枚入り】

    ロマンチックなお話で……

     愛した男が瓜二つの顔で二人いたとしたら、それはもう困ってしまうのと同時に背徳的な興奮を覚えずにはいられないでしょう。双子であればなおさらで、コピーではない個人の性格を持った双子の兄弟からそれぞれ攻められてしまえば、愛に狂ってしまうに違いありません。
     芸術家を目指すヒロインが~……という物語ですが、芸術の美しさを評価する一面を物語の中にも落とし込んでいるような清らかさが窺えました。複数種ある愛の形を彩り、絶妙なところでヒロインの心情を織り交ぜる……上手いし、面白かったです。

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  • 幽閉王子とお針子の寵姫【書下ろし・イラスト10枚入り】

    驚きと甘さの挟撃

     読み終えてから、王子が女装して、不思議なキャラクターを演じている冒頭を思い返すと、ああこれがと頷かずにはいられません。
     奇妙なヒーローですが、それが後半でめちゃくちゃかっこよくなるのですから、ギャップに胸を突かれてしまいます。マジか、ってなります。
     ヒロインもヒロインでかわいいのですが、一本気な考え方をしているせいかもどかしく感じますが、それでこそ物語のキーである「女装」が際立つのかな。上手いな。
     あと、個人的には後半で活躍してくれるお付きのメイドが好きでした。色々と秘密持ちな彼女ですが、ヒロインのアリアーヌを誰よりも想って行動してくれる様は美しい主従愛というか、友情というか、そ...続きを読む

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  • 蜜愛の牢獄~メイドは反逆の宰相に乱される~【書下ろし・イラスト10枚入り】

    ロマンチックです

     設定にある気の強さを窺うところが印象付けられなかったのは残念ですが、ヒロインが欲に呑まれていく姿は良い演出だったと思います。
     しかし、監獄でメイドを襲って純潔を奪うとか……ヒーローは悪役ですね。実際のところ、正義ではあるのですが、正義を貫く時点で善悪は変わらないんですよね。それが誰の目で見て、どちら側になるのかが決まるのですから。
     ジェルトリュドを恨みつつ、快楽に呑まれていくオデットですが、お決まりの流れながら、それが綺麗に収まっているのでよかったです。何か付け足そうとぐだる作品も多かったりするので、お決まりを貫いてくれているのが好印象でした。

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  • 箱入り王女の蜜愛レッスン -恋人同士はどうするものなの?-【書下ろし・イラスト入り】

    可憐でロマンチック

     和平のためということで、人質のように隣国に嫁いだブランシュ。親のため、国のため、そのためだけに生きることに従順になってきた彼女からすれば、七日間与えられた自由というのは、本当に戸惑ってしまうものだと思います。
     その中で、疑似恋愛。正体がバレてしまえば極刑もののように感じますが、まあそれも物語を読み進めていけばおのずとわかってしまうもの。
     恋愛と、欲と。恋人同士がすることなんて紙一重で、ほとんど何も変わらないのかもしれない。でも、追い求めてしまうのは……何故なのか。ロマンチックな雰囲気を漂わせつつ、王女が淫らに舞い、美青年アルが彼女を導き、昇華させていく。甘々で、綺麗な物語。ごちそうさ...続きを読む

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  • 愛の嵐に囚われて-水晶の処女姫と褐色の騎士-【書下ろし・イラスト入り】

    ロマンチックなお話で……

     特殊な力を持ちながら、それゆえに引きこもるような生活を続けるヒロインの騎士になったヒーロー。彼女らの関係は主従関係から情熱的な愛を交える関係へと発展するのですが、その中で表現されるヒロイン、クリスタルの心情がとても少女チックで、切なさを感じさせながらも彼への愛がしっかりと伝わってくる。
     後半でヒロインが酷い目に遭い、その特赦な力を失ってしまったあとでもヒーロー、アレクシスは彼女に寄り添い続けるのは二人の深い愛をよりよく表現している一場面だと思います。
     しっとりしていながら、ロマンチックな物語を感じたかったらこの一冊はオススメかもしれません。

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  • 麗しの歌姫は黒侯爵に愛を捧げる【書下ろし・イラスト10枚入り】

    収まるところに

     濡れ場の冒頭だけ読むと黒公爵と揶揄されるアドニスが悪役のように見えて、アリアがかわいそうになってくることこの上ないですが、最終的にはハッピーエンドなのでご安心を。
     男のわがままに付き合わせられる女性側からしてみればたまったものではないですが、嫉妬心や不安を拭い、包み込んであげられなければ愛なんてものは成立しないのかもしれません。とはいえ、アドニスは過剰といえば過剰な気もしますが……。
     流れとしてはロマンチックで、情愛深い物語だと思います。いつもと少し変わった刺激がほしかったら、読んでみるのをお勧めします。

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  • 王子の秘密の花嫁選び -深窓のシンデレラをさがして-【書下ろし・イラスト10枚入り】

    美しい愛

     ヒロインは男と育てられ、自身も男として自覚していながらも、ヒーローと交わる――間違えてみれば、一瞬でもBLにも空目してしまいそうですが、それも二度美味しいというもの。
     女の子として目覚めていき、男と自覚していた自分から解き放たれていく姿はヒーローを昂らせるきっかけに十分作用してますし、またこの作品の魅力なのかなと思います。あと濡れ場がスピーディーで、しかもお互いをお互いに求め合った結果の激情による行為という雰囲気がすごく伝わってくるシーンもあって、そそられるものがありました。
     最終的にはヒロインのカッコよさも出ていて、剣を取ってお互いを護り合う姿には感嘆が漏れてしまいましたね。

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  • 伯爵令嬢の淫らな甘い恋【書下ろし・イラスト10枚入り】

    ロマンチックさと甘さと

     伯爵や地位を持つ諸侯の娘というのは人質にされることが多いですが、丁重にもてなされることが多いはずです。それを、皇子の愛人に仕立てあげる……この皇帝はクソみたいだなと思いました。
     しかし、皇子と触れ合っていくにつれて、彼の思惑や過去に触れ、段々と惹かれていく描写が細やかななのが好きです。そして愛人から正妃候補へと昇り詰めるまでのサクセスは目を見張るものがありました。
     反国物語のような側面を持ち、アレックスのために尽くそうとするリーゼルの後半の活躍は涙溢れることがあるかと思います。それにリーゼルにつくメイドもいい活躍を見せ、女の子ながらカッコいいので、必見です!

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  • 仮面舞踏会の夜に-家庭教師は侯爵のキスに揺れる-【書下ろし・イラスト10枚入り】

    ロマンチックなお話で……

     初恋の人と結ばれる……とても尊いことで、物語のロマンチックさに胸に来るものが多くありました。仮面舞踏会で出会った男に囚われ、犯される展開はどうしようかと思いましたが、相手がジョシュアだと気づいているソフィアはまた一途なんだなとどうしようもなく思います。だって仮面に顔が隠れている上に、五年も会っていなかったのに、声や瞳などでジョシュアだってわかるのがすごいなぁって。
     憶えているだけじゃなくて、運命で繋がっているのかと思いました。素晴らしかったです。

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  • 王と騎士と姫君のトライアングルラヴ【書下ろし・イラスト10枚入り】

    まさにトライアングルラブ……!

     最初、兄様は何を言っているんだろうと思ってしまいました。だって自分の婚約者を、ディードリクに犯させるとか普通の人は考えないですよ。そこが王族と一般人の違いでしょうか。心が寛容すぎます。
     二人の男性に、しかもどちらも美青年となると、受け入れる側のレイナの胸中は甘く、そして背徳感にまみれています。心なしか、彼女の胸中の言葉を表されている分、作品にのめり込んでしまい、自分が二人に迫られているような気分になってしまったりも。
     それに三角関係ながら、ロマンチックさを漂わせるストーリーは素晴らしいものでした。またこんなお話が読みたいです。

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  • 姫は金色の瞳に魅せられる【書下ろし・イラスト10枚入り】

    ロマンチックでありながら

     ヒーローが変身できるとか、新しいなと思いました。ライカンスロープの人から狼ではなく、児童から大人への変身。男はみな狼だって昔から言いますから、拾った小さな男の子が、満月の夜に大人の男に――狼に変わるのは間違ってないなと思えます。
     設定からして面白いのですが、内容もロマンチックでよかったです。特にギャップもありますが、夜のエーリクは激しいです。身体は大人になっても、頭は子供のままのような、それでいて性欲はちゃんと発揮して。
     読み応え、あると思います。

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  • 薔薇姫は呪いの夜に泣き濡れて【書下ろし・イラスト10枚入り】

    ロマンチックなお話で……

     中世の雰囲気漂う作りが好印象でした。表紙も華やかだし、なによりアンドレアとローレンの濡れ場は甘く、ロマンチック。少し上からなアンドレアの行為が、読者からすればドキッと来るものがあるし、またローレンが快楽に溺れていくさまはそそられてしまいます。
     媚薬を使われたらどんな気分になってしまうのだろう……そう考えると、恐ろしい反面、嬉しさが沸き立つのは私が淫らなせいでしょうか……。

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  • 歌姫は大富豪の淫らな調教に溺れて【書下ろし】

    ロマンチックさと甘さと

     助けた少女を自分好みに調教していこうとするリチャードの第一印象は最悪なものですが、それでも人買いたちとは違って、彼女自身を愛しての行為だと知ると胸がときめくような気分になりました。

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  • 公爵の魅惑の香りに抱かれて【書下ろし】

    ロマンチックなお話で……

     ロマンティック・パフューム。香水なのに飲んでいいのかなとはさておき、媚薬のような効果を持つこの香水を使った濡れ場はよかったなぁと思います。
     オスヴァールが一瞬、こいつ女を薬漬けにして犯すだけの嫌なヤツなのかなとは思いましたが、話が進むにつれてそうでもなく、好感は一応持てました。

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  • 准教授と秘密のラブレッスン【書下ろし】

    ロマンチックと背徳的と

     先生と生徒という禁断の愛は題材として多く使われていますが、それゆえに人気であることは確かです。背徳的な愛を貫こうとするからこそ、そそられてしまうのです。
     ヒロインであるところの亜矢が、男性の経験はおろか、免疫もないとなると、ぎこちない生徒を先生が優しく手ほどきしていく濡れ場ができて、すごく好みの構図になります。私もついそれに自分も重ねちゃって……レッスンとかアフターとか、してほしいなぁとか思っちゃいました。

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  • 伯爵令嬢は背徳の蜜愛に溺れて【書下ろし】

    ロマンチックさ

     浮気でも、逃避行でも、その愛を貫き通すことができるのであれば、それが純愛となり得る。なんにしても、初恋の人を殺したかもしれない男に抱かれ、嫌悪するでもなく同情し惹かれていく姿はどうなのかなとは最初思いましたが。
     クリストフの背景に隠された秘密を知ると、まあそれも致し方なしなのかなとも思えてきたし、悪くない展開でした。レティシアのかわいさは去ることながら、クリストフの力強さ、強引さには少しドキッとさせられちゃいましたね。

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  • 王女の初恋は金の獅子王に奪われて【書下ろし】

    奪われた初恋に似合うストーリー

     日本の戦国時代にも人質を送る風習はありましたが、そこでもこの物語のように犯されていたのかと思うと興奮しますね。
     何も知らないアナスタシアが母の血のせいと淫乱に拍車をかけていくのは見ものだと思いますし、この初心な感じがヒーローをさらにそそらせる部分としてうまく機能していると思います。対して、今作のヒーローであるミハイルは俺様感を強く押し出していいますが、当初強引なセックスを強要してきた彼も徐々に優しくかき抱くようになってくれるのは嬉しいですね。終始自己中的な俺様を演じられてもヒロインがつらいだけなので、読者としてはツラくなります。その点、ミハイルは素晴らしいヒーローでした。

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  • 銀の姫は蜜月に愛を知る【書下ろし】

    ロマンチックさと甘さと

     知らない男であるジョージに犯されながら、いつしか彼に好意を抱きはじめるようになるアンナはとんだ淫乱娘かと思いました。国同士の婚約の話があるというのに、もう。
     ただ、人質にされていた女性が、犯人の男に恐怖を抱き続けていると、いつしかそれが好意に変わる――自衛のための好意、同情を生むようになるといったストックホルム症候群かなぁとか思ったり。
     ジョージもジョージで女慣れしていて、山賊だなぁとは思いますが、こんなに優しい山賊がいるのだろうか……いるなら身体を許してしまうのもわからなくはないかも。

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  • 華婿選びは禁断のハーレムで2【書下ろし】

    収まるところに

     中途半端な終わり方をしていた一巻との上下巻のくくりということで、楽しみにしていましたが……またこれは激しい。前作をはるかに上回る濡れ場の怪しさと、これはこれで男性向けっぽさを窺わせる描写の濃さ。
     兄たちの悪役感の強まりには口をあんぐりと開けたまま見入ってしまいました。三人の男の間で揺れる沙弥子。貴臣の懊悩。
     期待してみるのは、損じゃないかと。

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  • 華婿選びは禁断のハーレムで【書下ろし】

    切なさは二割増し

     古い家のしきたりで、よく分家と本家とで男性を出し合って少女を回す、というお話を見たことがあります。より血を濃くし、末裔まで家の因果を残していく……昔々は本当によくあることだったそうですが、最近ではフィクションの物語の中でしか知る手立てはなくなってしまいましたね。
     さて、男三人とヒロイン一人の逆ハーレムというものですが、ドロドロに溶け合って、ぐちょぐちょに混沌化していく物語ではなかったので一安心でした。お兄様のキャラが特に沙弥子を惑わせるのに適していて、しかも塩梅を心得ているのがまた……グッとくるポイントでしょうか。
     内容的にも軽く、文章自体も読みやすいのですっと物語に入っていけるかと...続きを読む

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  • 囚われの薔薇姫と孤高の黒王子【書下ろし】

    ロマンチックなお話で……

     人は人の上に立てるようになると、優位性に支配されてしまうのでしょうか。
     媚薬を盛ってまで女の身体を貪るアンドレアの性格は、ド畜生な気もしますが、それが王族ゆえということなのかもしれません。
     ジブリの映画「かぐや姫の物語」でかぐやを娶りに来る帝がいましたが、彼も自分のところに嫁ぐと知って断る女はいないというようなことを口にしていました。地位が高ければ高いほどに、自分のステータスに絶対的な自信を持つ。これは男だけに限らず、女にも見られることではあるのですが。
     閑話休題。
     ただ、媚薬を注いだ時の過度な反応が容易に想像できる描写で興奮しましたし、嫌だと断りつつも、段々とアンドレアに触...続きを読む

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