あらすじ
4月。尚哉は3年生に進級し、友人の難波と共に晴れて高槻ゼミの一員となった。
尚哉と難波は、初回ゼミのあと、数少ない男子学生どうし5人で仲良くなり、学期中に行われるグループでの研究発表を一緒にやろうと話す。
動画サイトで話題の「幽霊トンネル」を題材にしようと取材に赴くが、帰り際、尚哉は耳元で「どうして」という女の声を聞き――!?(「第一章 トンネルの中には」)
高槻が講義で、口裂け女やかまいたちといった「鎌」が絡む怪異について話したところ、大学の演劇サークルの代表から相談が。
先日、夜道を一緒に歩いていた次の舞台の主演女優の髪が、まるでかまいたちの仕業かのように、ばっさりと切られてしまったのだという。
高槻と尚哉は調査のため、サークルを訪れる。部員に一通り聞き込みをし、いざ帰ろうとした瞬間、高槻の従弟・優斗から着信が。なんと、高槻の父が刺され、病院に運ばれたという。
一緒に病院へ行こうと言う優斗に、高槻は「僕は行かない方がいいと思う」と呟き……。(「第二章 黒髪の女」)
高槻から「難波くんと何かあった?」と聞かれた尚哉。実はある理由で、難波との関係がぎくしゃくしているのだ。
悶々とする尚哉に高槻は「気分転換に旅行に行こう」と提案。運転免許を取り終わった尚哉の練習も兼ねて、桜を見に箱根に行こうという。
しかし宿の従業員から、桜の隠れ名所である、旅館の向かいにある山には鬼が出る、と言われ――?(「第三章 桜の鬼」)
己の「耳」の、己の「過去」の謎と向き合うふたりに、異界の魔の手が迫る――?
高槻をマークしている警視庁捜査一課・異質事件捜査係(通称:異捜)の動きも不穏さを増し……!?
高槻と尚哉、それぞれに試練が訪れる、目が離せないシリーズ第9弾!
イラスト/鈴木次郎
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Posted by ブクログ
初めは聞き流そうくらいの軽い気持ちで聞き始めた。どっこい今はかなり配信を楽しみに待っている。逗子の小坪トンネルよく通ったわぁ。キャシー中島さんてキルト作家の???この作品は結構現実の人物やら作品やらで説明してくれるのもいい。頷きながら聞いている。劇団のドロドロ修羅場展開は胃もたれするよねぇ。アキラ先生は今回相当傷を抉ったなぁ…。ナンバがめっちゃいい奴なのが救い。
Posted by ブクログ
深町くんにとっていよいよ難波くんがかけがえのない存在になっていく
トンネルの幽霊の話は改めてそうだよなって思う
ベランダで目を大きく見開いた人がホラーだったけど真相を知った後だとちょっと辛いね
高槻先生が両親と再会したけれど、父親に関してはそこまで息子を悪く思っていない感じがした
もう一人が連れていこうとしたシーン、あれは落下時に羽根が生えるのか、連れていくには先生の肉体が死ぬ必要があるのか分からなくてゾッとする
そして深町くんと山路さんが対面
悩んでいるところをピンポイントで刺しにいく山路さんエグい
Posted by ブクログ
トンネルの中には
もう尚哉も3回生。早いなぁなどど親戚のおじさん風に呟いてみたり。僕のこの前の解釈は間違っていなかった。人を怪異にしちゃいけない。だから高槻は声を荒らげたんだ。今回の怪異はほんのり香るくらい。まぁ普段はこんなもんよ。
黒髪の女
ヘアバンドの件はすぐ察しがついたから嬉しい。こういう想像力、豊かになったなぁとか思う。高槻父のことまではわからなかったが5人目の怪異でなくてよかったなと少し思う。こうまで刑事事件が怪異だと途方に暮れてしまう。最後に難波が現れたとき、ちょっと嫌な予感がした。想像よりかはましだったけどやっぱり衝撃だった。見抜かれた。さぁどうする。
桜の鬼
桜って何だか怪異になりやすい植物だなぁと思う。魔女の隠れ里然り、狂い咲きとかいう言葉もあるし、何かこう綺麗さと同時に恐ろしさも兼ね備えてるというか。異界の桜とサトリ。これで5人目か。捕まってしもてるけど大丈夫かこれ。怪異もやけど異捜の不穏さも増してきてるなぁ。難波とは仲直り。だろうと思っていたけど、その決断を迷うくらいの人生を深町は今まで送ってきてるんだよ。そう実感してしまうのが切なかった。
それはかつての日の話Ⅲ
第三者目線で見る高槻先生の過去の話。ゴーストでもあったがご飯が美味しいって生きてるってことなんだなって思った。些細だけど幸せなことだよね。
Posted by ブクログ
シリーズ9。深町尚哉が青和大学文学部史学科民俗学専攻の3年生となり、高槻ゼミ生となっての話。< 第1章トンネルの中には、第2章黒髪の女、第3章桜の鬼、[extra]それはかつての日の話Ⅲ >
相変わらずの面白さ。ちょい怪異?からの事件解決ばっかかと思いきや、第3章はリアル怪奇!!異捜の林原さんの登場が嬉しかったし、異捜の山路係長から将来の提案として異捜にスカウトされる尚哉に思わず拍手だった。両シリーズの融合?!楽しすぎる。
共に高槻ゼミ生となった良い味出してる難波との関わりも一歩前進かな。まだまだ続いて欲しい。
面白かったです
演劇の話、巻末の高槻が日本に戻ったばかりの話、とても感情移入できて泣いてしまった…。トンネルの話の弟君の悔しさも伝わるし、たっぷり面白い巻でした。
イソウの林原と新たな登場人物、山路さんがとても気になります。
サトリをモチーフとした桜の話、深町がおびきよそられて迷い込んだ異世界の描写が美しく、イメージしやすかったです。
高槻の中の人は深町のことも守ってくれるみたいだし、次巻たのしみだな。
Posted by ブクログ
毎回楽しみにしているけど今作は特に読みながら気持ちが入りました。
もともと推しが主演をするにあたって小説を読み始めたのがきっかけですが、今ではドラマ版と小説版それぞれの世界にどっぷりハマってしまって私の中では少し違うけど、どちらのキャラクターも大好きです。
このシリーズは各話が単発のお話になっていて、
怪異に出会えない高槻だったり、逆に怪異に出会ってしまったり…今回はトンネルで女性の声が聞こえる話、急に髪が切られる話、旅行で深町くんが大量の桜を見てしまう話、その全ての結末が面白いのだけど、
当時大学に入りたてだった深町くんも、もう3回生、高槻ゼミ生になっていて、ちゃんと時が進むと同時に、ふたりが抱える怪異との関わりも少しずつ進んでいくところがこの小説にどんどんハマってしまうところだと思う。
今回は、高槻は両親と祖父に出会い、深町くんは難波くんに大切な秘密がバレてしまう、そして、深町くんは就職について考え始める…。
早く10巻が読みたくなりました。
Posted by ブクログ
待ちに待った尚哉の高槻ゼミ生としての大学生活がスタート!!同じゼミに難波くんもいるので、面白くなっていくこと間違い無しです。
今回ももちろん怪談に関する話は面白かったですが、尚哉と難波くんの友情に関する進展が個人的に目玉でした。
遂に難波くんに嘘を聞き分けられる能力がばれた尚哉。尚哉が自分の心に折り合いをつけて打ち明け、向き合っていく過程が良かったです。
異捜の2人も本格的に登場するようになって、尚哉を勧誘するわで面白くなってきました。尚哉がどういう進路を選ぶのかがこれから楽しみです。
異捜の方の能力(?)のようなものも気になります。
次は最新刊の10巻です。読むのも11巻の刊行も今から楽しみです。
わぉ!
怪異じゃない人為的な事柄が2件 。異捜絡みの怪異が1件…とうとう、深町君の所に、異捜の山路さんの手が伸びてきた!それって、有る意味、怪異より、ずっと怖いかも….….
Posted by ブクログ
作中の時間軸と同じ、ちょうど桜の咲く時期に読めてよかった。
深町くんもついに大学3年生。
無事に高槻先生のゼミに入れた模様。
自分は理系出身で、こういったゼミを経験していないので、具体的なゼミの内容まで踏み込んだ大学生活を見せてくれるリアリティさもありがたかった。
先生の講義風景も変わらず入れてくれてたし。
毎回先生の講義が楽しみで楽しみで。
それでいて、異捜の人たちの登場頻度も上がっているから、現実との乖離もまたあるのだけれども。
まさか異捜の「あの方」まで登場するとは思わなかった。
(+あの先生も)
今回はトンネルの幽霊に口裂け女やかまいたち、髪切り、そして鬼とサトリのお話。
ちゃっかりいつもの3人で旅行もしているのだけれども、やっぱり怪異に巻き込まれるという。
本物の遭遇率が本当に上がってますなあ。
あちこちからスカウトのかかる深町くんの進路も気になるところです。
番外編は高槻先生とある食堂とのご縁の話。
これが本編で明かされた内容とも相俟って泣けました。
高槻先生にとって、実家は「実家」ではないから。
今回、先生が家族に会う山場シーンもあったので、それの救済の物語としても受け止めました。
食堂の二人がまたいい人なのですよ。
これからも、高槻先生の心の実家であり続けてほしいと思います。
Posted by ブクログ
【収録作品】
第一章 トンネルの中には
第二章 黒髪の女
第三章 桜の鬼
【extra】それはかつての日の話Ⅲ
ついに異捜の山路が登場して、ホラー感が増す。