あらすじ
五代将軍・綱吉の御台所が、京から呼び寄せた右衛門佐。家光が寵愛した有功の後、長く空席だった大奥総取締の座を手に入れた彼の目的は…!? そして、後継ぎのいない綱吉を巡り様々な思惑が…!?
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匿名
徳子の表情に注目
世継ぎを残す、ただそれだけのために大奥がどんどん騒ぎを大きくしていく中で、娘を亡くした徳子(女・綱吉)の表情がどんどん変わっていくのが怖かったです。
松の廊下をこんな風に読ませるとは。歴史の流れにうまく乗せてエピソードが来るのが面白い。後は本当に顔の区別がつく事なんだよね。
Posted by ブクログ
漫画になってる元禄時代ということで・・・牧野は一瞬で出番が終わりますが、城内や着物など参考になる部分も多いです。
っていうか単純に面白いです。
Posted by ブクログ
五代将軍・徳川綱吉の時代。
松姫を亡くした綱吉の姿があまりにも気の毒であり、
また忠臣蔵の書き換え方が非常に興味深い巻だった。
男女逆転といってもただ性別を交換しているだけではなく
それぞれがその性別であるところにきちんと意味があるのが
物語に深みを与えていると思う。
生類憐れみの令自体は、学校で学んだときには愚策と思ったが
あとで個人的に勉強したときにそうとも言い切れない面も
あったことを知ったので、
更に年老いた父の為に娘が敷いた令と思うと切ないものがあった。
永光院と桂昌院の再会のくだりも
天下人の父親である桂昌院が、有功の前では
若い頃の玉栄に戻ってすがるところが泣ける。
吉宗の利発な描写も良い。
右衛門佐と柳沢
若い男子のみを襲う謎の疫病により男子の数が激減した江戸の世を舞台に、時代に翻弄される徳川に仕える人間たちの波乱万丈の生涯を描いたIFの歴史SFストーリーの第五巻。
家光の死後将軍の座に就いた家綱はあまり政治に興味がなさそう。
そしてあてがわれた男たちにもそんなに気を持てていなかった。
なぜなら大奥総取締である有功が好きだったから。
それを知った有功は大奥に自分がいてはだめだと思い暇をもらう。
その後亡くなった家綱に代わって将軍になったのはかつて有功の部屋子から側室になったお玉の娘である綱吉だった。
京から呼び寄せた右衛門佐という貧しい公家の出の男を側室として迎えるがお褥すべりをして側室ではなく有功が去ったあと長らく空席であった大奥総取締の座に就く。
その後綱吉の側用人である柳沢吉保にお目通りをかなった右衛門佐を見てその切れ味のある性格に物の怪のようだと慄く。
柳沢も彼に対してそういう印象をもつのだった。
しかし綱吉の父である桂昌院は彼にいい印象を持ってなかった。
柳沢と結託して右衛門佐にひけをとらない男子を集めて彼の地位を失墜させようとたくらむのだった。
どんどんきなくさい権力争いになっていく。
こういう内部の争いが大きくなるのは外側の脅威が少なくなってきた証拠だと思うけど物々しいし、怖い。
続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
シリーズ第五巻の本書では、五代(女)将軍・徳川綱吉が君臨する元禄時代という設定。前巻のラストで大奥総取締の座に就いた右衛門佐(えもんのすけ)の活躍、愛する我が子を失った綱吉の惑乱と狂気、赤穂浪士の討ち入り(別バージョン)の話がメインとなっています。
有功(永光院)と玉栄(桂昌院)の再会のくだり。「どうかどうかわしを叱って下され」と永光院にすがる桂昌院。権力を持った桂昌院が玉栄に戻った一瞬。まだ家光がいた頃の若い二人を思い出した。エピソードの最後、一コマなのだが小雪がちらつくシーンの冬の寒さと静けさで、感動がさらに深まった。
巻の最後にまだ10歳の信(吉宗)が登場。綱吉とのやりとりに吉宗の利発さが見て取れる。