【感想・ネタバレ】チンギス紀 十七 天地のレビュー

あらすじ

チンギスは病床にある長子ジョチのもとを訪れたのち、草原へと向かう帰還の途につく。西夏領内に入ったチンギスは、ある城にただならぬ気配を感じた。それは黒水城と呼ばれ、砂漠に囲まれており、ウキという謎の人物が主とされていた。一方、チンギスから受けた傷を山中で癒すマルガーシに、カルアシンから見事な剣が手渡される。贈り主は明かされなかったが、マルガーシは戦に向けて隊の修練を重ねていく。アウラガの宮殿に戻ったチンギスは、ソルタホーンから国を揺るがす一大事を告げられた。突如生じた戦いに、チンギスは将軍だけでなくボオルチュも帯同させる――。圧巻の最終章! 「チンギス紀」全十七巻、ついに完結!!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

圧巻の最終巻。終わったようで終わってなかった最終巻は、想定どおりの迫力展開。因縁のマルガーシとの最終的な闘いはもちろん白眉であるが、それに至る妹の死など最終巻にふさわしい内容になっている。それにしてもマルガーシとの戦いは文字を超えた迫力があり、その後の展開にも大きな感動があった。17巻という長丁場だったがモンゴル国の序盤の歴史物語を読み通せたことは自身の大きな糧になった。北方さんが最後の長編と言っている森羅記は、文庫化になってから読むと思うが相当先で、読めるかどうかは神のみぞ知る。。。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

チンギス紀17 天地を読み終えた。

長かったチンギス紀がついに終わった。言葉では言い表せない感情。本を読んでこんな気持ちになったことはない。希望、絶望、別れ、悲しみ、満足、高揚。全てがあった!
まずは17巻の振り返りする。
・チンギスの長男ジョチが闘病に末に死んだ。最後、チンギスはジョチの元を訪れて話をした。これまで息子の扱いに困っていたように見えたチンギスだが、最後にジョチに見せたものは、愛情と言ってさしつかえないだろう。ジョチも思い残すことなく死ねたはず。
・トーリオが長い旅の末、チンギスと出会った。タルグダイのことを語るチンギスが、僕は好きだと思った。やっぱりテムジンだった頃の彼が好きなんだよな。草原の男だった。
・その点、最後の最後にチンギスは全てから解き放たれて草原の男に戻ったと思う。ホラズムと戦いながら、戦の目的、理由を見失いがちだったチンギス。彼の迷いと並走するように読者も、チンギスをどこか掴みどころのない巨星と感じてしまっていたと思う。それが最後にマルガーシとの激闘もあって、手触り感を取り戻した。テムジンが13歳の頃から、読者は知ってる。そんな彼があまりに巨大帝国を築き、チンギスとなり、そしてテムジンとして死んだ。私は、親のような気持ちで見守った。マルガーシとの戦いは、本当に尊いものだった。父の愛したリャンホアと出会い、完全に父ジャムカの影を引き受けたマルガーシ。彼とチンギスの戦いの中では、何度も黒貂の帽子と玄旗が登場し、常にジャムカを思わせた。こんなに綺麗な物語の終わり方があるのか。北方先生がすごかったのは、ジャムカが死にテムジンがチンギスとなり、ホラズムが最大の敵になったとしても、物語の中で最も重要な核の部分を9巻で退場したジャムカにあらせ続けた事だろう。それが、1巻から読んできた僕としては、全てがつながり円になった感覚であり、至高だった。
感情が溢れすぎて、箇条書きのつもりがめちゃくちゃ長くなってしまってるね。それだけ終盤が素晴らしかった。序盤中盤は違う面白さがあったから、それも触れとくね。最後の決戦の舞台である黒水城は、建築の背景、城主ウキと、謎が多かった。それは、久しぶりにチンギス紀で現れた謎解き要素だったので、個人的にはすごく好きだった。
全て読み終えたのでチンギス紀全体の振り返りもするけど、個人的に1番白熱していたのは、三者連合と草原の雌雄を決する戦いをしていた時かな。あの時は、ジャムカ、タルグダイ、トクトア、ジャカガンボといった初期からの登場人物の活躍はもちろん、西遼・金国の代理戦争の色も帯び始め、盤面が読めない不気味さと期待があった。そこから三者連合が破れ、ジャムカが死ぬ所までの物語の盛り上がりは、自分の人生の読書の中で最高のものだった。ホラズムとの戦ももちろん面白かったが、初期から共に走ってきた登場人物ではなかった分、感情的にはなれなかった。それが最後に、マルガーシが完全にジャムカの跡を継いだことで、あのころの熱いものを蘇らせてくれた。これ以上ないエンディングだった。
この作品に出会えてよかった。本当にありがとう!チンギス紀は僕の宝物です。いつか必ずモンゴルに行くぞ!

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2026年04月05日

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