あらすじ
東日本大震災後、福島県の「食」の現場で起きていることは何か。その苦しみの本質とは何か。その全貌を掴むため、2011年11月、山岡と雄山は共に福島県へと出発する。1年に渡る取材の中で見た、3.11以降の福島県の記録。
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自分の土地を奪われた
自分の生きる場所を奪われた、福島の現実。
山岡の言葉が響く。
困難は重々承知していますが、是非、賛否両論を呼んだ、続刊の発行を期待します。
震災から10年近くになりますが、未だ原発事故の始末も出来ていません。半減期にもまだ20年ある。福島の方達は、今、どうなさっているのでしょうか。豊かな土地に、自然を大切に生きてきた文化の豊かさ。土地を奪われることの酷さ。それなのに、福島の方達は、本当に知ってもらいたかったことすら、伝えられなかった、ということですね。嘘やごまかしの上に、私達は、今、どんなものを子孫に残そうとしているのでしょうか。今、コロナで、あの時と重なる対応を感じています。原発とどう向き合うのかは、生きていく為に必用な土台をどう扱うのか、どう生きるかを考えること。この、社会変容の時代に、読み直したい本です。
Posted by ブクログ
『福島の真実』の前編。
東西新聞社と帝都新聞社は共同で福島の真実を取材し、福島第一原発事故により普通の生活はおろか食文化をも喪った福島の人びとの苦悩とたゆまぬ努力を知る。
海原雄山の根とは…山岡士郎の根とは…
当時の政府と東京電力の無知、無能、無責任な行動により未曾有の大事故を起こした原発。原発が爆発した直後には福島市内でも空間線量は20マイクロシーベルトを超えたと言う。各地のモニタリングポストもコンクリートの土台に設置されており、空間線量は正しい値とは言えないようだ。
福島だけでなく、東北の各地が汚染され、山菜やキノコを食べられなくなり、牧草地もいくら天地返しをやろうが線量が下がらない所もある。我々、日本人が喪った食…食ばかりでなく、未来までも喪ってしまった。
Posted by ブクログ
「福島の苦しみの本質」とは、何か。
ということを強く、強く考えさせられる一冊でした。
福島の人たちは原発事故により、
土地や海、山、川など、生活のすべてを奪われてしまった。
それに対して私たちが何をできるか、
ということを考えさせられざるを得ない。
福島編
日本人に大きな傷を残し、衝撃を与えた3.11。
作者も深い思い入れを持って臨んだらしいが、表現が物議を醸してしまった。
長編のシリーズの中にあって、この問題をまともに記録できる漫画は、
食をテーマに持つこの作品ぐらいかもしれないので、意義はあるのだろうが、
番外編、というべき、というぐらい流れが変わってしまった印象がある。