【感想・ネタバレ】金田一耕助ファイル16 悪魔の百唇譜のレビュー

あらすじ

深夜の高級住宅街に停まっていた一台の外車。パトロール中の警官がこの車に不審を抱いたのが醜悪な事件の始まりだった――。トランクの中には、胸をえぐられ、その血溜りに“ハートのクイーン”を浮かべた女の死体が詰め込まれていた……。関係した女たちの性癖を克明に記した「百唇譜」をもとにゆすりを働く悪魔のような男に挑む、本格長編推理!!

カバーイラスト/杉本一文

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Posted by ブクログ

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物語の展開はリズムよく進んで行き、誰が犯人か分からないままで面白かった。ただ、犯人の動機がお金目当てだったのは何か浅はかでつまらなかった。というか、同性愛とか、性交渉が案外取り扱われることが多く、この時代ってそういう話題が多かったのかなあ。それか新鮮だったのか。

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2023年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

金田一耕助もの。金田一耕助の小説は大好きだけれど、この「悪魔の百唇譜」は金田一耕助ものっぽくない。哀愁漂う雰囲気がない、というか。

昔、この「悪魔の百唇譜」のドラマをちらりと見たことがある。確か、吉川十和子と火野正平が出演していたように思う。古谷一行が金田一耕助のドラマだ。
その吉川十和子が大変健気な感じで、小説もそういう感じなのかと思っていたら、全くそんなことがなかった。
「仮面舞踏会」もそうだったけれど、ドラマより小説のほうが酷薄で読者の一人としては小説の酷薄さが現実に近い感じがして、本格推理小説という現実離れした設定に一つの落ち着きを与えているように思っている。

朱美の遺書を読んで、李がどう思ったのか、というところは聞きたいところであった。写真をネタに強請っていた人物が変遷していくが、強請りを行う人間は本当にどこまでいっても強請りで食べていこうとするのだな、とある種感心してしまった。もちろん、小説の中の話だけれど、現実の世界でもこれについては同じじゃないかと思ってしまう。

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2021年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

5日のうちに読んだけど、登場人物が多く、2つの殺人事件が交差しているのと、どっちの車がどう移動して…?と考えながら読むのだが、とても頭を使った。そして人の名前を忘れてしばしば前のページを繰って探した。
警察署も3つ動いてて、どの警部補がどっちだか分からなくなってくる…。
金田一耕助の人間味にも触れることができる。かつて難解な殺人事件を前に張り切っている描写があったが、こちらは解決、終結して後の空虚感に襲われる描写が、冒頭と最後に触れてある。
ミステリーだけではなく文学性を感じることのできる作品。

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2020年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーーーん。

イマイチ。なーんかイマイチ。個人的には、金田一耕助の活躍が輝く時代設定は、戦後すぐの昭和20年代中盤ぐらいじゃないかと思う。この作品のように昭和30年代になって、それなりに便利なものが普及し始めてる頃になると、戦後すぐの時代背景の金田一作品が持っている猥雑さ、仄暗さというものが感じられなくなる。

やっぱり金田一が関わる人たちには、戦争から帰ってきた退役軍人、没落した士族や華族や大地主、そしてむやみやたらにそこらじゅうにいる後家さんが出てこないと、らしさが出ないなー。

横溝作品を制覇したい、というのではなく、とにかく金田一耕助の活躍を読みたい、というのであれば、他の作品から読み始めることを勧めます。トリック自体は、それなりに複雑で面白いんだけどね。

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2012年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

横溝正史得意のエログロな作品であるが、他の作品に比べるとボリュームが少ないせいか物足りなさを感じる。

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2011年02月08日

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