あらすじ
小兵衛は今も時折、二十六年前、門弟滝の仇討ちに立会った際の、相手方の助太刀山崎との死闘を思い出す。「生きていれば名ある剣客になっていたろうに」。そんなある日、蕎麦屋で見かけた崩れた風体の浪人は、敵討ちを成就し名をあげたはずの滝だった。そしてその直後、奇しくも小兵衛は、清廉に生きる山崎の遺児に出遇う。老境の小兵衛が人生の浮沈に深く思いを馳せる、シリーズ最終巻。
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Posted by ブクログ
剣客商売シリーズ第16弾で最終話。
ついに読み終わっちゃいました。
秋山小兵衛の関わりのあった門弟や同門の剣客が絡み合い、小兵衛が道場を開くときにお金を借りた金貸しやその息子、様々な人たちが小兵衛の75歳を迎える時にこの剣客シリーズを締めくくる物語をパズルのように組みあがっていく。
小兵衛の周りの人たちがその後どうなったかもそれぞれが何歳まで生きたかなどが語られ、このシリーズが終わるんだと何か思わせる結末に向かう。
いや本当に楽しませていただきました。
そしてまた、このシリーズを読み返したいと思わせてくれる剣客シリーズでした。
Posted by ブクログ
・・・終わってしまった。ここまで楽しんで読んでいましたが、最終巻ほど読みたくないものはありません。でも最終巻でも面白かったです。主役たちのその後や没年が記されてくるあたりは、ファントしては心苦しいものがありましたが、最後まで主役は主役の、脇役は脇役の光を失ってません。最後まで読めて幸福でした。これから番外編も読むつもりですが、これも最後を読むのは辛いな・・・。
Posted by ブクログ
この辺りになってくると、著者池波氏の体調が思わしくないせいか、
物語を取り巻く時代背景にも暗雲が忍びよってくる。
当然、登場する主人公たちにもあまり晴れ晴れとしない出来事が起きてくる。
このシリーズも最後まで完結せずここで終わっているんだよね。
でも絶筆して終わったわけじゃないから、池波氏はこれで終わりのつもりだったのだろうか。
まぁ、田沼意次の没落までは、見たくない気もするけれど。