金ひかるのレビュー一覧

  • バイバイ、ハックルベリー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大好きな作家さんのひとり、一穂先生。
    ★の評価にはずいぶんと悩みましたが理由は最後にでも。

    今回のお話はふたりの…というかどちらかというと塁の心の内(ぐるぐるとした)がよく分かる書き方になってました。なので「どうして槙志はそういう風に考えるの?」って同じように悩みました。お互いが思ってることがなんというかかみ合わない感じがもどかしかった。
    ヒカリが気になって気になって仕方のない塁の気持ちはすごくよく分かったし、奥手というかあまりにも何も求めない槙志がもどかしくもありました。でも最後は、最後まで求めあえてよかった。ノリが照れとはいえ、割とずけずけと言うところにはちょっと驚きつつ。エッチの時にそんなこと言うの?と思いつつ、やっぱり照れと若さからかな?そんな掛け合いでした。

    ★の評価は悩みました。
    凪良先生の時に書いたのですが、こればっかりはどうしようもない"絵師さんが苦手"です。
    繊細な、すごく心惹きつけられる文章に、今回の線の太いゴッツリとしたイラストが私には受け入れにくかったし、頭の中でイメージしていたふたりとちょっと違ってました。
    大好きな作家さんだからこそ、この違和感はぬぐえないし、苦手な絵師さんだとその温度差に評価が苦しいところ。
    格別、自身の大好きな作家さん(一穂先生・凪良先生)だとその温度差はすごく際立つ。
    散々悩みましたが、小説は★4.5、挿絵は…な感じでトータル★3です。

    0
    2013年04月16日
  • バイバイ、ハックルベリー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大学生 槙志×塁

    大学生になったばかりのドキドキ感とか新鮮感が、「あ~なんかこんな感じってありそう」って思った。中学生でも高校生でもない、新大学生っての。

    あまり一般的で無い事象を扱うのが上手い。
    今回は、「イマジナリー・フレンド」

    エピソードとしては、口笛、その選曲の使い方(題名の元だよね)、オセロの持つ意味とか。無駄が無い。
    槙志の実家の描写はいいなぁ。
    私の田舎は盆地で農家だけど、漂う空気にシンパシー感じちゃう。

    後半は、普通にCPのその後。
    初Hが、まるで手引きのように詳細、でも、美しくも気障でもロマンチックでもなく、等身大っていうか、現実的。そんなとこもいい。

    0
    2013年04月12日
  • スリーピング・クール・ビューティ

    Posted by ブクログ

    公安×新米弁護士

    新人の弁護士である主人公は、何かとドジで抜けている。
    依頼人からの要請により、離婚の話し合いのために出向いてみれば、
    旦那という男は全く面会ができず、戻って来るために待っていたところを職務質問をされてしまう始末。
    しかも、その窮地を救ったのは面会すらできない依頼人の旦那だった。
    外出先で股間を携帯で撮影されるという酷い仕打ちにあうが、しかし雨にぬれて震えていた主人公を部屋に招き入れてくれた。
    仕事に疲れていたのか、うたた寝をする男になぜか主人公はキスをしてしまうのだが。

    鳥谷さんのデビュー作です。
    小説ディアプラスに掲載されたという表題作は、ボリューム的にはちょっと物足りない感じがしましたが、その後のお話も収録されているので満足でした。
    ちょっぴりマニアックなシーンもありますが、そこはそれ別に動じない程度でしたし。

    まあ、主人公がハーフで赤毛のため、あっちのほうも赤毛なわけで。
    作品にそれがふんだんに描写されるのですが、あとがきでもう大爆笑でした。
    鳥谷さん最高です。

    0
    2013年03月24日
  • きっと優しい夜

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初読みの作家さんです。わりと地に足の着いた感じの文体にとても好感が持てます。
    前職のアパレルメーカーを横領の濡れ衣をきせられて退職した羽根は、
    現在ディスプレイデザイン会社の契約社員をして下積み生活を送っていた。
    毎日ひたむきにがんばっているが、元彼に裏切られて罪を着せられた傷はまだ癒えていない。契約社員という先の見えない生活にも不安を募らせている。
    いわゆる不幸健気受です。
    対するはデザイン会社のチーフを務める寡黙で武骨で男気あふれる会社の先輩堂上。
    ある日堂上から食事に誘われ、突然好きだと告白されて驚く羽根。
    尊敬はしていたが、恋愛感情は持っていなかった。
    自分がゲイであると見抜かれていたことへの不安。
    断ったら会社にいられなくなるかもしれないという不安。
    羽根は堂上を受け入れる代わりに『正社員になりたい』と交換条件をだしてしまう。
    これは身を護るための保険みたいなものだと自分に言い聞かせて。
    自分を利用しようとする羽根に落胆したはずの堂上だったが、不思議なほど羽根に優しい。
    堂上の懐の深さ、多くは語らないけれど羽根を気遣うやさしさに、割り切って始めたつもりの関係がどんどん苦しくなる。
    そんな中、またもや元彼の差し金で不正に巻き込まれそうになった羽根は、堂上に迷惑をかけるくらいならと、そばを離れる決心をする。
    こういったひとりよがりで周りが見えていない不幸受は通常あまり好きではないのだけど、うわっついていない堂上の不器用な愛情の好感度との相乗効果もあってか、全然嫌な話じゃなかった。
    実はまだアパレル会社にいるころから顔も知らない羽根に潜在的に興味を持っていたというエピソードよかったな。
    両想いになってからの甘やかしと堂上のやきもち焼きが微笑ましい。

    1
    2013年03月19日
  • きっと優しい夜

    Posted by ブクログ

    仕事風景もきちんと書き込まれていて、最後まで中だるみなく引き込まれました。
    羽根は、以前アパレル会社に勤務していたのですが、ある事情で自主退職している身の上。現在は、ディスプレイデザインの会社に契約社員として採用されていて、真面目に仕事を頑張っている毎日です。
    羽根は必死なんですよね。不景気のさなかに苦労してようやく見つけた職で、三ヶ月ことの更新のたびに切られるんじゃないかと不安になって、正社員になりたいと勤勉勤労しています。
    そんな羽根が尊敬して信頼しているのは、仕事では厳しく手抜きしないチーフの堂上。彼は自分の仕事にプライドを持っていて、それに見合う才能の持ち主です。それを鼻にかけたりせず、職人気質でちょっと不器用な面もあって人間味がある人物。

    羽根は、怖くて緊張してしまうくらい尊敬していた堂上から食事に誘われて、その上「好きなんだ」と告白されてしまって、ここで断ったら正社員はおろか、クビになる…!とおびえちゃいます。
    その気持ちはわかります。色恋より食べていくほうが重要事項。
    さらに羽根の場合は、ゲイである自分の恋心を利用されて犯罪の片棒を担がされたという、決して公言できない理由で前の会社を辞めているんですよね。
    切羽詰った羽根は、正社員になることを交換条件として付き合うことを受け入れるのです。
    そして、二人はお付き合いする事に。羽根は晴れて正社員に。

    ここのところは、もうちょっとうまく描いて欲しかったかな~と思っちゃいました。
    二人とも、カラダを交換条件にするほどイヤなずるいヤツじゃないんですよね。実際のところ、寝たから正社員になれたとか、そういうわけじゃなかったと思うんですが。そっちの方に注目しすぎて、切なくなれたのはやっと後半になってからでした。
    あの元カレが出張ってきたあたりからです。
    その元カレも、できればもっと「天誅!」みたいなかんじで、もっとこっぴどくスッキリする方法で懲らしめて欲しかった気がします…
    とはいえ、元カレが登場したからこそ、二人の間でもやもやしていた誤解も消えたわけなんですけどね。
    仕事にはとことん厳しく追及する堂上が、恋愛においては少々歯切れが悪かったんですよね。もちろん、それはすべて羽根を思いやっての事だとわかりますが。
    でも、そこがわかったのが終盤だったので…羽根の仕事を失いたくないとか、不正にかかわっていたことがバレたら、という気持ちの方にすごく感情移入しちゃってめちゃくちゃドキドキしちゃって、恋愛モードでの萌えよりなぜか勝ってしまって。

    ストーリーは萌えとかにこだわらなければ、地味だけど満足できます。
    ありのままの人間らしさを、優しい気持ちで受け止められる話です。

    0
    2013年03月14日
  • 素直じゃないにもほどがある

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     花屋の雅は、交通事故に巻き込まれたことで、偶然にも幼馴染みと再会する。
     幼馴染みの樋野は、過去二回、雅に告白し、最後には突然、「お前を好きでいるのをやめる」と宣言し、去って行った謎の男だった。
     たまたま、雅の車にぶつかった車を運転していた男が、樋野の上司だったことで、数日後、雅の店に樋野が謝りに現れる。
     そこで突然、樋野は花嫁のブーケ作りを雅に依頼してくる。
     何気無い顔をして、その依頼を受けた雅だったが、再会したことで実は今まで雅が樋野に抱いていたおもいが恋心だったことを自覚してしまった雅は、複雑な想いを抱える。
     しかしながら、結婚を控えているという樋野に今更そんま想いを告白する訳にもいかず、雅は自分の気持ちを隠したまま再会した樋野と会い続けていた。
     ところが、あることがきっかけで、樋野が突然、雅に口づけてきて……

     という話でした。
     結局のところ、樋野が依頼したのは樋野の従姉妹のブーケで、結婚する相手は樋野ではなくて、実は樋野は今でも雅のことが好きで……という話だったんですが。
     微妙な別れ方をしたのはもう十年近くも前で、いい年をした27歳の大人だというのに、樋野はあまり進歩していないような独りよがりなすれ違いばかりしているダメな大人。
     全部告白は言い逃げでどうせ雅のことなんて手に入らないって自己完結しちゃってて、ちゃんとしたアプローチはしてこないし。
     そのくせ思わせぶりにキスはするしで、まさしくヘタレ。
     あれだけ雅に「男は嫌いだ」って言われてたら、アプローチする自信がなくなるのもわかるんだけど、それならそれでいっそ自分の気持ちを伝えなきゃいいのに、あー! もうじれったいってなるんですが、そこがなかなかいいです。

     あっ、でも話自体は雅視点なので、読んでる最中は樋野のことは「こいつ何考えてんの?」止まりかもしれません。

     何にせよ、いい年した大人がかわいい恋愛をしている話でした。

    0
    2013年02月17日
  • ゆっくりまっすぐ近くにおいで

    Posted by ブクログ

    印刷会社営業の稲田は自社の印刷機の故障で刷れなくなった緊急の印刷を、町の小さな印刷屋で引受けてもらう。そこの社長・大内は口は悪いが懐が広く、初対面の稲田が見とれるほどの美形。たちまち恋に落ちた稲田は、以来せっせと彼のもとに通い口説きまくるが、大内は拒否こそしないが受け入れてくれるわけでもなく……?年下ワンコ攻×クールビューティー受。商業誌未発表をHシーン含め大幅加筆で文庫化!

    0
    2013年02月10日
  • 三十二番目の初恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    余裕のある大人に健気にがんばっている子がかわいがり倒される話は大好きです。
    が、しかし、受の想の『どうせ俺なんてオモチャみたいに扱われても当然』的なダメっ子ぶりに結構イラッとしました。
    あまり感情を表に出さないけど、大人で包容力のある医者の梶山と普段なら全く接点のないようなかわいくてちょっと隙だらけな感じの美容師の想。
    梶山の痴話げんかに巻き込まれた形でけがをしてしまい、仕事も住む場所も失ってしまった想。
    責任を感じた梶山が自分のマンションに想を居候させたことから始まる奇妙な同居生活。
    お互いに今までにない心地よさを感じて…的な展開は有りがちだけど嫌いじゃない。
    だけど、これでもか、これでもかっていうほど出てくる不幸エピソードになんか甘さも帳消し。
    いくらなんでもダメンズ過ぎるよ、想が・・・。
    『センセ』とか甘えた感じは悪くないけど…。
    最終的に梶山が大人の余裕を見せて、甘やかし生活に突入するんだけど、なんか私にはいまいち充足感が足りなかったな。

    0
    2012年11月17日
  • 未成年。

    Posted by ブクログ

    一つだけ。この小説は最後までくっつかないで終わります、ご注意を。

    かわいさん初読みだったのですが、ラストまでくっつかないで終わるということを除けば、タイトルとマッチするストーリーで中々良かったです。他の作品もこれから読んでみたいなと思いました。

    0
    2012年11月01日
  • スリーピング・クール・ビューティ

    Posted by ブクログ

    ドSとドMカップルがハマってていいですね。
    ただプレイ的にはちょっとマニアックなのでダメな人はダメかもです。

    0
    2012年10月02日
  • 手をのばせばそこに【特別版】

    Posted by ブクログ

    謎めいた大男神崎大吾×駄菓子屋村井冬
    大吾がなぜ近づいて来たのかがちょっとミステリアス(?)なんだけど、冬への好意があからさまなので、安心して読めました。
    猫のははちょに話しかける冬がカワイイ。

    0
    2012年09月30日
  • 手をのばせばそこに【特別版】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんだろう、この「あともう少し」感。

    熊のようにガタイはでかくても甘いもの好きで優しい攻と、無口なのに実は言いたいことがいっぱいの不器用な受。
    猫さんたちも相まって、私の萌えツボを押されまくられているというのに、あと少し足りないと思ってしまうんです。

    冬のこれからのことが気になってしまうからでしょうか。両親とのことや祖母とのこと、神崎とのことがまだ中途半端だからなあ。続編読みたい。。。

    0
    2012年09月28日
  • チョコレートのように

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     信頼していた同僚に、コンペ用に用意した企画を丸々盗まれる、という最低の経験をした京一は、橋の上で水面を酔った目で呆然と眺めていた。
     そんな京一に声をかけてきたのは、印象的な声をした謎の男・梶本。
    「死ぬくらいなら、そのカラダ、俺によこせ」
     という梶本に、自分が身を投げる先が、この川の水の上でも、自分のベッドの上でもどちらでもよくなっていた京一はついついうなずいてしまう。
     梶本は、男の恋人をその同僚に奪われたのだ、と言い、同僚への復讐に手を貸すという。
     そしてそのまま梶本は京一を強引な手段で変身させてしまう。
     おまけに、これまで知らなかった強烈な『快楽』まで教え込まれた京一は、徐々にとろかされていくが――

     という話。
     これって一種の憧れですよね。
     何にも知らない元だけはいいのに、まったく自分に頓着しないような自分好みの人間を探し出してきて、上等な服に着替えさせて、髪も切って、メガネも変えて――
     で、完成品が誰もがうらやむ美形!
     しかもそれが自分の恋人!!

     なんて理想的なんだろうか――とまぁ、私でも思います。
     こういうのがシンデレラストーリーっていうんでしょうね。

     もっともそれだけじゃなくて、梶本と会ったことによって、京一のどういうことが変わったのか、というのも何となうきちんと表現されていたので、ただ単純なシンデレラストーリーではなかったかなーと思います。
     元々京一は仕事に対して、高い意識を持っている人だったので、それに見合う服装をしたのだ、と思えば、変わったのも確かにそうだな、と納得できるような気がします。

     どんな外見をしていても、中身がそれにともなってなきゃだと思うし。
     中身がすばらしいのであれば、外見もそれに伴う格好をしないといけないよね、と思いました。

     それにしても、、あんなに梶本はうさんくさいけどできる男だったのに、最後の最後で、京一に謝り倒すはめになって、なんかかわいいなあとも思いました。

    0
    2012年08月25日
  • Fuckin’ your closet!!

    Posted by ブクログ

    ★3.2
    やっぱり犯人は汐見さんなのか・・・;まあでも、明確な証拠はないけども(苦笑)この件の関して曖昧なまま終わったのはモヤ。二人の関係もハッキリしないままなのかな~と思ってたけど、最後に補完してくれて良かった(笑)内容ガッツリで読み応えがあって面白かったです。

    0
    2012年08月24日
  • リアルリーマンライフ

    Posted by ブクログ

    初読み作家さん。


    攻め:研究員・瀬戸閑
    受け:営業・益原央紀


    開発担当の瀬戸はクレーム対処の為に営業と一緒に先方の自動車メーカーに行くことになる。
    元々人付き合いも自分の感情表現も得意ではない瀬戸はそつなくこなす益原に苦手意識を感じてしまい。



    これは私の中の感覚なのですが、攻めてる行動(ポジティブだったり多少強引に事を進めたり)をするのは攻めなのか?な印象があるせいか、最後にエチをするまでどっちが受けでどっちが攻めか全然分かりませんでした。
    ある程度読み進めて序盤が終わる頃にはその作品の視線が攻め視点なのか受け視点なのか、それなりに認識しながら立ち位置を分かっていくものなのですが、この作品は分かりにくかった。
    ずっと瀬戸視点で語られるのに、瀬戸が攻めなのか、受けなのか認識出来ずに辛かったです。
    受けがノンケっぽいのと女性にモテてる設定だから余計、その事実にしっくりいかなかったのかも。
    で、結局瀬戸が攻め(入れる方)だったのだけど、うーん、今後リバる可能性ありそう?な終わり方だった。リバって終わったなら☆4つでも良かったな。

    初読み作家さんだったけど可もなく不可もなく…。

    ああ、そうだ。そして私が萌えないもう一つの理由は、好みじゃない絵師さんだったからね。

    あとがきで、もう少し書きたくなって小冊子を作ってプレゼントすると記述されていて、もう締め切られていてショックだった。送料負担するから読みたい。

    0
    2012年08月04日
  • ラブレター

    Posted by ブクログ

    再会もの。可南センセの作品は、一途な受の片想いが大変切ないのです。
    パターンとしては、健気だった受が理由も言わずに気持ちの読めない攻の前から突然姿を消し、ショックを受けた攻がそこでやっと今までの自分の態度を反省し受への愛を認識する…というものが好物。もしくは、どうして消えたのかまだ理解できず苦悩する鈍い攻というのも、もっとぎゃふんと言わせたくなり萌える。
    受の気持ちを考えると不憫で涙が出るし、やっと気付いた攻に「遅い!」と毒づくこともできる、健気受好きにはたまらない設定です。

    そんな健気受をダブルで楽しめる?良平×広海と康平×旭日の2cp盛り合わせです。

    「ラブレター」は、両親を亡くし安井家に引き取られた広海の一途な片想いの話。家族として暮らすうちに、長男の良平のことが好きになってしまった広海。一度告白して振られています。
    それでも、密かに慕い続け、良平が大学へ進学し家を出てから2年後、突然彼のアパートへやってきます。
    3日間だけの同居の中で、一緒にいることの幸福を感じながらも自分の想いは決して告げることなく。
    広海の想いにうるうるさせられました。世話になっている家族や良平に迷惑かけちゃいけないと、遠慮して臆病になってしまっている広海の気持ちが健気です。
    一方良平はというと、不器用でぶっきらぼうな態度しか広海にとることができないんですが、実は彼も広海が好きなんです。
    読んでいてなんとなくわかるんですが、何しろ邪険な態度なので、広海の傷心ぶりも納得です。
    自分のものにしてしまったら、今度こそ広海の帰る居場所が無くなりもっと辛い思いをさせてしまうというやさしさからなのですよね。だったら自分がその居場所をつくってあげればいいのでは?とつい考えちゃいました。
    そして、その覚悟と勇気ができて広海を探し当てた良平は、初めていい攻になったと言えます。

    「遠い花火」は、そんなお兄ちゃんとガサツで不器用なところがそっくりな弟、康平の話です。
    康平は幼馴染みで父親の働く会社の社長の息子、旭日にずっと恋心を抱いているのですが、世間知らずのお坊ちゃんなので言い出せず、でもずっと側にいるような関係。感情をあまり顔に出さない旭日も、康平だけには懐いていて、自分は浪人なのに大学進学で上京する彼と同居すると言い出します。
    お坊ちゃまのわがままと思い、呆れながら渋々一緒に生活し始める康平も心は複雑です。そりゃ、好きな相手と二人きりで暮らして手は出せないという状況は苦しい。
    でも、わがままだと思っていた旭日の行動のひとつひとつには、実は切ない事情があったのです…
    胸がきゅーんとなったり、受のあまりにも初心な気持ちにかわいくて苦笑させられたりしました。「おっぱいないし」が、よかったw

    エロ的には、甘いHシーンがラストにあるので安心保証です。デロ甘でお腹いっぱいになれます。

    エロよりは両方の話ともに、最後の攻が口にする言葉がとても胸にきます。

    0
    2012年07月27日
  • あんたの愛を、俺にちょうだい

    Posted by ブクログ

    お話は面白かったです。恋愛に関してはちょっと物足りない感じはしますね。辛い二人の過去のお話もサラッと流している程度で、深く掘り下げていないので、すこしライトな感じ?のお話になってますね。今まで女性相手に色々やんちゃしていた受がいきなり男に一目惚れって辺りでちょっと違和感を感じるんだけれど、今まで愛された事のない慧樹は次に本当に人を好きになったら愛しぬくって決めてあったみたいだし、出会いは一目惚れでもまぁいいか!と思いましたけれど。綾乃ちゃんが可愛かったですね~♪

    0
    2012年06月21日
  • スイート×リスイート

    Posted by ブクログ

    甘くてほんわかするストーリーで癒されました。
    受は、甘いものと大きな男性に異常な嫌悪感ができるほどの重いトラウマを抱えています。どうかすると、どんよりした作品になってしまいそうですが、それをうまく胸キュンな方向へと引っ張っています。

    初恋の男の子との再会もの。それもかわいいエピソードになってます。
    幼稚園児だった瑞希の初恋は、お隣の小学生「ごうくん」。ごうくんは、いつも手作りのおいしいお菓子をくれるやさしくてかわいい少年。でも、結婚しようと指きりで約束までしたのに、彼の家の突然の引越しで離れ離れになることに。

    二十歳になった瑞希は、その「ごうくん」と再会を果たすことになるわけですが、歳月は二人を変えてしまっていたのでした。
    そこから始まる甘い甘いラブストーリーです。そして、ちょっとほろ苦い。

    瑞希のトラウマはかなり深刻。下手するともっと根深いものになりそうです。そんな瑞希に、どう矢波が接していき、関わっていくのか、とても気になり興味深かったところです。
    そして、瑞希もそんな矢波に助けられ、どうトラウマに立ち向かっていくのかと心配しました。
    矢波がとてもいい攻でした。彼なら大丈夫と思わせる優しさがあります。例えトラウマが根本的に克服できなくても、矢波の支えがあればこの先何かあれば守ってもらえるんじゃないかと思わせます。幼少の頃は「守ってあげる」と言っていた相手に、守られてしまう立場に逆転するのも、非常に萌えるポイント。

    瑞希が甘いもの平気になったと公言したのには早計かもと、一瞬不安になりましたが、そこのところをうまくまとめたのが書き下ろしの「スイート×スイート」でした。たとえ完全に治らなくても、だめなものをだめだと正直に打ち明けられる相手を得て、心が穏やかになる瑞希。
    いい方向へきちんと向かっているのが理解できる話です。
    その後の弟視点のSSも家族の温かさが伝わってきてほのぼのできました。

    難を言えば、トラウマが心配で、あまりHシーンにのめり込めなかったことでしょうか。いちゃいちゃラブラブシーンまでは甘くてよかったけど、生々しいことになると大丈夫か!?とあれこれ考えすぎて、急に醒めてしまった。

    0
    2012年05月21日
  • アロー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    淡々と日常の描写が続くんですが、この日常感がいい。
    攻受双方とも温度感低めで、本全体が低空飛行みたいな。
    ですが、受が10年も実の兄に恋してたりとか、内面が地味に沸騰レベルで熱かったりするので、端々に出てくるマグマ感情で読む方はダレません。

    初期の作品と比べると、好きになってゆく過程とか心の動きが上手になっていて、凄く読みやすい。
    というか、安心して読める。

    0
    2012年05月06日
  • 犬と小説家と妄想癖

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     真面目な数学教師・鮎川の親友は、官能小説家の不破。
     鮎川は、酔って階段から落ちそうになったところを、不破に助けられ、その不破が利き腕を骨折したことから、不破の仕事を手伝うことになる。
     それは、不破の小説――もちろん、官能小説の後述筆記であった。
     やってみるまではなんともないと思っていた鮎川だったが、実際にやってみると、不破の唇が快楽の世界をつむぐたびに、不破を意識してしまい、叫びたくなってしまう。
     おまけに、不破はこんな行為が好きなのだろうか? などと考えてしまい、頭も心も大混乱。
     そんな鮎川の脳裏によぎるのは、数年前のきわどい記憶――不破から不意に施された口づけと、触れた熱い指先。
     鮎川は、ずっと不破の傍にいたいがために、その出来事をなかったことにしたけれども……。

     という話でした。
     不破は、ずっと鮎川のことが好きで。
     けれど、鮎川と「絶対にしない」という約束をしてしまったから、鮎川と離れたくないがために、その約束を守っている、かなり忍耐強い男。
     鮎川は、次第に不破を意識しているけれど、そんなことは認められなくて、ぎこちなくなっちゃって、でも最後は鮎川がぶっつんしちゃって、ハッピーエンド。

     自分の気持ちがわからなくて、ぐるぐるしてしまいがちな受けと、余裕がありまくりに見えるけど、実は全然、そんなことがない受けのカップリングがお好きな方にはオススメです。

     告白した後は、鮎川の方があんまり何も考えていない……というか、素直にまっすぐで、時々どっきりするようなことを言い出すから、とても愛おしくなりました。
     特に、最後の結婚のくだりなんか、とってもよかったです。
     普段、割とそんなこと言い出して、実際にどれだけ大変だと思ってるの……ってリアリストなので思ってしまうんですが。
     鮎川の性格ならきっと頑張って、本当にそうしちゃうんだろうなー……と思わせてくれる辺りがとってもよかったです。

    0
    2012年04月30日