沢木まひろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小路さんがいらっしゃるので購入。
電車移動時間等におすすめな読みきりサイズの短編集。
宮下さんはスコーレNo.4のみ読んだことがあり、他の方々の作品は初めて読みました。
本というキーワードを多角的な視点でピックアップして物語が展開しています。
「メアリー・スーを殺して」は、二次創作の畑を通ってきた身としては、お、俺を殺してくれ、と思うような暗黒時代を思い出させるような、そんなリアリティのある空気にえぐられました。面白かった。
やっぱり大好きな作家さんということで贔屓目もりもりな気もしますが、「ラバーズブック」がとても好きです。読み返したい短編。短絡的じゃなくて完結していてなおかつ重量がある -
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Posted by ブクログ
恋愛小説、ですよねー
解説にあるように、恋に臆病な人向けの。
あはは、ウチアタイするところがあちこちに(笑)
同性同士の恋愛を描いている訳ですが、性交の描写が削ぎ落とされているので、BLってところには納められませんな。
ちょっと都合の良い展開とか気になりはしますが、近所や親の目が気になるといった素材の描き方はよいと思います。
この「ちょっと都合の良い展開」とか、登場人物中における同性愛者の含有率とかBL的だなと思うのですが、そのBL的な雰囲気である種の生々しさが払拭されて、良い意味でのファンタジーとしてできあがっていると思います。
橋口亮輔のものよりかは、落ち着いて読めるって感じですかね。 -
Posted by ブクログ
かつて教師だったバーテンダーの正午と、生徒だったWEBデザイナーの陽向(ひなた)のゲイカップル。
そして正午と旧知の仲の客の小夜。
どこか冷めているかのような正午の態度と、どこまでも真っ直ぐな陽向。
想う気持ちは一緒なのに、表現が違う。放った言葉が思ったように受け止めてもらえず、すれ違っていく。
それはどんな人間関係でも生じる問題だけれど、相手への想いが強ければ強いほど、その度合いは大きくなる。
心配させたくないから言わない。好きなら何でも言って欲しい。
想いの表現法は一つではない。両者ともに間違ってはいない。
間違ってはいないだけに、変われないのだろう。
それでも「何かを伝える」というこ