沢木まひろのレビュー一覧

  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    8人の作家による本をめぐる物語。切り口が各人各様、装丁の話もあり、作品を生み出す基本エッセンスあり etc。電子書籍が増えてきたけど、やっぱ手に取る本がいいわと感じさせてくれた一冊。本は誰かに届けられる。本は電子書籍に比べ、より沢山の人の気持ち、技術が結集され生まれるを実感。それにしても最近の本はアニメのような絵が表紙を飾るようになったなぁともおばさんは感じた一冊。

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    2020年01月19日
  • こごえた背中の、とける夜

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    背が低くコンプレックスのある42歳の時計職人と背が高くマネキンのように美しい20歳の彼。
    突然降り出した雨の午後、駅のホームで出会った二人は恋に落ちた。

    傘を貸したことがきっかけで、名前しか知らない相手と転がり込んできたまま同棲するって、なかなかな始まり。
    愛されていることを素直に受け入れられない気持ちとか、いつか別れる未来を考えてしまったりとか、恋愛に臆病な42歳の姿がせつない。
    自分の半分以下の年齢で、外見もよくて、仕事もできて、そんな人がなぜ?って思うのはコンプレックスがあるが故なのか。
    素直になれないってつらい。

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    2019年11月17日
  • 僕の背中と、あなたの吐息と

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    高校時代に教師と生徒として出会った二人。
    一緒に暮らし始め、幸せなはずなのに喧嘩になる。
    価値観の違いを上手に埋められず苦悩する日々。


    人の欲って際限がなくて、現状に満足するってことができなくて。

    一緒にいられない時は、毎日一緒にいることに憧れて。

    毎日一緒にいられるようになっても、それだけじゃ幸せじゃなくて。

    人って貪欲ですよね。

    好きなだけなのに、大切だからこその行動が、相手には伝わらなかったり。

    生きていく難しさと向き合う大切さを教えられる作品です。

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    2013年06月09日
  • きみの背中で、僕は溺れる

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    まずダ・ヴィンチ文庫はカバーやフォントなどの装丁がきれいです。
    この本も然り。ページを捲るたびにきれいだなあって思います。

    沢木まひろさんの背中シリーズ第一弾。

    不倫という罪の中での恋愛なのに、ここまで透明なのはなぜでしょう?
    それはきっと佐伯さんと僕が、純粋に求めあっているから。
    けれど最後、佐伯は言うのです。
    「三十二歳の君を愛してる自信なんかどこにもない」と。そして涙ぐむのです。私は切なくて切なくてどうにもできませんでした。

    私が感情移入できたのは僕。
    それはきっと、誰にでもある純粋に人を愛する気持ちを彼も持っているから。

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    2012年11月30日
  • ブランケット タイム

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    付き合って2年半、元同僚の彼氏は、会社を辞めてから再就職はせず、バイトを転々としている日々。

    そんな彼氏に本音をぶつけられず、気を遣い明るく振る舞う彼女。
    仕事への自信を失い、愛することさえも自信を失くした彼氏。

    お互いが大切で大切で、愛しているからこそ臆病になる。
    弱い自分を見せたくない。
    本音を伝えることができない。

    胸が痛くなるくらい共感できるラブストーリーです。


    本編は短い章で区切られていて、章ごとに語り手が変わります。
    第一章は彼女、第二章は彼氏。
    交互に語り手が変わるので、ストーリーを追いながら、場面場面の両方の思いがわかるんですよね。
    それがものすご

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    2012年09月22日
  • こごえた背中の、とける夜

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    ネタバレ

    好きな人と自分の間にギャップみたいなものを感じたときに、なんとなく読みたくなる本。
    終盤の展開は、ちょっとだけ現実離れしているかも?

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    2011年10月10日
  • きみの背中で、僕は溺れる

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    個人的に不倫・浮気ものが好きだったのでするりと読めました。
    BLというより、ML。MLと言うより小説。読んだ感が普通の小説と変わりないことに驚く。カップリングのお話ではなく、人間の小説だった。
    佐伯さんのダメダメっぷりにきゅん。大人としてダメダメだけど、惹かれました。
    物語として、満足なボリューム感でとても後読感がよかった。もやもやして、きゅんてして、登場人物の全員のことを考えたら夜寝れなかった。
    沢木さんの同性愛ものは全部読もうと思わせてくれた。

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    2011年03月06日
  • きみの背中で、僕は溺れる

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    綺麗な題名と、帯に書いてある言葉に惹かれての衝動買いでしたが、その日のうちに夢中で本編を読み切ってしまいました。
    もっとゆっくり味わおうと思ったのに、次の日には、その後を描いた書下ろしも読んじゃった。
    ちなみに帯の文面は、「祐司が恋に落ちたのは、姉の婚約者。」
    そうです、これは同性愛のお話。いわゆるBL?
    文芸の文庫コーナーに置いてあって、それを見た瞬間この本にとてつもない切なさを感じ取り、同性愛とか関係なく衝動的に購入してました。
    嫌いな人は仕様が無いけど、これは恋愛小説としてとても魅力のある作品だと思います。

    大切な人を傷つけてしまうと知りながら恋に落ちてしまう。
    身を焦がすような想いは

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    2011年10月20日
  • ブランケット タイム

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    L25モバイルで読んでた。

    不安定な彼氏とそれを支えたい彼女のお話。

    両方の視点で話が進みます。
    全体的に柔らかい雰囲気で好きです。

    ふたりともやさしくていいなーと思います。


    わたしはまだ大学生だからリアルな恋愛だとは思わなかったけど
    ところどころ共感するところもありました。

    …27ってあと五年かあ

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    2009年10月04日
  • ヘヴンリー・ヘヴン Heavenly heaven

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    L25のWEB小説から書籍化したそう。
    大人の恋愛は、「繰り返し」「果てしない」「終わりがない」「諦めきれない」「プライド」とかもろもろ暗いキーワードにヒットする。この小説もいってみればそうなんだけど、大人もがんばってるんだよ、って応援したくなる。
    白黒つけることがすべてじゃない。
    「変えたいけど変わりたくない」この関係をどうするよ、わたし?という感じです。
    苦しんでるなーがんばってるなーでもかわいい、そんな感じ。
    文章も描こうとしている世界観もすべて好みです。

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    2009年10月04日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    本の話だから、まあ予想がつくけど、と侮っていたら、結構いけた。凸凹はあるが。今まで読んだことのなかった作家のものが新鮮でよかった。この作家、読んでみようかという気にさせる。
    中田永一「メアリー・スーを殺して」この小説自体がメアリー・スーぽいがなあ。
    宮下奈都「旅立ちの日に」期待したけどねえ。手抜き。
    原田マハ「砂に埋もれたル・コルビュジェ」ピンと来ない。
    小手鞠るい「ページの角の折れた本」さすが元詩人だけあって、描写が美しい。物語もいい。
    朱野帰子「初めて本を作るあなたがすべきこと」察してちゃんの夫への対応に苦労する主人公が面白い。
    沢木まひろ「時田風音の受難」官能小説家と編集者との対峙に笑っ

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    2021年05月06日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    短編集。以下気になったタイトル

    メアリー・スーを殺して(中田永一)…二次創作小説を書く女の子と、その小説の中に顔をのぞかせるメアリー・スーとの向き合い方について

    砂に埋もれたル・コルビュジェ(原田マハ)…認知症で徘徊癖のある父と世話をする娘の話。あとがきで本を埋める話について読み、考えるところがあった

    ラバーズブック(小路幸也)…アメリカ一人旅中の主人公が立ち寄ったカフェで巡り会う一冊の本について。短編だけど伏線のようなものがあっておもしろく、また「本をみぐる物語」というタイトルにぴったりな話だと思った

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    2020年07月04日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    今年最後の1冊にふさわしかった。宮下奈都さんの作品はさらりと読みやすい。原田マハさんの作品は短編だけども流石に深い。小路幸也さん人と人の繋がりと本とのつながりに安定感。中田永一さんのメアリー・スーを殺してが新鮮だった。

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    2018年12月31日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    本をめぐる物語というか、本に係わる物語って感じ。
    色んなかかわり方があるとは思うけれど、それだけでなく、
    本が出来上がるまでに、色んな人が関わっているんだと思ったら
    ますます本が愛おしくなります。

    アンソロジーは新しい作家さんとの出会いの場である。
    ましてや本関連のアンソロジーときたら、期待度大である。

    好きなのは、「メアリー・スーを殺して」
    話の流れから、どんな結末になるかと思ったら
    さすがの乙一氏ですね。
    ある意味、予想外で中田氏らしい終わらせ方でした。
    ちょっとしたきっかけで、人って変われるんだって思わせる。
    これは読後感がよいです(p^_^q)

    「砂に埋もれたル・コルビュジエ」

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    2016年12月01日
  • ヘヴンリー・ヘヴン Heavenly heaven

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    一つ一つ違うストーリーで新鮮。短かったけど、後味がよく今後の展開が気になるところで終わっている話が結構あったので、自分的にすごく好き。

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    2016年08月30日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    ⚫メアリー・スーを殺して/中田永一(乙一)
    ⚫旅立ちの日に/宮下奈都
    ⚫砂に埋もれたル・コルビュジェ/原田マハ
    ⚫ページの角の折れた本/小手鞠るい
    ⚫初めて本をつくるあなたがすべきこと/朱野帰子
    ⚫時田風音の受難/沢木まひろ
    ⚫ラバーズブック/小路幸也
    ⚫校閲ガール/宮木あや子

    こういった本を読んでいつも思うのは、自分にとって新しい作家に出会える嬉しさ。
    といっても、今までは目当ての作家以外に1人2人いれば当たりだったが、今回は4人もいる。
    誰から手を出そうか。

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    2018年04月18日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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     短編集。どれも面白く、さらりと読めた。

     作者・読者・装幀家・校閲者など、色々な立場から本と関わる主人公たちの、本に纏わる物語。

    「メアリー・スーを殺して」を特に気に入った。

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    2015年07月03日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    旅行中に持ち歩くのに
    重すぎず(内容的にも)
    さらっと読めるものを、と購入。
    題名の通り、本をめぐる様々なお話。
    どの作品も、さらっと読めるうえ
    いい話だった。

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    2015年07月15日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    砂に埋もれたル・コルビュジエ 原田マハ
    初めて本をつくるあなたがすべきこと 朱野帰子
    校閲ガール 宮木あや子
    この3作が良かったな。

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    2015年05月04日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    苦手あり、鷲掴みあり、ニッコリあり。
    楽しく読んだ、アンソロジー。

    原田さんは「認知症」の父親を介護する女性の話が、
    現実的でたまらなかった。

    小路さんの「旅の本」でなくて、「旅する本」。
    らしくて大好き。

    沢木さんは初読みですが、面白かった。
    無職の40歳、男性、時田風音が受賞後の2作目を書く時のお話。
    結構笑えて面白かった。おっちゃん、頑張りや!と思う。

    初読みの作家さんが多くて、いい出会いだったな。

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    2015年03月29日