沢木まひろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
愛猫のためにお金が欲しい、と応募した女性向け
官能小説でデビューした主人公。
デビューしてしまったなら、さぁ2作目を! と
当然言われるわけですが、これまた書けない。
というか、書くつもりがない主人公。
それをせっつく編集者、がすごい。
いやここまでするのか? むしろするべきなのか? と
聞きたくなるような暴挙。
しかも驚きの…でしたし。
これで、職場恋愛になったら、それはそれで
愉快だったかとは思いますが。
そんな彼の話、彼の編集者の話、編集者の上司の話
姉2の話、妹の話。
なかなかに、盛りだくさんでした。
これはこれで、周囲が分かって面白かったですが
姉1もちょっと欲しかったかも。
話 -
購入済み
迷ったら騙されたと思って読んで
以下は市井の一読者の戯言ですから、聞き流してください、俺が30歳くらいの頃、ドリカム(一人抜けたけど)関係って言葉があった。女の子がいい娘なら、男は絶対二人ともその娘を好きになってしまう、野島何某の証券会社に入ったチョロが自殺するドラマで鈴木保奈美がいい娘だから唐沢も江口も好きになって江口が素潜りに勝ったのに身を引くみたいに、1対2、または2対1の男女の仲良し3人組はありえないと思っていた。50歳を過ぎて、多少分別がついて、貴著を読んで男女の仲良し3人組ってありかなと思った。
そうしたら、高校2年生に戻りたいとできっこないのに思った。
貴著で仲良し3人組が成立したのは翔君のせいだとと思った -
Posted by ブクログ
前編の「But Beautiful」は、22歳で大学卒業を目前に控えながら、将来の展望がない野田祐司が主人公。彼の姉の野田麻子は、父親のセッティングしたお見合いで出会った佐伯透という男性と結婚することになりますが、祐司は佐伯に一目惚れしてしまいます。一方、佐伯の方も、一目見た時から祐司に心を揺さぶられ、やがて2人はひそかに身体を重ねるようになります。
後編の「What's New」は、透と別れて6年後の祐司を描いています。イタリアで料理を学んだ祐司は、父の死を機に日本に戻り、「ポルトヴェーネレ」というイタリア料理店で働いています。6年前に激しく心を揺さぶられた衝撃から距離を取ること -
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Posted by ブクログ
ネタバレ十年勤めた会社をやめ、猫のホタルとの暮らしを大事にしている中年男性 時田風音はひょんなことから賞に応募して、それが認められて作家デビューすることになる。彼を担当することになった編集者 百山沙枝は無表情、毒舌、童顔の既婚女性で彼に次の作品を催促するが、当の本人は乗り気ではなくて…。
この作品は時田だけでなく様々な視点から描かれていて面白い。また時田がすでに中年であることから感情移入しにくいのかなと考えていたが、そんなことはなく時田が様々なことに悩みながらも前へと進んでいく姿はかっこいいなと感じる。
しかし個人的に気になったのは百山の描写で黒髪とされているのに表紙では栗色になっているのでこれ -
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Posted by ブクログ
8人の語り手による短編集。
本を通して見た世界はこんなにも多く、こんなにも刺激的。
広がる世界の面白さを、あなたに。
『メアリー・スーを殺して』
メアリー・スーとは聞きなれない言葉だった。
一体それは誰?
この人物は、二次創作における、書き手の願望を一身に背負った自己愛の塊というべき人物。
つまり、イタいキャラクターであり、ご都合主義的な登場人物ということらしい。
ありがちな設定だ。
プロの作家なら、それらを上手く操れるのだろうが、残念ながら多くの書き手はそうではない。
自分の妄想とありがちな設定と底の浅さが露見する、書いている本人だけが満足できるという代物。
このことに気づいた主人公、如月 -
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Posted by ブクログ
タイトル通り、本にまつわる短編のアンソロジー。
中田永一の作品が読みたかったのと、他の作家が著作を読んだことのない名前ばかりだったので、新規開拓のため読みました。
表紙のイラストを見るに若い読者がターゲットかと思いましたが、話のキーとなる本は二次創作の同人誌から戦争に関わるものや官能小説まであり、全体として不思議な一冊。
お目当ての中田永一「メアリー・スーを殺して」に関しては、メアリースーという言葉は知っていましたので、オタク趣味で中高生の時分そういった部活に所属こそしなかったものの周囲に部員の友人がたくさんいた自分としては、なんかもう胃が痛かったです。創作活動は簡単なことじゃないぞという内容 -
Posted by ブクログ
本をテーマとしたアンソロジー。
それぞれ「本」「読書」に対するアプローチが様々なので、飽きずに楽しんで読みました。
中田永一「メアリー・スーを殺して」は、オタク趣味の少女が二次創作小説を書くようになるが、いわゆる『メアリー・スー』(ファンが二次創作の中に登場させた自己投影したキャラクターのこと)に悩まされ・・・という話。
小説を書くことで現実と向き合った結果、小説から離れてしまった少女が、世界を広げていったその先でまた小説と出会うという、本好きにはたまらない素敵なお話でした。
小路幸也「ラバーズ・ブック」はノスタルジックな雰囲気が印象的。
この世界観でもっと続きを読んでみたい。
宮下奈 -
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