加藤諦三のレビュー一覧
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タイトルから精神的に優しいこと(あなたは悪くない、あなたはあなたであるだけで好かれる、のような)が書かれていると思って読み始めたが、全く逆。
かなり厳しい。
言いたいことを言わないのは相手に気遣ったのではない。
相手に嫌われたくないから。そしてそれは逃げである。
あなたは相手のことをどうでもいいと思っている。そういう人は相手の幸せを心底喜ぶことができない。
なのに我慢しているから心理的に負荷がかかり「こんなに頑張っているのに……」と相手に求めてばかり。
誰々のために頑張っているのではない、ただ自分が嫌われないために、自分のために頑張っているのだ。
相手に対する優しい言葉も上っ面だけ。気を使って -
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ネタバレ大人になってもず~っと心の中に「幼児性」が息を潜めていて、時折なにかの拍子にダダをこねて暴れ出す。「千と千尋の神隠し」に登場する大きな赤ちゃん「坊」みたいな、僕の中にも棲んでいる「大きな子供」の存在である。
この「大きな子供」という概念に初めて出会ったのは「成長マインドセット」という本だった。その後、心理学や仏教の知識を広げるにつれ、モヤモヤしたり、イライラしてたり、沸騰に達して怒ったりした後に自問すると、この「坊」の後ろ姿や暴れた痕跡、気配を感じられるようになってきた。
人生の長さだけ居座り続けている大きな子供。
だけに駄々をこねるとやっかいなのだ。
この「大きな子供」の存在感の大きさと -
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メンヘラとは自己消滅型の被害者意識の強い性格だと言える。自己肯定感が確立できていなが故に、自己蔑視による地獄に嵌る。
ナルシシズムはメンヘラと結びつく。ナルシシズムは他人に無関心で、自分にしか興味がない。もっと言えば、興味があるのは「自分のイメージ」であり、「現実の自分」はその対象にならない。
ナルシストは「幸せになること」ではなくて、「幸せだと人から思われること」にしか興味がないのである。
無関心は無責任に遷移する。無関心が蔓延る日本では無責任へと帰結する。日本にはメンヘラが育つ土壌があるのだ。
メンヘラの解消とは自分の過去のトラウマと向き合うことである。その過程で「素晴らしい自分」を -
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くどく無ければ星5の出来だと思う。
今の大人になりきれてない宙ぶらりんな自分に刺さる内容が書かれている。
優しい人とはどういうものか、成熟した大人とはどういうものか、そういった心の成長という観点に対して定義付けをしてくれている。
人に与えることに喜びを見出せるようにならなければ、与える側、背負える側にならなければ、家庭を築いたり、人の上に立つべきではないのかもしれない。
大人になるためというか、人生を進めていく中で必ず遭遇する、別れ道・困難・問題点に対してのレスポンスとして、他人頼りの選択は確かに楽だしスピーディーに物事を解決することに長けるが、自己解決能力の成長や、選択の失敗の教訓を得ら -
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人間の心理的依存がどこから来るのかについて書かれた本。
人は誰しもが甘えたい欲求を持って生まれ、幼少期に支配的な親の元で育った子供はその欲求を十分に発散できないまま成長するため、精神的に未熟な大人になるという。
基本的には、「こういう人は、ここが問題で、こうした体験に起因する」という指摘が主旨で、特に解決策が提示されるわけではない。
その為、ある種救いがない内容ではあるが、本質は突いていると感じた。特に「抑圧された感情は他の対象に投影される」というのは真理だと思う。
自分に当て嵌まるところがなかったからこそ、興味深く感じたのかとしれないが、良書。 -
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心の中の急所を射抜かれすぎて、どこかで拒否反応が出るのか、読み進めるのが難しい本
加藤諦三さんの本は久しぶりに読んだけど、毎回こんな気持ちになるよなあ。
トラウマは存在しない(嫌われる勇気)の逆で、こっちの方がしっくりくる。
成育過程で甘えの欲求を十分に満たされなかった人が、大人になっても心のうちにその欲求を秘めている。
けれども、それを隠して表面上はいい人を取り繕うのが上手くて、周囲には気づかれない。
そんな人は周囲の好意を受け取ることも出来ずに満たされることがない。常にかわいている。
いい本ではあるんだけど、私は読むのは心に余裕があるときだけにしよう。
辛いときに読むと気分が沈んだま -
購入済み
転んでただでは起き上がらない。
自分はどちらかと言うと他人に迎合して消耗していくタイプ。夫や姑はどちらかと言うとキズナ喪失症候群。
気が付けば、不満と怒りで辛い事が多々ある。その時は自分の気持ちを売って過ごすけど、後から段々いいように扱われてると不愉快になる。自分の生い立ちや育った環境を振り返ると嫌な出来事や辛かった事もあったな。でも、全部が嫌な過去ではなく、両親も自分の気持ちを犠牲にして私の甘えを許してもらった事もたくさんある。自分の子どもには私が悪い意味で辛かったことは経験させたくない。人格形成の基盤となる土台をなるべくしっかりと丁寧に育てていきたい。
この本を読んで、たくさん自分自身のことを気づかされました。次こそは -
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ネタバレ先日著者の「心の資産を高める生き方」という本を読んだので、その続きでこちらも読んでみた。内容的にも非常に関係性が深いと感じた。
ここでいう「言いたいことが言えない人」(本書では、「恥ずかしがり屋」と呼んでいる)とは、前掲の著書で述べられている「非生産的いい人」と根を同じくしており、生きづらさを感じながら戦っている人のことであると思う。
同じ根っことは、いわゆる育った環境(両親の影響など)が要因であるということであり、本人にはそもそもの責任がなく、運命的な要素が強い。
であるけれども本人は、自身の問題として悩み多く、その悩みと力の限り格闘している。著者は、その忍耐力や努力に対し、非常に能力 -
ネタバレ 購入済み
すこしわかった気がした
加藤先生の本を何冊も読んだけれど、なぜこんなに1人になると何もできなくなるのか、なぜこんなにいつも寂しいのか、を書かれている本に出会えてなかった。この本を読んで、すこし安心したし、その理由がすこしわかった気がした。自分の過去との向き合い方や、具体的な解決法がもっと知りたかったけれど、それはまた自分で読んで勉強していこうと思った。
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Posted by ブクログ
大人になってもず~っと心の中に「幼児性」が息を潜めていて、時折なにかの拍子にダダをこねて暴れ出す。「千と千尋の神隠し」に登場する大きな赤ちゃん「坊」みたいな、僕の中にも棲んでいる「大きな子供」の存在である。
この「大きな子供」という概念に初めて出会ったのは「成長マインドセット」という本だった。その後、心理学や仏教の知識を広げるにつれ、モヤモヤしたり、イライラしてたり、沸騰に達して怒ったりした後に自問すると、この「坊」の後ろ姿や暴れた痕跡、気配を感じられるようになってきた。
人生の長さだけ居座り続けている大きな子供。
だけに駄々をこねるとやっかいなのだ。
この「大きな子供」の存在感の大きさと -
Posted by ブクログ
モラハラにはいくつもの種類がある。代表的なものは大きく分けてふたつあり、ひとつが「攻撃的」なパターン、もうひとつが「迎合的」なパターン。この本は、より分かりにくい「迎合的」な方に焦点が絞られている。
(「攻撃的」な方は、否定的な内容が直接言葉に表れるので比較的分かりやすい。)
専門用語が少なく(ほとんどない)、さまざまな事例を元に分かりやすく説明されているため、特別な知識がなくても読み進めやすいと思う。
個人的にはもう少し内容ごとの章わけが整理されていた方が好みだが、この書き方には心に呼びかけてくるような効果があるような気もする。
本の内容としては、おそらく知っているのといないのとでは日常生 -
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<感想>
生きるスキルとして「諦める」ことの重要性・有用性を説いてくれる本。読後、「諦められない」「執着」が一種の病理と感じるようになった。人生にムダや余白を持つ必要がある。「意味のない時間」があるから「意味のある時間」が存在する。目的があれば、目的に関係ない時間が発生するのは自然の理。だが、全ての選択に意味を持たせようとして苦しんでいるのが執着性格。
解決策は書いていないが、現状の自分の姿をセルフフィードバックするために有効な書籍だった。
<アンダーライン>
・諦めるから立ちなおれる。
・「あれよりも、いまのほうがよかった」と感じられれば過去を振り切ることができる。
・待っていた時間を