川北稔のレビュー一覧
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砂糖の生産と普及から世界史を見直す試みで刺激的だった。砂糖きびから作られる砂糖は、元々は貴重品で薬と考えられるほどであったが、砂糖きびがプランテーションで栽培されるようになると爆発的に普及した。大量生産が可能になったのは、奴隷貿易のおかげで、トリニダード・トバゴの首相で歴史家であったエリック・ウィリアムズの言うように「砂糖のあるところ、奴隷あり」であった。砂糖と奴隷の貿易で莫大な利益を上げたイギリスは、やがて産業革命を成し遂げていく。砂糖が世界史を動かしていったのだ。人物や国ではなく、モノから歴史を見ていくことで「世界システム」を理解できることを知った。
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ついに念願かなってこの名著の読破ができた。前評判どおり、読みやすくも中身の濃い新書であった。特にボストン茶会事件の下りが面白かった。
・イギリスはアメリカでの7年戦争に勝ったものの、財政難に陥った。
・そんな中、イギリスは植民地の人々がこの費用負担すべきだと言い出した。そして、印紙法制定に至ったが、これにボイコットしたのが植民地の人々である。彼らはあこがれのイギリスのジェントルマンの真似はこれに懲りてやめた。
・その代わり、植民地でできた衣類や食料重視となっていった。
・そしてやむなくイギリスは不買運動のダメージによい印紙法廃止に至った。
・だが、次は茶やペンキなどに税の付加にいたる。植民地 -
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「君たちの記念碑はどこにある?」の後に、そういえばあったな、と積読の山から出してきて読んだ一冊。岩波ジュニア新書なので、読みやすく、あっという間に読み終えた。
ぼんやりとしか知らなかった「プランテーション」「奴隷貿易」そして砂糖、お茶、コーヒーの歴史。
衝撃的な残酷さ。
資本主義というのは内因的に誰かを、何かを搾取するエンジンのようなもので、本当に轟音と共に、周辺世界を貪り食うような獰猛さで暴れ回っていたんだな。
とにかく、利益を上げるためには安い労働力を極限まで使い倒す。必要なら遠い大陸から人を誘拐して連れてきてでも。清々しいほどにシンプルなシステム。
一定の反省を経て、もう少し上 -
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砂糖は世界を動かした。
しかし、その裏で多くの犠牲が生まれた。
砂糖が高級品になったからだ。
ヨーロッパで需要が急増した。
その結果、大規模なプランテーションが広がった。
労働力として多くの奴隷が連れてこられた。
いわゆる三角貿易が始まった。
砂糖は「世界商品」になった。
甘さは人々に喜びを与えた。
お菓子や飲み物が広まり、生活は豊かになった。
しかし同時に、
過酷な労働が生まれた。
多くの命が奪われた。
さらに、砂糖のとりすぎは病気も増やした。
甘さは幸せの象徴に見える。
だがその裏側には、
苦しみと悪夢があった。
砂糖の歴史は、
光と影の両方を持っている。 -
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近代世界システムとは、16世紀以降の歴史を世界的な構造として捉えようとする概念。資本主義の本質を歴史的に捉えることもできたので、読んでよかった。
近代世界システムとは、世界的な分業体制をとることで、それぞれの生産物を大規模に交換する体制のこと。 16世紀の東ヨーロッパでは、西ヨーロッパへの穀物輸出が激増したため、農奴の労働が強化された。今日の南北問題は、北の国々が工業化、開発される過程において、南の国々がその食糧・原材料生産地として「開発」された結果、生じた。
12世紀から13世紀にかけての北西ヨーロッパでは、人口が増加し、耕地の開発も進んだ。1150年頃を境として、西ヨーロッパでは多くの -
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面白かったです。非常に説得的であるとともに、これほどまでに資本主義というシステムを、あたかもそのシステム外から冷静に分析したかのように論じている本はなかなかないのではないでしょうか。資本主義という史的システムは、資本を蓄積していくこと、しかもその終わりがないことを特徴としていますが、これがいかに馬鹿げているかをウォーラーステインは冒頭できっぱり述べています。
そのうえでマルクスをはじめとした多くの識者が論じてきた資本主義の見方がいかに間違っているかについて説明します。例えばブルジョア革命という概念。資本主義は、多くの人が信じているような、新階級であるブルジョアジーが貴族を打倒してできたシステ -
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イギリスの産業革命について深く勉強したいと思い本書を手に取りました。これまでにアシュトンの「産業革命」などを読んではいましたが、本書は産業革命時代の人間像を可能な限り生々しく記述されていて、とても勉強になりました。文庫版で購入しましたが読み応えは十分です。産業革命によって人々の生活が劇的に変わりましたが、当時の英国でもっとも重要だったのが社会的地位。上流、中流、下流(労働者層)という意識は産業革命時代に生まれたそうですが、本書を読むといかに多くの人々が自分自身の社会的地位をあげることに必死になっていたかわかります。21世紀の現在でも周りの人からどう見られているかを気にしながら生活している人が多
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原著1983年刊、1995年増補。
社会学におけるシステム論ということで、ただちにニクラス・ルーマンとの関連を想定したが、読んでみるとルーマンともまた違っており、関係性は分からない。ルーマンほど極端に抽象的ではなく、現実の社会の相に根ざし、たまには統計データをもとにしたような論述も見られる。それでもやはり、かなり抽象的な本ではあるので、好き嫌いは分かれるかもしれない。
小さな章に分かれていないために読んでいて一息つくタイミングが計りにくく、ちょっと読むのに苦労する。しかし、中身は資本主義システムなるものの独特さを個性的な切り口で浮かび上がらせ、たいへん興味深い指摘があちこちに見られる。
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Posted by ブクログ
以前に同著者の学生向けのやはり名著『砂糖の世界史』を読んでいますので内容的には自分にとって新しくはありませんが、アメリカ史を学びつつ改めて読むと色々と繋がり腹落ちします。
アメリカの独立から南北戦争期の歴史って、まさにヨーロッパ(スペイン、イギリス、フランス)の「世界システム」の「中に組み込まれた」人たちとそれに対する「抵抗派」の確執であり、さらにヨーロッパの国同士の覇権争いがそこに絡んで来て、またそれを利用する力学あり、牽制する力学あり、の歴史なんですよね…
「アメリカ史を知ると世界システムの歴史が見える」と感じる次第です。
あ、話が若干逸れましたが、間違いなく一読の価値ある名著ですね。