川北稔のレビュー一覧

  • イギリス 繁栄のあとさき

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    学生時代には感じなかったが、歴史を学ぶことって面白い。現代の国際経済はヨーロッバが生み出した「生産性」という「物差し」で測られている。その指標を用いて、「アジアの勃興」なんて言っていいのか。現代は、新たな「物差し」を必要としている。そして、それは日本的なものなのではないだろうか。

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    2014年08月25日
  • イギリス近代史講義

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    世界で最初の産業革命が起こり「世界の工場」と言われたイギリス。
    その後、途中に二度の大戦を挟みながらアメリカやドイツでも発生した産業革命は、近代史の基盤とも言えるキーワード。
    そもそも産業革命はなぜイギリスで最初に発生したのか。
    広大な植民地で築かれた経済の仕組み?
    伝統的な議会政治の体制?
    はたまた国民の気質や習俗、風土によるもの?
    近代国家の発展について、イギリスの経済成長に焦点を当てて政治、経済、文化など多様な観点から考察する。

    と、言ってもそれほど堅苦しいものではなく。
    特に前半はイギリスの文化的側面、庶民の生活や価値観に基づいて語られる部分が多く、17世紀くらいのイギリスの生活って

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    2012年10月11日
  • イギリス近代史講義

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    おすすめです。学者たちがどう歴史を捉えていくかという方法論が多く書かれていたあたりは眠くなりましたが、「成長パラノイア」に関するくだりの記述は、現代日本の閉塞感に十分関連付けて考えられるのでは、と思いました。みんな山の登り方とか頂上でどんなことするか(インスタントラーメン食ったり叫んだりとかね)は考えるけど、いつかは山を下りないといけないわけで。産業革命時の女性と子どもは長時間低賃金労働で悲惨な生活を強いられていたと高校世界史ではあったけど、その前を知ることで違うものが見えてきます。

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    2012年07月25日
  • イギリス近代史講義

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    講演録のような記述スタイルなので、肩が凝らずに読むことができました。

    さて、著者はウォーラースティンの世界システム論を下敷きにしながら、イギリスの近代史を俯瞰していきます。「なぜ世界で最初にイギリスが産業革命を成し得たのか」「なぜイギリスは衰退したのか」等々。

    私が興味深かったのは、「そもそも衰退とは何か」という著者の問題設定です。「衰退」について語るためには、「成長」とは何かを語らねばなりませんから。

    私たち日本人も、「どうやら日本は衰退しているのではないか」との漠然とした不安につきまとわれています。それは第二次世界大戦後のイギリス人たちが感じた不安感と同じなのでしょう。イギリス人がそ

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    2012年05月07日
  • イギリス近代史講義

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    イギリス近代に経済の視点から迫った入門書。記述にもうちょっと深みが欲しかったが、新書だからしょうが無いか。社交庭園の話や、各家族の話、世界システム論など、マクロもミクロも幅広く見れて、エキサイトな一冊。

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    2012年01月15日
  • イギリス近代史講義

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    寝ながらイギリスの近代史が学べる本。世界システム論、ウォーラーステインが何度も出てくるので、予備知識があったほうがいいのかな…と思った。

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    2011年12月13日
  • イギリス近代史講義

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    ネタバレ

    まさにイギリスに行く飛行機の中で読んだ。世界システム論や生活史などを切り口としてイギリスの社会構造を活写している。ヨーロッパがなぜ膨張主義政策をとり植民地を海外に希求するのか、国内の社会状況や「モノ」の観点から初学者にも大変わかりやすく解説していて何度も読みたくなる本です。

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    2011年10月13日
  • イギリス近代史講義

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    マックス・ウェーバーの議論を(意図的に?)誤読・矮小化している嫌いがあるが、その点を差し引いても、読み物としてとても面白かった。

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    2011年09月21日
  • イギリス近代史講義

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    書いてある内容が多岐にわたっているので少し把握しにくかった。ジェントルマンの話や産業革命の話は面白かった。ヨーロッパは世界進出してアジアは進出しなかったのか?その辺の話をもう少し詳しく知りたい。

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    2011年07月23日
  • イギリス近代史講義

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    イギリスの近代に関する文章群。講義形式なので、一部論旨がぐだぐだになっているところもあるし、たまに文脈がおかしいところもあるが、産業革命を一国の内部の現象ではなく、世界経済のパラダイムの変化として捉える試みは興味深かった。

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    2011年06月19日
  • イギリス近代史講義

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    世界が、一つのシステムによって成り立っているとしたら、その世界大に広がっているものは何だろうか。
    それはヒトだろうか。それともモノ・カネだろうか。
    グローバリズムという「傾向」は、決してここ数十年来に始まったものではない。
    文明としての技術は、産業化ないし工業化を促したわけだが、まさにそれが、どこにいても利用可能なものとして、普遍化していったのである。
    だとすれば、その発端となったイギリスの近現代史を探ることによって、現代の世界への見識が深まる可能性があるとも言えよう。

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    2011年04月15日
  • イギリス近代史講義

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    ネタバレ

    高校の歴史は殆ど忘れてしまった私ですが、この本はとても楽しく読めました。
    歴史という窓を通して、人間の様々な側面を考える本です。

    「田舎と都会とは何だろう」「なぜ工業化はイギリスが早かったのか」など、素朴な疑問からスタートし、分かりやすく実例を交えながら解き明かします。

    イギリスの歴史が我々の現在にこのように大きな影響を与えていることを初めて知りました。

    歴史が苦手な方でも、サクサク読めるお勧めの一冊です。

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    2011年02月27日
  • 砂糖の世界史

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    一粒の甘さが世界を動かした。人類の欲望がいかに歴史を変えたかを描く。砂糖はかつて貴族のぜいたく品であり大航海時代には植民地と奴隷貿易を生んだ。甘味の陰に苦い現実があったのだ。やがて大量生産が進み庶民の食卓に並ぶようになる。だが現代では健康を蝕む「白い魔薬」とも呼ばれる。砂糖は文明の鏡である。甘さに溺れるか欲望を制する節度を学ぶか――その選択が次の歴史をつくる。

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    2025年10月22日
  • 砂糖の世界史

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    近年なにかと「敬遠の対象」や「背徳感とともにあるもの」として取り扱われている砂糖。なんか文明が発達し過ぎてもろくなことないなと思ってこの本を手に取った。

    富と権力の象徴、祝福の象徴。薬、栄養源。砂糖が担ってきた役割はたくさんある。

    イスラム教の断食中における「摂取の対象」についてのレギュレーション設定はめちゃくちゃ面白かった。笑っちゃいけないのかもしれないけど、どこまでも人間過ぎる。理屈をこねることが実益に通じるならそりゃこねるよなと思うなどした。

    「砂糖のあるところに奴隷あり」という言葉は、歴史の授業かなんかで聞いたことがあった。モノカルチャー経済の犠牲者として、一次産品に依存した国の

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    2025年10月05日
  • 砂糖の世界史

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    砂糖は塩などに比べると近代的な食料だということがわかる。何よりも人間の欲望が世界を動かしてきた様子がわかっておもしろい。

    日本や他国の途上国支援ってずっと続いている気がするけど、モノカルチャーから脱出して産業化に成功してる国や事例はあるのかな?調べてみたくなった。

    今だと石油とかエネルギー、半導体、水などのモノから世界を見てみるのが面白そうだと思った。

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    2025年09月21日
  • 砂糖の世界史

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    砂糖が現代の社会システムを構築した、と言っても過言ではないことが本書から伝わる。
    奴隷貿易で暗躍した砂糖、ステータスシンボルとしての砂糖、労働者の糧であった砂糖。
    いずれも表層の世界史しか学んでこなかった私には驚きの砂糖の素顔であった。
    君のよく知る砂糖について、君の知らない冒険がそこにある。

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    2025年08月01日
  • 世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界

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    先進国と途上国はそれぞれ別のルートで「進歩」しているのではなく、「世界」全体で一つの機能を成しているという立場に立って新大陸発見から冷戦までを描き直す
    植民地政策や帝国主義、大英帝国の興亡などを新たに捉え直すことが出来て楽しかった

    「イギリスは、工業化されたが、インドはされなかった」のではなく、「イギリスが工業化したために、その影響をうけたインドは、容易に工業化できなくなった」のである。

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    2025年01月02日
  • 8050問題の深層 「限界家族」をどう救うか

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    NHK出版という事は放送されたのだろうか?
    と思って「8050問題 NHK」でググると色々出てくる。

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    2024年01月28日
  • 大都会の誕生 ──ロンドンとパリの社会史

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    ロンドンになぜ人が流れ込んだのか、そしてなぜスラム街が形成されたのか。それは従来考えられていた産業革命による貧富の差が原因ではない。都市に集まった多様な人々が安価に身を着飾ざれるための服飾製造のための出来高払いの賃労働に従事する女性と外国からもたらされる様々な物資の集積する港湾のポーターとなる男性がスラムの住人。つまり、スラムは工業化の産物にあらず。消費都市やその週辺、港湾などでポーターなど非熟練のてっとり早いその日限りの仕事の生まれる所で成立した。
    工業化→大規模工場、機械化→労働者の搾取→貧富の差→スラムの形成という単純なステレオタイプ的な理解の再考。
    一方、パリでは19世紀に形成された大

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    2023年10月28日
  • 世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界

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    ちくま学芸文庫
    川北稔 世界システム論講義


    世界システム論の本


    南北問題やヘゲモニー国家の変遷については 資本主義論と重複しているため、世界システム論の必要性が理解できなかったが


    奴隷貿易や奴隷制プランテーションにより イギリス産業革命が起きたとする ウィリアムズテーゼの論証は わかりやすかった


    「だれがアメリカをつくったのか」の論考に驚いた〜植民地時代にアメリカに渡ったイギリス人は、年季奉公人(期限付き白人債務奴隷)、死刑を逃れた犯罪者、失業者とのこと


    「世界システム論〜近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史を有機体の展開過程として捉える見方」


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    2023年10月19日