川北稔のレビュー一覧
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コーヒーが好きなんです。もう10年以上前ですかね、優待でコーヒーの豆がもらえるというんで某株を1000株買ったところ、あんまり飲まない紅茶までずいぶんときちゃって、1年後もぜんぜん飲まないまままた紅茶きちゃって、これは無駄になっちゃうなと思って500株売ってコーヒーだけもらうことにしたんだけれど、ここ数年の世界的なコーヒーの暴騰によって株価5倍になっちゃった。配当金も数倍。そう思うと500株売ったのが悔やまれる! なんて暇はなくって、コーヒーが暴騰しているんだから砂糖も上がるんじゃ? ってことで安かった砂糖の某社株1000株を購入。目論見通りこれまた3倍になってニンマリ。
そういうタイミング -
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コンパクトながら興味深い内容で読み応えがある。バルバトスやタヒチを代表とするカリブ海の奴隷の歴史は恥かしながらあまり知らなかった。このような本を読むと、現在を理解するにはいかに歴史を知っておく事が必要か思い知らされる。イギリスを中心とした西洋人の欲による奴隷貿易が歴史上存在しなければ、モノカルチャー経済国が人口的に作らなければ、インド、アジア南米諸国は発展途上国にならずに済んでいたかも。現在のイギリス、フランスが抱えている移民問題や、西洋先進諸国の肥満問題などもこれらの行為のツケのようなものでしょうか。西洋の先進国が未だにモノを作らず、楽をして富を得ようとしている限り解決策は難しいのでは。日本
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砂糖を軸に、世界はどのような流れで近代へ至ったか、その時その時の人々の暮らしはどのようなものであったかを解説する。
岩波ジュニア新書の中でも屈指の名著として名高い一冊。
ウォーラーステインの世界システム論とはこういうものであったのだなと読みやすい文章で知ることができた。
私は日本史を選択したので世界史は疎いのだが、そんな私でも今の階級・格差多きグローバリズムがどのように構築されてきたのか、実に興味深く読んだ。
かの高名な、港に紅茶を投げ入れる「ボストン茶会事件」が出て来た時には若干興奮。点と点が繋がって、線になる快感。年代や人名を覚えるだけが歴史じゃないのだ。
ダレることなく一気読み。
ジ -
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ネタバレ普段何気なく口にしている嗜好品が、どれほど大きな歴史の流れと結びついているかを実感した。
コーヒー、紅茶、砂糖、チョコレート――これらはいずれも大航海時代以降、ヨーロッパがアメリカ大陸を「発見」し、プランテーションによって大量生産されることで広まった。
印象的だったのは、紅茶に砂糖を入れるという文化の始まりである。当初は、上流階級が高級品同士を組み合わせることで自らの地位を誇示する一種のステータス表現であった。ところがそれが次第に庶民へと広がり、やがて労働と密接に関わる飲み物へと変わっていったという点に、歴史のダイナミズムを感じた。
砂糖を入れたコーヒーや紅茶は、ただの嗜好品ではなく、近代 -
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砂糖から見た世界史を書いてます。
今はダイエットの敵とか体に悪い代名詞のような砂糖ですが昔は栄養失調の人から見たら簡単にカロリーが得られる砂糖は医薬品としての地位があったそうな。
なるほどなぁと。
ただ劣悪な環境で育つサトウキビを栽培するためにアフリカから奴隷を連れてきて働かせて砂糖を作っていたと。
は砂糖は体に悪いのでできるだけ控えるようにするのが常識ですが過去にそういう経緯があったものとして知らないといけないなと思いました。
チョコレートも今は固形の者が多いですが最初は飲み物だったそうです。
それがだんだん変化してココアになり固形のチョコレートになったらしい。
カカオも昔は貴重だったので飲 -
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面白かったなぁ。いい本だなあ。
「歴史を学ぶということは、年代や事件や人名をたくさん覚え込むことではありません。いま私たちの生きている世界が、どのようにしてこんにちのような姿になってきたのかを、身近なところから考えてみることなのです。」
この視点がわたしの学んだ歴史にもあったら…興味深く学べただろうに。
高校時代、日本の古典が面白いと感じたのは、1000年以上昔の人も、自分と同じように、怒ったり笑ったりして生きていたと知ったからだった。そういう感動や発見が歴史にもあったらよかった。。
p28
砂糖きびの栽培には、膨大な人数の、命令の行き届きやすい労働力が必要だということと、それが地味、つまり -
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近代世界システムとは、16世紀以降の歴史を世界的な構造として捉えようとする概念。資本主義の本質を歴史的に捉えることもできたので、読んでよかった。
近代世界システムとは、世界的な分業体制をとることで、それぞれの生産物を大規模に交換する体制のこと。 16世紀の東ヨーロッパでは、西ヨーロッパへの穀物輸出が激増したため、農奴の労働が強化された。今日の南北問題は、北の国々が工業化、開発される過程において、南の国々がその食糧・原材料生産地として「開発」された結果、生じた。
12世紀から13世紀にかけての北西ヨーロッパでは、人口が増加し、耕地の開発も進んだ。1150年頃を境として、西ヨーロッパでは多くの -
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面白かったです。非常に説得的であるとともに、これほどまでに資本主義というシステムを、あたかもそのシステム外から冷静に分析したかのように論じている本はなかなかないのではないでしょうか。資本主義という史的システムは、資本を蓄積していくこと、しかもその終わりがないことを特徴としていますが、これがいかに馬鹿げているかをウォーラーステインは冒頭できっぱり述べています。
そのうえでマルクスをはじめとした多くの識者が論じてきた資本主義の見方がいかに間違っているかについて説明します。例えばブルジョア革命という概念。資本主義は、多くの人が信じているような、新階級であるブルジョアジーが貴族を打倒してできたシステ -
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イギリスの産業革命について深く勉強したいと思い本書を手に取りました。これまでにアシュトンの「産業革命」などを読んではいましたが、本書は産業革命時代の人間像を可能な限り生々しく記述されていて、とても勉強になりました。文庫版で購入しましたが読み応えは十分です。産業革命によって人々の生活が劇的に変わりましたが、当時の英国でもっとも重要だったのが社会的地位。上流、中流、下流(労働者層)という意識は産業革命時代に生まれたそうですが、本書を読むといかに多くの人々が自分自身の社会的地位をあげることに必死になっていたかわかります。21世紀の現在でも周りの人からどう見られているかを気にしながら生活している人が多
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原著1983年刊、1995年増補。
社会学におけるシステム論ということで、ただちにニクラス・ルーマンとの関連を想定したが、読んでみるとルーマンともまた違っており、関係性は分からない。ルーマンほど極端に抽象的ではなく、現実の社会の相に根ざし、たまには統計データをもとにしたような論述も見られる。それでもやはり、かなり抽象的な本ではあるので、好き嫌いは分かれるかもしれない。
小さな章に分かれていないために読んでいて一息つくタイミングが計りにくく、ちょっと読むのに苦労する。しかし、中身は資本主義システムなるものの独特さを個性的な切り口で浮かび上がらせ、たいへん興味深い指摘があちこちに見られる。
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Posted by ブクログ
以前に同著者の学生向けのやはり名著『砂糖の世界史』を読んでいますので内容的には自分にとって新しくはありませんが、アメリカ史を学びつつ改めて読むと色々と繋がり腹落ちします。
アメリカの独立から南北戦争期の歴史って、まさにヨーロッパ(スペイン、イギリス、フランス)の「世界システム」の「中に組み込まれた」人たちとそれに対する「抵抗派」の確執であり、さらにヨーロッパの国同士の覇権争いがそこに絡んで来て、またそれを利用する力学あり、牽制する力学あり、の歴史なんですよね…
「アメリカ史を知ると世界システムの歴史が見える」と感じる次第です。
あ、話が若干逸れましたが、間違いなく一読の価値ある名著ですね。