石川博品のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんなラノベを待っていた!! ここまで真摯に青春を描いた作品に巡り合ったのは久しぶりだ。
本作は吸血鬼の少女と人間の少年の普通の恋物語である。
今までにも吸血鬼を描いた物語は数多くあるが、大抵の作品では最終的に戦闘シーンが入る。
だがこの作品にバトルはない。
名作に贅肉はいらないのだ。
あるのは青春の甘酸っぱさだけ。
ヒロインは安易なデレ方をしない。メールをしても大丈夫だろうかという不安。自意識過剰だとは思われないか。
相手は自分の事を好きなのか。いや、その前に自分は本当に相手の事を好きなのか。
手を繋ぎたい。二人で出かけたい。キスもしたい。
でも、昼と夜が分かつ、近くて遠い二人の距離は -
Posted by ブクログ
ネタバレ「このラノ2013」で29位にランクイン。全くのノーマークだったので読んでみましたです。
これはちょっと好みは分かれそうだけど、良かった!
主人公のもとに27世紀からやってきた少女カタマリさん。
曰く、その時代の日本は大変なことになっていて、それを阻止するためにきっかけとなった三姉妹を攻略しよう!という話。
最初にセーブポイントを作って、主人公が失敗するたびに
「デデーン」「アウトー」
とやり直し。
とまあそんな感じでグダグダと三姉妹との距離を縮めていく話です。
主人公の自虐的な一人称形式で進む、独特で軽快な地の文が読んでいて楽しい。
最初はドタバタラブコメっぽい匂いがするけど、中盤以 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「中野太一さん,キング・オブ・クズであるあなたに,
曽我野三姉妹を攻略して欲しいのでシテ」
屋上でサッカーしてたらそんな声を掛けられて
クズな少年が学校No.1の美少女と恋愛を?
そんな話.
2655年という未来からやってきたカマタリさん.
彼女がこの時代に存在するために時空の狭間に幽閉(?)された山背くんが
一番不憫だと思うんだよね.
底辺な太一くんが髪型や衣装に気を遣い美少女を攻略,
つまり恋愛関係に持っていこうとするんだけど基本が底辺だから….
まぁ,僕が言えるのは著者さんは
「絶対に笑っていはいけない〇〇」が好きだということだね.
デデーン 「アウトー」
面白かったよ. -
Posted by ブクログ
ライトノベルというよりはライト文芸です。
舞台は冬が一年中続き、四季が一切無くなってしまった世界。
神奈川県出海町で過ごす幸久と、同じく出海町の別荘で一人住んでいる美波の甘く切ない恋のお話です。
高校3年生であれば誰もが悩むであろう進路の問題、思春期特有の葛藤などが描かれています。
自分もこの頃は色々と悩んだなぁと、小説を読んで懐かしく感じました。
終わらない「冬」の描写を繊細に描いており、冬のあの綺麗だけどなんだか寂しくなるような光景を感じながら本を読み進めることができました。
おそらくコロナ禍に巻き込まれてしまった高校生達がモチーフなのだと感じました。 -
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購入済み
鬼作
「たとえぼくたちの青春ラブコメがまちがっていたとしても、」どれだけ間違おうと決して前に戻ってやり直すことができない一回限りの現実の生において、読み返しさえすれば何度でも同じ場所に戻れる虚構作品の意義とは何なのかを問う、心に重く響く傑作。ラノベ作家多しといえど、こんな短編を書き得るのは著者ぐらいだろう。
葉山が迷走する話もわりと好き。
4冊のアンソロシリーズでは今巻が全体的に一番レベルが高かったと思う。 -
Posted by ブクログ
俺ガイルアンソロジーの1冊目。
雪乃に焦点を当てたお話が6作品載っている。
どのお話もキャラに違和感がなくてさすがプロだなあと思った。
いやまあ、俺ガイルのキャラはどれも明確に個性があるので書きやすそうではあるけれど。
個人的には2話目の将棋における八幡の悪辣さが如何にもと思ったし、航先生の雪乃のお父さんの話には涙が禁じえない^^
個人的に一番印象的だったのは、5話目の社会人になった雪乃の職場の話。どこか知ってるようなキャラがお約束だけど、雪乃の考え方や行動がなんとも本編からの成長と懐かしさを覚えて良かった。
まあ、その世界線では八幡との仲はアレみたいだけど。
次のアンソロジーも楽しみ。 -
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