【感想・ネタバレ】冬にそむくのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

異常気象の中とはいえ、そこまでドラマティックなことは起こらず、どちらかといえば淡々とした恋物語が綴られています。
ガガガ文庫というラノベレーベルから出ていますが、これはもはや文学といえそうです。
ですから、「先生とそのお布団」と同じように、ラノベとしては売れないだろうと思います。
ただ、淡々としていながらもページをめくらせる力はあり、作者の力量を感じます。

この設定ですと、小松左京さん辺りが書くとまた全く別の話になるのでしょうが、思い出したのは小松さんの「日本沈没」の中で、ある家庭の奥さんが結婚指輪(あるいは婚約指輪だったか)と引換えにちょっとした食料を入手し、夫と言い合いになるエピソード。
これを何十年経っても覚えている私も、もしかすると、異常事態の中で統治機構がどうなる、みたいな話よりも、市井の人々がどんなふうに生きていくのか、という方に興味のあるタイプなのかもしれません。

0
2023年09月25日

Posted by ブクログ

どんなに厳しい世界でも、人は根強く生きてゆく。
ずっと冬が終わらない異常気象の下で生活を営む、高校生の幸久と美波の日常を描いた作品。
買い物デートなどの高校生らしい日常を過ごしながらも一歩ずつ進む2人。展開に起伏は感じられないが、暖かさが感じられる良き話でした。
幸久と美波の家庭環境の違いと、違いに伴い訪れる、終わらない冬の強い影響。迷いながらも覚悟を決め、大きな壁を乗り越えてゆく様子はいかにもな高校生らしさがあり、非常に良かったです。

0
2023年04月24日

Posted by ブクログ

ライトノベルというよりはライト文芸です。
舞台は冬が一年中続き、四季が一切無くなってしまった世界。
神奈川県出海町で過ごす幸久と、同じく出海町の別荘で一人住んでいる美波の甘く切ない恋のお話です。

高校3年生であれば誰もが悩むであろう進路の問題、思春期特有の葛藤などが描かれています。
自分もこの頃は色々と悩んだなぁと、小説を読んで懐かしく感じました。

終わらない「冬」の描写を繊細に描いており、冬のあの綺麗だけどなんだか寂しくなるような光景を感じながら本を読み進めることができました。

おそらくコロナ禍に巻き込まれてしまった高校生達がモチーフなのだと感じました。

0
2023年07月07日

Posted by ブクログ

 タイトルと表紙カバーに描かれた女の子に惹かれて読んでみた。

 夏でも気温が上がらず、9月に雪が降り始める。そして、大雪。この「冬」が、いつ終わるかは誰にもわからない。これまでとは違う「冬」が訪れたことにより、人々の生活に様々な影響が出始める。なぜ「冬」が続くのかは、作中では明らかにされていない。新型コロナウイルスのパンデミック下での状況にも似た描写も出てくる。

 終わらない「冬」のなか、神奈川に住む高校生の幸久と美波はデートを重ねていく。。「冬」にそむく、あるいは抗うのは、二人の「雪かき」。そして青春の謳歌か。そう「春」という字が入っている。

0
2023年05月14日

ネタバレ 購入済み

物足りない感じ

この二人、出会いのシーンもあるけど、最初付き合ってる状態から物語が始まって、家は近いしデートもする。なのに全く二人の関係性に変化が感じられない。
本当に物語的にデートを繰り返し、一緒にいてキスをするだけ。展開的にも後半まで淡々と進むんだけど、二人の関係もずっと淡々としてる。
そして後半だけ急に二人の心が燃える。あ、あの火事に遭遇するのってそういうことか?
物語の中盤くらいで、この後半の行動に繋がるくらい、お互いの心の近さ的なのを感じられればよかったんだけど、序盤から後半まで起伏がなかったなぁ、、、

0
2023年05月03日

「男性向けライトノベル」ランキング