ミネット・ウォルターズのレビュー一覧
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一番最初は話の展開がさっぱり見えずとまどったし、前半部分は舞台装置を整えるための状況説明とかでなかなかまだるっこしかったけれど。弁護士のマークが違う観点から事態を見直したあたりから、ドミノ倒しのようにパタパタパタパタとそれぞれの登場人物が動き出し、ドラマもありアクションもありの結末までの流れはさすがCWA賞受賞作家。
イギリスの旧家ロキャー・フォックス家の馬鹿息子&馬鹿娘、いろいろなしがらみと愛情で判断を誤ってしまったその両親、母親の方の死にまつわる不自然な点と根強い噂、残されたロキャー・フォックス大佐をいたわる弁護士、馬鹿娘の私生児として生まれたけれど養父母に育てられ毅然とした軍人に育った -
Posted by ブクログ
母親と妹を切り刻んだ凶悪な犯行で無期懲役になったオリーヴ。
精神鑑定の結果は正常で、罪を認めて弁護を拒んでいる。本当に彼女の仕業なのか...?
オリーヴは正常なのか?
それとも精神異常者か?
どこまでが真実でどこからが嘘なのか?
その時々で変わるオリーヴのテンションにブンブン振り回される。
さらに登場人物がそれぞれに問題を抱えていてる人ばかり。
誰を信じたら良いのかわからなくなる。
真実の心理描写が読みとりづらくて、ちょっと難しくて疲れたなぁ。
最後までモヤモヤの霧がスッキリと晴れなかった。
解説は嘘でも作品の良いところを紹介するものだと思ってたけど、「この作家は苦手だ」と酷評しまく -
Posted by ブクログ
これでミネットちゃんの4冊目かな。
さすがにおもしろい。
とある資産家の老婦人が自宅の浴槽で遺体で見つかる。
体内から睡眠薬が検出され、手首がナイフで切られているその姿は一見して自殺のようでもあったが、異様なものが頭に被さられていた。
スコウルズ・ブライドル。口やかましい女に罰として頭に被せる拘束具が。
はたしてこれは自殺なのか、他殺なのか。
スコウルズ・ブライドルの意味するものはなにか。
老婦人の主治医である女性主人公に、遺産の全てを譲渡するという遺言が発表されると、関係者たちの混乱はいっそう深まっていく。
人物かな~? 人物描写がうまいのかな~?
最初の引きはもちろん異様な死体に -
Posted by ブクログ
大好きなミネット・ウォルターズも本作含めて残りあと2冊となってしまいました
次がラストってことですな
うーん、なんとかならんかね?
未訳作品がまだ残っておるのだよ
創元社さん頼むよほんと
今作はちょっとごちゃごちゃし過ぎかな?って思いました
またいつものミネット作品にある終わり方の爽快感も少し控えめ
なのでちょっと不満
だけどやっぱり魅力的な女性を描かせたら当代随一!これは間違いない!(ビシィッ)
この魅力的な女性が恐怖と向き合い勝利を収めるってのがミネット作品ですと言い切ってもいいくらい
だから、むしろ男子に読んでもらいたい
もしわいが「委員長」ってあだ名の中二女子だったら、学級会とか -
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大好きなミネット・ウォルターズも本作入れて残り3作
大事に読んでいきたい
ミネット初めての中編集、制約のある中で書かれたものらしく、ミネットらしい朗らかさがあまり感じられなかったので残念
『養鶏場の殺人』
うわー、こんな女いるよなーというかなりめんどくさい女性が登場
そりやそうよね実話がもとらしいので
さすがの筆運びで、ほんとこの女性がイライラさせられる
上手い
上手いけど面白いかといったら、う〜ん
『火口箱』
偏見による思い込みが悲劇を生むのと同様にその逆も…という社会派ミステリー
こちらはミネットらしい朗らかな女性が登場して少し好み
あ、でもよく考えるとミネットらしさってとことん後 -
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『惨い。酷い。辛い。』読む前からおどおどしてしまう帯付きの長編ミステリー、いつもながら読み始めると止まらないミネット・ウォルターズ。男性側から女性に対して勝手に貼られたレッテルについて注意を喚起するというのが本書の隠れた目的であるという解説の一文があった。犠牲者は遺体となって登場するので彼女の言い分は聞こえてこない。なので、周囲の証言から殺された方にも何かしら非があったように感じてしまう。実社会に置き換えて考えてみると恐ろしいことだ。ひとりの人間とは、そんなに単純ではない、いろいろな側面を持つということを忘れてはいけない。ミネット・ウォルターズにしてはめずらしく、最後に心がホッとするシーンがあ
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シエラレオネで女性が五人殺害された。
記者コニーはある男を犯人ではと疑っていた。
そんなコニーが拉致監禁されるが、数日後解放された彼女は事件について多くを語らないまま身を隠してしまう。
事件の犯人は主人公の思う通りなためミステリーではなくサスペンスなのだが、事件の経過を読むというよりは、恐ろしい体験をした女性の心理を読むといった物語。
主人公コニーのまさに揺れる思いが描かれる。
恐怖というものは明らかに恐ろしい何かに対してというより、何かはっきりしないものにいつ何をされるかわからないことにある。
そういう恐怖に怯える心理が読み手にも伝わってくる。
ただ、事件の犯人を考えたり事件の顛末に興 -