ミネット・ウォルターズのレビュー一覧

  • 氷の家
    面白いー!!

    身元のわからない朽ちて食われた死体が一つ。
    見つかったのは10年前の夫殺しの噂のある屋敷。
    人殺しのレッテルのした、毅然と見えるフィービと
    心優しいダイアナ、頭脳明晰の皮肉屋アン。
    同性愛者だ、魔女だ、人殺しだと警察からさえ信用されない
    不遇の女たち、
    そして妻に逃げられたアル中寸前...続きを読む
  • 鉄の枷
    すごい好みのミステリー。
    というか、気合の入ったおばあちゃんの話は大体好みなのだけど。
    故人の日記が不意に挿入される文章の構成は、話自体の雰囲気ともあっていて面白い。
    「彼女は、少しの哀憐に値する。ひとは皆そうなんだよ」というジャックの台詞と、「私のこの、男たちに対する侮蔑の念。やはり異常なのかもし...続きを読む
  • 鉄の枷
    ミネット・ウォルターズ3作目で、一番お気に入りです。
    興味をそそるユニークなモチーフ、リアリティがありながら意外な展開、複雑で味わい豊かです。
    印象的な老婦人が謎の死、知り合いというだけで遺産を譲られたヒロインは遺産争いに巻き込まれ、老婦人の真意を知ろうとします。
    94年CWA(英国推理作家協会)賞...続きを読む
  • 病める狐 下
    シェンステッドの名家ロキャー-フォックス家の問題多い子供達レオとエリザベスはとうに家を出ていた。当主ジェイムズの妻の不慮の死、犯人と疑われたジェイムズは次第に追いつめられていく。折しもクリスマスの時期、女性軍人ナンシーがジェイムズの弁護士と共に不審な出来事に立ち向かう。個性豊かな登場人物が描き分けら...続きを読む
  • 病める狐 上
    新ミステリの女王ミネット・ウォルターズ、「鉄の枷」に続く2003年のCWA最優秀長編賞受賞作。
    ドーセットの寒村シェンステッドでは、不穏な空気が渦巻いていた。狐は次々に罠にかかり、ある子供は虐待され、深夜に嫌がらせの電話がかかる。
    移動生活者(トラヴェラー)達が地主のいない空き地を占拠し、権利を主張...続きを読む
  • 女彫刻家
    ミネット・ウォルターズの出世作。
    デビュー2作目にして、この完成度。ミステリ史に残る作品の一つ。
    家庭内の残酷な殺人事件に疑問を抱いた女性が調べ始めるのですが…。すごく怖いです!
    1994年、MWA賞最優秀長篇賞受賞作。
  • 病める狐 下
    イギリスのドーセットの村の旧家付近で起こる不思議な出来事。フォックス・イーグルと名乗る謎の男が数々の事件の中心にいる。女性軍人ナンシーの生き方・考え方にも共鳴する。
  • 鉄の枷
    そうかあミステリはこうやって面白いのかとしみじみ思った一冊。ヤバイ。事件ミステリってようするに探りあいだと思うけど、緊張感があって秘密があって、そこにウィットやユーモアを利かせていくという会話の妙。密度がヤバイ。っていうか嫁さんが欲しくなった。
  • カメレオンの影
    この作家の文は、たぶん初めてだ。
    硬質な感じの文だが、著者は女性。

    主人公が魅力的。英国軍の中尉なのだけれど、イラクで爆撃され、頭、顔に傷を負う。我慢強くストイックに見えるのに、ときに突然暴力を振るう。
    孤独な彼を心配する者は、寄り添おうとするが、手痛く拒否される者も多い。特に女性は。
    同情からも...続きを読む
  • 女彫刻家
     初めてミネット・ウォルターズの作品を読みました。読みやすかったです。それから怖かったです。本当に、これで良かったんだろうか?って気持ちになります。
  • 養鶏場の殺人/火口箱
    中編2編。私には初めてのウォルターズ。
    読みやすく面白い。スピード感も毒気も切れ味もある。
    古き良き時代の英国ミステリではなく、現在社会のミステリ。
    大矢博子の解説も普通で良い。(筆の力に同感)
  • 養鶏場の殺人/火口箱
    イギリスの作家「ミネット・ウォルターズ」の中篇ミステリ作品集『養鶏場の殺人/火口箱(原題:Innocent Victims: Two Novellas)』を読みました。

    「P・D・ジェイムズ」、「アリ・ランド」、「コリン・ワトスン」に続き、イギリス作家の作品です… 「ミネット・ウォルターズ」作品は...続きを読む
  • 病める狐 上
    前向きで明るく朗らかで力強い女性を描かせたら無双のミネット・ウォルターズですが、まるっきり反対の嫉妬深く陰湿で身勝手な女性の描写も天下一品
    物語に同時に登場させることで、朗らかな女性の魅力を倍増させるという呪文バイキルトの使い手

    そして男どもはそんな女性にコロッとやられるのだ
    作中の男どももコロッ...続きを読む
  • 遮断地区
    イギリスの作家「ミネット・ウォルターズ」の長篇ミステリ作品『遮断地区(原題:Acid Row)』を読みました。

    「ディック・フランシス」(「フェリックス・フランシス」との父子共著含む)に続きイギリスのミステリ作品です。

    -----story-------------
    バシンデール団地に越してきた...続きを読む
  • カメレオンの影
    ミネット・ウォルターズ、深いなぁ…。かなりまで主人公(?)のアクランドに感情移入できなくてこりゃ困ったなと思っていたのに真相が明らかになっていくと腑に落ちるところが多々ありました。彼に関わるお医者さんたちがみんな優しい。
    作中ユマ・サーマンのくだりが何度も出てくるのですが、「ガタカ」は観たし、イー...続きを読む
  • カメレオンの影
    長いけど、あまり長さを気にせずに最後まで読めた。
    犯人と真相がわかると前半の元婚約者に対する中尉の反応とか、元婚約者の行動が腑に落ちて、こんな心理状況だったのかなってのが理解できる。それがわかるまではどういうことなのか考えながら読み進めていくのでそれも楽しい。
    途中で出てくるホームレスの少年も嘘つき...続きを読む
  • カメレオンの影
    戦地での事故により、2人の部下と顔の半分を失ったアクランド中尉。
    一命を取り留めたものの、事故後ときにかっと暴力的になり、特に女性に対する嫌悪を強く示すような性格の変容が。
    その暴力性が仇となり、市中をにぎわせロンドン警視庁の重要案件となっていた元軍人の連続殴打殺人への容疑者となってしまう。

    怪我...続きを読む
  • 鉄の枷
    資産家の老婦人が中世の鉄の拘束具スコウルズブライドルを付けて浴槽で死んでいた。自殺か殺人か。現代ミステリの女王ミネットウォルターズもここ10年くらい新作が出てないがクリスティと違ってハズレがない。現代だけあってどんでん返しや人間描写が半端ないストーリーテーラーだ。猜疑心と絶望からの希望と愛情のラスト...続きを読む
  • 女彫刻家
    母と妹を切り刻み血まみれの抽象画を描いて無期懲役となったオリーヴ。精神鑑定は正常、かつ犯行を認め弁護を拒んでいる。彼女に関する本を書くことになったロズは対面するうちに疑問を感じ始める。本当に彼女が犯人なのか?謎解きもさることながら恐怖のウェイトが高い。背筋も凍るラスト。それも数行。ミネットウォルター...続きを読む
  • 遮断地区
    ミネットウォルターズの代表作との呼び声も高い「遮断地区」。ドラッグが蔓延し争い事が日常茶飯時、LSD街と揶揄される低所得者向け団地。近くの団地で少女が行方不明になると、小児性愛者と疑われた親子を排斥するデモは暴動に変わり、往診に来ていた女医のソフィーは暴徒に襲撃された親子に監禁される。親子は小児性愛...続きを読む