【感想・ネタバレ】カメレオンの影のレビュー

あらすじ

アクランド英国軍中尉は、派遣先のイラクで爆弾によって頭部と顔面に重傷を負い、片目を喪失する。昏睡から目覚めた彼は他人にふれられると暴力的になり、極端な女性嫌悪を示して看護師や精神科医を戸惑わせていた。退院後、除隊した彼はロンドンに住むが、暴力事件を起こしたことがきっかけで警察に拘束されてしまう。近隣では、軍歴のある一人暮らしの男性ばかりが自宅で殴殺されるという事件が続発しており、警察の捜す犯人像に合致しているアクランドは尋問されるが……。〈現代英国ミステリの女王〉が巧みな心理描写で紡ぐ傑作サスペンス。/解説=三橋曉

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Posted by ブクログ

あーあ( ´Д`)=3

あーあ( ´Д`)=3

あーああーー(ターザンなっとるがな!)

大大大好きなミネットの邦訳もついに本作が最後となってしまいました
悲しい
抱えきれない悲しみを抱いたとき人はターザンになるのです(聞いたことないわ!)

英国ミステリーの女王(何人もいる)ミネット・ウォルターズの『カメレオンの影』です

うーん、さすがのミネットですわ

ミネット・ウォルターズと言えば朗らかで魅力的な女性を描かせたら、嫌ーな女性を描かせたら右に出るものはいないっていうね
本作ちゃんと両方出てきます(ちゃんととは)

主人公こそイラクで爆弾で攻撃され二人の部下と片目を失った英国陸軍中尉のチャールズに譲りましたが、彼とともに連続殺人事件の謎を解くことになる身長180センチ、体重120キロのウェイトリフターで見た目はアーノルド・シュワルツェネッガーのレズビアン、ジャクソン(最後まで姓しか名乗らない)が、超魅力的なのよ!
しかも心理学も詳しい夜間の訪問診療の医師っていうね
キャラ渋滞してない?っていう

いや、でもこのジャクソンがねいいのよ!(≧∇≦)
自分がちゃんとあって、やさしい、どうしても人を助けちゃう、口は悪いけど、放っておくってことがでかないの

あー、終わってもたなー

最後にジャクソンに会えたから良しとするかー

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2024年08月13日

Posted by ブクログ

ミネット・ウォルターズ、深いなぁ…。かなりまで主人公(?)のアクランドに感情移入できなくてこりゃ困ったなと思っていたのに真相が明らかになっていくと腑に落ちるところが多々ありました。彼に関わるお医者さんたちがみんな優しい。
作中ユマ・サーマンのくだりが何度も出てくるのですが、「ガタカ」は観たし、イーサン・ホークとかジュード・ロウ(かっこよかった♡)は覚えてるのにユマ・サーマンのことは何一つ覚えていなかった私が哀しかった。

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2022年11月07日

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ネタバレ

長いけど、あまり長さを気にせずに最後まで読めた。
犯人と真相がわかると前半の元婚約者に対する中尉の反応とか、元婚約者の行動が腑に落ちて、こんな心理状況だったのかなってのが理解できる。それがわかるまではどういうことなのか考えながら読み進めていくのでそれも楽しい。
途中で出てくるホームレスの少年も嘘つきまくりでどこまでが真実なのか、刑事と一緒に混乱させられた。
この作者らしく、登場人物の行動から内面や心理状態を想像させてくれて読み応えあり。

どなたかも感想で書いていたけど、最初と後半の中尉の性格?行動?が少し一致しなかったように思った。一致しないと言うか変化が急激だった感。そこの変化を少しわかりやすく書いてもらえればよかった。

途中から中尉の世話をやいてくれるレズのお医者さん、すごいいいキャラ!洞察力あって、自分があって、絶対正しいことをしてくれる安心感があるキャラだけど、そんな人も中尉の人間性を見誤ってたかもと不安になったり、そういう描写があってリアル。だから強烈に個性的なキャラだけど現実味があるのかなって思う。

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2022年01月25日

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ネタバレ

戦地での事故により、2人の部下と顔の半分を失ったアクランド中尉。
一命を取り留めたものの、事故後ときにかっと暴力的になり、特に女性に対する嫌悪を強く示すような性格の変容が。
その暴力性が仇となり、市中をにぎわせロンドン警視庁の重要案件となっていた元軍人の連続殴打殺人への容疑者となってしまう。

怪我を理由に退役を余儀なくされたアクランドの社会復帰を支えようとするレズビアン医師のジャクソンの関わりによって心が開かれ、云われない嫌疑が晴れる方向に向かうのかと思いきや、話が進めば進むほど事件との関係が色濃く見え始め、むしろ怪しさの増すアクランド。

運命的な偶然、共時性では片づけられないほどの証拠の重なり、少なくとも何か知っているか、思うところはあるはずだが、一向にまともに口を利こうとしない。
一方、ときに聡明さ発揮し、悪人らしからぬ言動をする。

アクランドの人柄に魅力を感じ、もっと素直になれよと応援しながらも、どこか疑いが拭いきれない。
心理サスペンスの名手ウォルターズによる秀作容疑者ミステリ。

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2021年07月25日

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ミネットウォルターズらしい切り口で描いた力作。
イラクで負傷した若き中尉をとりまく人々の心理が明暗交じえ丁寧に描かれている。
好みの分かれる部分はあるかもしれないが、登場人物一人ひとりの生き様が鼓動とともに伝わってくるような、地に足のついた圧倒的な表現力を感じた。

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2020年11月07日

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イラクで爆弾により重傷を負い、片目を失ったアクランド中尉。除隊したあとも孤独を好み、人に触れられると暴力的になる彼は、近隣での連続殺人の嫌疑をかけられるが‥
アクランドの不可解な態度や謎めいた行動の理由はなんなのか。医師や警察の視点から事件の推移を描いて、大変引き込まれた。
この著者の描く女性キャラにはいつも敬服しており、今回は男性が主人公かと思ったが、途中から登場したジャクソンのキャラがまた素晴らしかった。

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2020年11月03日

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ネタバレ

さすが。
今年読んだ翻訳ミステリーの暫定1位。

カリン・スローター好きな人が読むと、登場人物が何人か重なるかも。

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2020年06月10日

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イラクに派遣され爆弾で頭と顔に重傷を負ったアクランド。人に触れられるのを恐れ、暴力作的にもなる。アクランドの近くで起きる殺人、周りにいる人たちとの関連。事件の中にある差別と偏見。犯人は誰かという謎と丁寧に描かれつつも核心は描かれていないアクランドの心象。その具合がとてもいい。事件の身近さと複雑さがあって社会問題も描かれどんどん奥行きができていくのが本当に面白い。

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2020年05月17日

Posted by ブクログ

 実に5年ぶりのお目見えとなる作品。値段の割に邦訳が遅いのが気になる。この作家を思い出すのに、以下の前作『悪魔の羽』についての我がレビューを少し振り返りたい。

(以下前作レビュー)
 中編集『養鶏場の殺人・火口箱』を読んでから、少しこの作家への見方がぼくの方で変わった。≪新ミステリの女王≫と誰が呼んでいるのか知らないが、この女流作家はミステリの女王という王道をゆく作家ではなく、むしろ多彩な変化球で打者ならぬ読者を幻惑してくるタイプの語り部であるように思う。

 事件そのものは『遮断地区』でも特に強く感じられるのだが、時代性と社会性を背景にした骨太のものながら、庶民的な個の感情をベースに人間ドラマをひねり出し、心理の深層を描くことにおいて特に叙述力に秀でた作家なのだと思う。
(以上)

 本書はイラクの戦場の砂塵のうちにスタートする。いきなりの爆破。本作ヒーロー、アクランド中尉の顔の左半分が、左目と共に失われる。ハンサムな若者は異形の帰還兵となって世界からスポイルアウトされる。そして連続殺人事件の容疑者としてマークされる。

 アクランド中尉の個性、あるいは負傷によって変容してしまったかもしれない個性、が何よりも本書の読みどころであった気がする。何しろ、事件の捜査が動的に移ろいゆく中で、負傷兵としての、あるいは戦場の英雄としての彼は、さらに移ろいやすい存在であるかに見える。しかしむしろ真逆の頑迷さと不変性に鎧われた迷いなき強靭な意志の持ち主のようにも。

 禁欲的で、口数が少なく、時に発作に見舞われる後遺症持ちの戦場帰り。こういうキャラクターをミステリの中心に据えて、彼に寄り添うのが、アーノルド・シュワルツェネッガーのような恰好をした巨体の女医師ジャクソン。捜査の中心となる冷徹なベテラン警視ジョーンズ。それぞれにキャラの立った個性的で存在感溢れるバイプレーヤーたち。

 さらにロンドンの犯罪の温床みたいな暗闇に蠢く、薬中、ホームレス、男娼、そして謎に満ちた孤独な被害者たち。暴力と犯罪の匂いに満ちた街を、アクランド中尉とその周囲を回遊する人間たちの目くるめく深夜。中尉の元彼女はユナ・サーマン似のコケティッシュな美女として、アクランド中尉とのどうにも掴みにくい距離感を往還する。

 迷宮のようにしか見えない国家と個人との隘路を辿る捜査の背景に見えてくる病的な社会と時代を、名手ミネット・ウォルターズはまたしても不思議なメスさばきで、解体してみせる。物語にオフビートなリズムを交えながら、あくまで個性的な物語を紡ぐ作者のペンの切れ味にただただ酔うばかりの一作である。

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2020年04月24日

Posted by ブクログ

やや出来事の連鎖に無理筋なところはあるが、誰の、どの発言が本当なのか、最後まで興味が持続する展開の妙、一人一人の人物像が浮き彫りになる文章力など、ウォルターズらしい一作です。

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2020年04月20日

Posted by ブクログ

「女彫刻家」で強烈なインパクトを残した作家さん。主人公の始め3分の2と後が人格が変わったのが気になった。うーん、未消化な感じが残った。

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2020年06月23日

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