あらすじ
オリーヴ・マーティン――六年前、母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。嫌悪と畏怖をこめて彫刻家と呼ばれるこの無期懲役囚について一冊書け、と版元に命じられたライターのロズは、覚悟を決めて取材にかかる。まずはオリーヴとの面会。並はずれた威圧感に震え上がったが、相手は意外にも理性の閃きをのぞかせた。かすかな違和感は、微妙な齟齬の発見をへて、大きな疑問に逢着する……本当にオリーヴがやったのか? 謎解きの興趣に恐怖をひとたらし。その絶妙な匙加減が、内外で絶賛を博した、ミステリの新女王の出世作。MWA最優秀長編賞に輝く、戦慄の第二長編!/解説=野崎六助
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Posted by ブクログ
グイグイ読ませる一冊。
ラスト読み終わっても真相がハッキリしない。
果たして誰が誰に取り込まれたのか…。
私はとても好きだった。
途中差し込まれるロマンス要素が清涼剤になってくれた。
解説が不要とこれほど思ったことはない。
「筆が走り過ぎ」だの書いてあったが、それはお前だろと言いたい。あまりに不快。読後感を一気に白けさせるので直後に目を通すのはおすすめしない。
Posted by ブクログ
母親と妹を切り刻んだ凶悪な犯行で無期懲役になったオリーヴ。
精神鑑定の結果は正常で、罪を認めて弁護を拒んでいる。本当に彼女の仕業なのか...?
オリーヴは正常なのか?
それとも精神異常者か?
どこまでが真実でどこからが嘘なのか?
その時々で変わるオリーヴのテンションにブンブン振り回される。
さらに登場人物がそれぞれに問題を抱えていてる人ばかり。
誰を信じたら良いのかわからなくなる。
真実の心理描写が読みとりづらくて、ちょっと難しくて疲れたなぁ。
最後までモヤモヤの霧がスッキリと晴れなかった。
解説は嘘でも作品の良いところを紹介するものだと思ってたけど、「この作家は苦手だ」と酷評しまくっている正直過ぎる解説が斬新。
この作品はジル・チャーチルの本の最後に宣伝されていて気になって読んだ。
今度は杉江松恋さんおすすめのミネットを読んでみよう。
★3.5