橋本紡のレビュー一覧
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同居する母親の違う3姉妹、30代の澪、20代の環、10代、高校生の杏。
大学教授の父は、家出中。
普通では考え難い、そんな家族、姉妹の物語。
状況は、かなりドロドロなのでは、というところだけど、ゆったりのんびり物語は進んでいきます。
年の離れた3姉妹は、まるで同級生のように仲良しで、女同士っていいなと思わされます。
女の人をとっかえひっかえするというお父さんも、なんだか憎めない感じで、もしかしたらありなのかもと思ってしまったり。
大きな出来事も、それぞれに起こります。でもそれも必然と思わされるほどで、この家族は、きっとこれからもこうやって過ごしていくんだろうなと感じました。
3姉妹がそれぞれの彼氏を連れてくるホームパーティーのシーンが何とも微笑ましい。
『いろいろなことがあっても、ちょっとくらい揉めても、簡単に壊れたりしない。嵐が過ぎてみれば、家族という船はまだ浮かんでいる。やがて、恐る恐る甲板に出た人間が見るのは、いつもと同じ青空なのかもしれなかった。』
グッときました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死んだ恋人の親友と、新たな恋を始めた奈緒子。
死んだ加地の親友であった巧と奈緒子の間には
いつも加地がいて…。というお話。
死別の悲しみや切なさを乗り越えて、新たに再生してゆく
心を描いたラブストーリーですが、私は加地くん、生きてても
別れたと思うのです。
死んだ時となりにいた見知らぬ女性とキスした。
その彼女とは加地くんは付き合わなかったかも
しれませんが。
揺れたってことは、どこかで奈緒子との関係に
ヒビを入れたと思うのです。
だけど。
死んじゃったから、良かった時間はいっそう綺麗で。
でも、いない人間なんて、どっちにしろ、時に呑まれる。
その健康で残酷な事実が、奈緒子と巧には
救いと知りながら、私は、
「ああ、なんだかんだ言っても加地くんのことは、
言っちゃなんだけどどうでも良くなるな。」
って、綺麗なお話なのに、寂寥と、意地悪さを覚えました。
加地くんが、他の女とキスをしたのと同じに、
奈緒子と巧には、加地くんのことがどうでも良くなる日が
かならず来る。
おあいこの寂しさを、突然山ほどの質量でぶつけられて
星にでも渡して、幸せになるほうがいいってことなのだと。
初めは奈緒子たちがかわいそうだったんですけれど
圧倒的に勝者は彼らです。かわいそうではないの。
加地くんに未来はないのですし
いつまでも若いだけの彼など、
二人に追い抜かれるに決まっているから。
おあいこの、ヘビィで綺麗な、恋の勝負。
そういうふうに、思います。 -
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美しすぎる。一言に表せばそう言う他ないでしょう。最近の小説で言えば夏川草介『神様のカルテ』に似た救われる話なのですが、ライトノベルと侮る勿れ、これは傑作ですよ。読んで下されば分かると思うのですが、舞台である三重県伊勢市に足を運びたくなる、そんな気持ちにもさせてくれます。
ヒロインの里香との関係も注目です。病室であまり会いに行けないし、彼女には重い病気がある。もうもどかし過ぎて何も言えません。ここは電撃文庫版も読んで頂きたい所ですが、標準語と方言の違いで彼らの思いがよく分かったり、理解できなかったりと変わるかもしれません。実際僕は解釈が変わった人間です。方言という物は、僕たちが解らないエネルギーを秘めているのでしょう。方言は彼らの距離を縮めることができるのです。 -
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なかなか本屋で見つからなかった一品。
梅田の阪急で発見。
2007年発売ということで、橋本先生がライトノベルから転身で間もない頃の作品。
まだライトノベルの気はあるが、とても良い作品。
とある宗教の教主様である"彩乃ちゃん"を巡るお話。
3作品収録でそれぞれは独立しているが、"彩乃ちゃん"が登場するという設定は一緒。
橋本先生らしい、恋愛、家族愛,友達愛、自然愛などさまざまな形の"愛"が描かれている良書。
ほのぼのした気分になり、暖かい気持ちになる。
そしてきゅんきゅんするシーンもある。
橋本先生の作風として、未来までは描かないというところがあるが、この作品もそう。
とりあえず読んでみてください。