橋本紡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
古典文学と日常が絡まる九つの連作短編。
長くあっていなかった兄が突然家に帰ってくる。そしていつかの日々のように、兄が作る美味しいご飯を食べながら本について語りを重ねていく。お互いの恋人を紹介しあったりもする。
食べること、恋をすること、本を読むこと、生きることの楽しさや愛情がつまった一冊だった。
同じ本を読んで、同じ景色を見て、同じ料理を食べても、感じ方は人の数だけあるはず。そこに意味を見出すのは感じる自分自身だから。
本書に登場するトマトスパゲティのレシピのように、何かが増えたりかけたりしても美味しくなる。それが人生なんだなって思うと、もう少しだけ肩の力を抜いて生きていける気がした。
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Posted by ブクログ
短編集、1つずつ感想を
「フレンズ・キス」
幼なじみと関係を持つけど結局付き合わない話。
相性がよくても一歩踏みださなければ何も生まれないし、曖昧なままだと結局そこで終わってしまう。
「ガールズ・キス」
立場の違う女子校の二人の話。
気の合う感情や描写が素敵。
一緒の大学へ行けないと分かったときの川嶋さんのキスとそれを思い出にしている岡崎さんの関係性がとても良かった。
「パストデイズ・キス」
安定していて貴賓ある振る舞いをしているサエキさんよりも、夢を追い、一生懸命なノブくんに惹かれるという。安定とか理屈よりも一緒にいたい人といられるのが幸せだよね。
「イルミネーション・キス」
新人デザ -
Posted by ブクログ
橋本紡さんって礼儀とかに結構こだわりがあるのかなぁと出てくる描写から感じた。
今まで読んだのは
葉桜 と ハチミツ だけだけど、
どっちも、ちゃんとした人って感じの
登場人物が多かった。
橋本さんの作品ってどうしてこんなにも女性が女性らしく思えるんだろう。
自分は3人の中では
ドジな環に一番似てるかも。
本当は杏みたいなしっかり者に
なりたいんだけどなー。
最後みんなで集まっちゃってるのには
びっくりした‥。
実際あんなホームパーティみたいなんで
自分の彼氏連れて来たくないかも。
まぁ最初っから家族の設定は
ブッとんでたな。
でも温かくて、優しくて好きな作品。 -
Posted by ブクログ
同居する母親の違う3姉妹、30代の澪、20代の環、10代、高校生の杏。
大学教授の父は、家出中。
普通では考え難い、そんな家族、姉妹の物語。
状況は、かなりドロドロなのでは、というところだけど、ゆったりのんびり物語は進んでいきます。
年の離れた3姉妹は、まるで同級生のように仲良しで、女同士っていいなと思わされます。
女の人をとっかえひっかえするというお父さんも、なんだか憎めない感じで、もしかしたらありなのかもと思ってしまったり。
大きな出来事も、それぞれに起こります。でもそれも必然と思わされるほどで、この家族は、きっとこれからもこうやって過ごしていくんだろうなと感じました。
3姉妹がそれ