あらすじ
進学校に通う陸には本当の友がいない。校内模試の順位に一喜一憂する日々のなか、幼なじみの嘉人を思い出す。かたや学校一の秀才、かたや学校一の不良。ふたりが仲良くするのを周りの連中は不思議がった。でも多くを語らなくても、気持ちが通じ合うのはこいつだけなんだ──潔癖で繊細な少年たちの交流がひかる傑作「大富橋」ほか5篇。東京の下町・深川に架かる6つの橋を軸に、人生にちょっとつまずいた人びとの人間模様を写しとった、やさしく清冽な物語。
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私の平凡な毎日と比べて、なんだか濃厚な生活を感じた。
隅田川にかかるたくさんの橋が、物語をとても魅力的にしていた。あまり行くことのない深川に行ってみたくなった。
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いつかのきみへの「いつか」で辻村深月「名前探しの放課後」を勝手に連想。
ベクトルとしては、見当違いではなかったような。というたわごとはさておき。
「橋」をモチーフにした短編集。うん。橋ってなんか、ストーリー性高いよね。年代も性別も様々な、でも、根底には「家族」というキーワードがあるお話たち。 個人的には最後の、頑固なじさまと孫娘の話が好き。だなー。
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新学校に通う陸には本当の友達がいない。校内模試の順位に一喜一憂する日々の中、幼馴染の嘉人を思い出す。中学の頃、乱暴な他校生から守ってくれた札つきのワルだった嘉人。「大富橋」
深川に架かる橋と、様々な人々が生きる今日を描いている。中でも、婚約したばかりのカップルが物件を探して深川の街を訪ねる「まつぼっくり橋」と、世田谷に住む十歳の少女が深川に住む祖父の家でひと夏を過ごす「永代橋」は心に沁みた。
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全話、誰にでもなんとなく心当たりのあるようなエピソードや風景が溢れており読み終わったあとにほこっとする。子供の時、友達と遊びたいのにおばあちゃんの家行くの嫌やったな、とかそういうなんでもない気持ちを思い出した。
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どの物語も優しく温かく、個人的に6篇の中で「清州橋」が一番好きです。社会人の女の人が主人公で、進学、就職のことで親ときまづい関係だった。一人っ子ではどうしようもなかったかもしれないが弟が主人公の背中を押してあげたりとても優しい子でした。こういう物語を読むといつもケンカしてしまうけれど、自分の兄弟も悪くはないなと思います。
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橋本 紡さんてライトノベルのイメージが強く、この作風を読み進めていくうちに、橋本 紡さんの意外性に引き込まれてしまいました。
橋の両側で古き良き東京。開発の進んだ東京。この対比性を舞台にお織り成す人間ドラマ。ほっこり小説でとても好感が持てました。
いつも車で渡る永代橋。もう少しイライラせず仕事に向う事とします。。。
文庫化にあたり、「橋をめぐる」から副題である「いつかのきみへ」と何故タイトルをかえたのだろう。
あと表紙のデザインと本の持つ雰囲気が全く違う。ノスタルジーであるけどベタ甘な小説でもない。
不満はこのふたつ。早期に新丁判を求みます。
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あとがきの、読後感はあくまで清涼かつ安らかですという言葉。これが凄くしっくりきます。川の廻りの何気ない物語。さらさらと読めて言葉がとても綺麗です。
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今、書名を検索して気付いたのだけど、わたくし、橋本紡さんと中村航さんを本日までなぜか混同しておりました。どっこも文字はかぶっていないのに。作風だって違うのに。強いて言えば、苗字二文字で名前一文字くらい??作風が違うのには気づいてて、作風に幅のある人だなあ。こんなのも書くのかぁ。と思ってました。私のバカバカバカ―。で、内容。深川にかかる橋をめぐる物語です。東京の下町ってあまり知らないのだけど、この本のように人情あふれる土地柄なのかな。そうだといいなあ。とても優しい物語たちです。「八幡橋」の親だけど女っていうの、わかるようでいてわからなかったりする。だって、私、女という生き物ではなくて、母親という生き物に生まれ変わった気がするもの。でも、自分の中の女を自覚するときがまた来ることがあるのだろうか。そう思うと怖い。
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舞台は東京の下町深川。
近辺の橋がそれぞれの短編で大きな役割を。
両親との関係に悩む娘、秀才と不良の幼馴染、バツイチママの恋、
町内のごたごたを仲裁することになるバーテンダー(小路幸也さんっぽい展開)、
新居を探す婚約者、子供の教育方針で衝突する両親に困っている娘と祖父。
個人的には婚約者の話が面白かったなー。
この本は全体的になんとなく哀切感が漂っているのですが、
この話と最後の話は爽やかな展開でした。
全体のテーマとしては、「対人関係の悩み」なんだろうな。
それぞれの主人公がそれをどう解決していくのか、あるいは
それを抱えたままうまく付き合っていくのか、
そのあたりに注目して読むといいかも。
ちなみに、最後の話は東京の高校入試で使われたらしいですよ。
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東京の下町・川・橋に対する憧れが倍増した。
行くたびに趣が増していく感じがする東京。
これからますます物語の舞台として、
魅力的になっていくんだろうな。
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年齢性別も境遇も様々な人物たちが織りなす短編集。どの話も橋を一つの話のモチーフとして使っている。
全体的に平坦としていて読みやすいけどもあひきたりで薄い内容と感じてしまった。
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橋は「こちら」と「あちら」をつなぐ橋。
子どもだったり、会社員だったり、婚約中だったり、壮年だったり、登場人物が色々の短編集。どれも読後感がほっこりする、橋本紡らしい小説。深川という場所は土地勘がないけれど、いくつかの小説でその下町の良さを感じる。
最初の「清洲橋」で友香がリベットの感触を思い出し楽しむところと、最後の「永代橋」で千恵がリベットの感触を記憶するところがつながって、友香にも千恵のような時代があって、千恵にも友香のような未来が来るのかなと、幸せな記憶を感じた。
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東京・深川に実在する橋にちなんだ6つの短編集。
この人の作品は3作しか読んだことないんだけど
どれも変わらず文章が優しくてさらりと入ってくる感じが好きです。
短編らしく主人公も老若男女様々で
視点やものの捉え方がそれぞれ生活観があってリアルだった。
『大富橋』と『永代橋』が好きだったな。読後感が爽やかで。
私がもっと細かく読み込むタイプの読者だったら
所々短編同士がリンクしている場所を見つけて楽しめるんだけど…
流して読んでるからぼんやりとしか分からなかった。残念。
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いつもの安心感のある橋本紡さんの作品。
東京の下町、6つの橋を舞台にした短編小説です。
橋って不思議なもので、なぜか心ひかれる。向こう岸とこちら側をつなぐというイメージによるものなのだろうか。今の現実から脱却して、新しい環境へと生まれ変わるという想いが見え隠れする。
登場人物はそれぞれ問題を抱えて生きているが、終わりには必ずそれをしっかり受け止めて前へと進んでいっている。作者の優しさがうかがいしれるものです。
良い事ばかりではないけれど、それでも心温まるお話です。
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深川の6つの橋と、人々の物語。短編集。
日常の物語です。
さらさらっと読んでいたけれど、「まつぼっくり橋」に意外にも響く文章があった。
あとは「永代橋」が好きかな。
せっかく良いタイトルなのだから、これがもっと響くと良かったな。
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あー、これ『橋をめぐる』の文庫版だったのかぁ!
メインタイトルが変わっていたから気付かずに借りちゃったよ。
でも懐かしくて再読。
やっぱり「永代橋」のエンジさんがかっこうよくて、惚れ惚れしてしまったわ。