橋本紡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いろんな場面の、いろんなキスがあった。
旦那さまとの始まりになったキスを思い出した。
というか、思い出して買ったという方が正しい。
キスは、したいからする。
その人との繋がりを確かめるような感じ。
お互いにしたいと思ってする、そこに気持ちが宿ると思う。
「ハウスハズバンド・キス」が好き。
家族のキス、主夫から働く奥様への労いと愛のキス。
育休についてのくだりは、本当に同感だ。
今はまだわたしは子供はいないけど、いつかできたとき、育てるとき、わたしか旦那さまか、状況に応じてどちらが取るかを選べるような社会ならいいのにと思う。
育休を取るから出世できない、育休を取るなんて迷惑、育休なんて男が -
Posted by ブクログ
初めての作家さん。
装幀の綺麗さに惹かれて手に取る。
軽めの文体でさらさら読める。でも読み終わった後になんだか少し前向きな気持ちになれる。そんな1冊。
両親のいざこざのくだりで
ー確かのこれは浮気なんかよりも厄介だった。生き方そのものの問題だ。(中略)決まった価値観の中でお父さんとお母さんは生きてきた。その中でなら同じ言葉で気持ちは通じた。たくさん話す必要もなかった。だけど、いざ外に出ようとすると違う言葉が必要になってくるー
価値観の違いでー。よく聞く理由だけれども、つきつめていくときっとそうなのだろう。
家族というのはよくも悪くも運命共同体。その中で価値観を共有し続けるというのはとても難し -
Posted by ブクログ
香織って、只者ではないと感じたね。
恋や男に目が眩んでしまっているはずなのに、自分がそのような状態であることを醒めて自覚している。そのくせ、その状況が自分に及ぼす悲しみや寂しさ、どうしようもない敗北感などの影響にも普通に晒されてる。いわば「感情の波に翻弄されながら、翻弄されている自分を画用紙に写しとる」なんて離れ業をやってのけているような。
自分の中から起こる願いや衝動に対しておとなしく従いつつ。その結果による自分の感情の起伏を予期しながらもそのまま受け止めつつ。次の瞬間には、それをすっかり消化してしまい、私たちが気づく頃には、少し素敵に成長している。
日常のよくある風景からはちょっぴり -
Posted by ブクログ
文体の違いはあるけれど、今はなき恋人が主軸になっているところが、よしもとばななの作品を思い起こさせた。
主人公を取り巻く家族や友人は人間味があり優しくて、温かさが伝わってくる作品。高校の学園祭の時の普段と違ったハイな感じとかは上手く書けてるなと思った。
巧君の存在は奈緒子にとってとても貴重で、だからこそ本当ならば、まだ心の整理が出来ていないうちに付き合うべきではなかったよねと思いつつ、お互いそれも分かった上でのことだろうから、まあいいかと。
巧君のことを加治君と言うフィルターなしで評価して、彼のいいところをいっぱいいっぱい好きになって、迷いなく一番好きと言える様になればいいなと、書かれていな -
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