橋本紡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
急性肝炎で入院した先で重病の同い年美女、里香と出逢った
普通の高校生、裕一が主人公の物語。
里香の手術は成功したらしいことは分かったのだが、
それ以上の詳細が分からないまま面会謝絶状態が続き、
看護師の亜希子に聞いても答えてくれない。
裕一は不安を抱えたまま何もできないでいた。。。
さぁ、これからどうなるの?って気になって仕方がないのに、
なんと今作は里香の主治医の夏目の過去がメイン。
これまでの2作でもなんとなく過去が想像できたが
それがちゃんと語られている。
優秀だがひねくれているこの医者が抱えているものとは・・・
今作で夏目に対して少しは共感が持てるようになったかな。
まぁ、それ -
Posted by ブクログ
家族/家庭論というのが面白いのは、実践と実感を完全に離れた話題だからだろうか。もちろんこれが基本一人称の記述形式じゃなかったら、とたんに緊張を孕んだ「面白い」とは割り切れないものになるのだろうけれど。いずれにしても、父親がいて母親がいて兄弟がいる、という家族像を当然視する、それがふつうのあり方だとする人びとからは、本作のような作品はまた全然異なる読まれ方をするのだろうとか。そういうことを考えてみたり。
橋本紡の作品はまだこの『ハチミツ』と『葉桜』しか読んでいないけど、この2作品には登場人物にも生活描写にも共通点が多い。ある物語で利用した素材を別の作品では別の構成の中で活用する、そうして既知の -
Posted by ブクログ
表紙を見て買うのをためらってしまったんだけど、
橋本紡さんの著作はなんとなく好きなので購入。
元々ライトノベルとして刊行されたものなんですね。
帯にもあるように、SFでもファンタジーでも伝奇でもないので、
ライトノベルっぽくない。
橋本さんもこれを書いてから一般文芸の方に鞍替えしたようだし、
本人にとってはターニングポイントだったんだろうな。
三重県伊勢市のとある病院。急性肝炎で入院したものの、
さほど重症でもなく元気有り余る高校生、戎崎裕一が主人公。
夜中に抜け出しては友人宅で遊ぶ日々を繰り返していたが、
その罰で同い年の患者、秋庭里香の相手をすることに。
心臓に病を持つ里香はとてもかわ -
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やたらとモテる父親が家出した。
皆母親の違う三姉妹の三女、学生の吉野杏は落ち着いていた。次女の環は動揺し、長女の澪はほっとしている自分に気付いた。
杏の淡い恋、環に宿った命、澪の終わっていく恋。
三姉妹それぞれの視点から、男と女、家族の姿を見つめていく。
杏は若干壊れ気味というか、動揺しなさすぎというか、坂本くんが言うように「ちょっと変」。澪は大人。仕事もバリバリこなして、恋愛もどっぷりはまらないようにして、立っていこうとしている姿がたくましい。
環は本当にもうちょっとしっかりしてくれ、と読みながら何度も思った。お腹の子父親が誰だかわからないとかどうしようもないな……。
父親の家出とか、環の