あらすじ
なぜか"教主さま"だという女の子を預かることになった。彩乃ちゃんといって、一見ごく普通の、小学五年生の女の子だ――。花屋に勤める二十代の智佳子、進路に悩む高校三年生の徹平、東京から地方に越してきた小学五年生の佳奈が、彩乃ちゃんとの出会いで知った人生の奇跡。前に進むすべてのひとに捧げる物語。
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最初はどんな話かと思ったが、
読み進むうちに綾乃ちゃんの素敵さがわかってきた。
綾乃ちゃんの純粋さ、
また綾乃ちゃんと関わる人の本当は純粋であることなどが
読んでいてとても良い気分にさせてくれた。
現実は世知辛い世の中で、
実生活においてこのような人との関わりはあまりないが、
こんな人たちと関わり合いをもてるよう、
自分も少し変わっていこうと思わせてもらった。
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人生が大きく変わる瞬間なんて、それはきっととても印象的なことなのかもしれないけれど
だけどそんなに大きなことじゃないんだろうな。角度にしたら1度にも満たないような、そんな小さな出来事なんだろうな。
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なかなか本屋で見つからなかった一品。
梅田の阪急で発見。
2007年発売ということで、橋本先生がライトノベルから転身で間もない頃の作品。
まだライトノベルの気はあるが、とても良い作品。
とある宗教の教主様である"彩乃ちゃん"を巡るお話。
3作品収録でそれぞれは独立しているが、"彩乃ちゃん"が登場するという設定は一緒。
橋本先生らしい、恋愛、家族愛,友達愛、自然愛などさまざまな形の"愛"が描かれている良書。
ほのぼのした気分になり、暖かい気持ちになる。
そしてきゅんきゅんするシーンもある。
橋本先生の作風として、未来までは描かないというところがあるが、この作品もそう。
とりあえず読んでみてください。
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”教主さま”だという、小学5年生の女の子、彩乃ちゃんを中心とした連作短編集。
友人に頼まれて綾乃ちゃんを預かることになった花屋に勤める智佳子、進路に悩む高校生の鉄平、家で綾乃ちゃんを預かることになった小学5年生の佳奈の3人の話が載っています。
彩乃ちゃんには、未来を見たり、死んだ人を見たりする不思議な力があるらしく、その力を使って彼らの未来をほんの少しいい方向へ押してくれます。
どの話も何となく人生に悩んでいる人の背中を押してくれるような、温かく優しくていい話でした。
けれど、彩乃ちゃんは不思議な力を持つ教主さまというだけではなく、アクセサリーや化粧品に興味があったり夜のコンビニにはしゃいだりする普通の小学生でもあり、大人びていて教主という重荷を背負っている姿が少し物悲しくもありました。
私は一番最初の智佳子の話が一番好きでした。教主の彩乃ちゃんに、”少しだけ悪い事”を教える優しいお姉さん。彩乃ちゃんも彼女の前では少しだけ”普通の女の子”になれたんじゃないかな。
彩乃ちゃんはどの話にも出てくるのですが主人公ではないので、この先、教団に戻った彩乃ちゃんがどうなるのかも気になります。
柔らかく優しい小説はこんなのも。
→『あずかりやさん』(ポプラ文庫)/大山淳子
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本嫌いな中高生の読書感想文用にもおすすめかも。
まず薄い。(本嫌いにとっては超重要)
文章が読みやすい。(橋本先生はラノベ出身)
国内の日常ものなので、親近感が湧きやすい。(かも)
しかも3話構成なので1話1話はさらに短く、モチベーションを保って読める。(気がする)
ちょっとほっこりしたい時にもおすすめ。
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全部で3つの物語が併録されているが、共通する人物は何かの力を持った「彩乃」だけである。
もちろん。この人物が物語の鍵となるのだが、さて3つの物語を読んで何を感じ取ったのか、感想はどうなのかと云われても書けないのが現実。
それが、この小説の持つ力なのかもしれない。
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小学五年生にして教祖さまの彩乃ちゃんと関わった三人の物語。将来に少しの不安を抱える人たちが彩乃ちゃんの助言に背中を押され前向きに歩み出す。ほっこり優しい。
彩乃ちゃんも幸せにしたみんなからちょっとずつ大事なものをもらう。役目におしつぶされることなく彼女にも幸せになってほしいな。
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奇跡っていうのはきっと、ほんのわずかな一瞬のことで、それを運んできてくれるのは出会ったばかりの少女だったりもする。
優しく素直な自分でありたいと、そう思わせてくれる物語だった。
凜とした彩乃ちゃんの姿に自分も励まされつつ、この小さな女の子にもどうか幸せになってほしいと、願わずにはいられなかった。
彩乃ちゃんのように「奇跡」を起こしたり、未来を見通すような力を僕は持っていない。
それでも、今までに自分が出逢ってきた全ての人がもし今、みんな幸せであってくれたら、
それは凄く嬉しいことで、それ自体が奇跡みたいなことなんじゃないかなと思ったりした。
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特別な力を持っていて、教主さまと呼ばれる彩乃ちゃん。彼女の過ごした大切な夏の話。
小学5年生なのに、しっかりしてて、大人の振る舞いが出来る。
けど、やっぱり子供な部分もみえてほっとする。
薄くて、文章も難しくなくて、すぐ読める。彩乃ちゃんの話としては繋がってるけど、話は3つだから、休憩にもってこい。
石階段が一番好きだったかな。
そして、河原千恵子さんの解説が良い。
自分がいつも何気なく過ごしている日常の中に、小さなメッセージが隠されていないだろうか。
202p引用
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彩乃ちゃんは小学5年生ですが、関わる人々の近い将来が視えるようです。3つの連作になってますが、みんな彩乃ちゃんに「ポンッ」と背中を押されて、次の一歩を踏み出します。誰もが、持ち合わせるであろう「迷い」や「悩み」、それは、いつしか不安となって誰かに打ち明けずにはいられなくなるのは良くあること。彩乃ちゃんのように、「そっと周りの人を幸せの方へ導けたらいいなぁ」、そう思わずにはいられないホッコリする小説でした。
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彩乃ちゃんは小学5年生の女の子。
とてもお行儀がよくて言葉使いの丁寧な女の子。
そして彩乃ちゃんは教主さまでもある。
素晴らしい力を持っているらしい。
これはそんな彩乃ちゃんがその素晴らしい力で人々を救う話。ではない。
ちょっと不思議な力を持ってはいるけど、本当は普通の可愛くて優しい女の子の彩乃ちゃんが、彼女の好きになった人達にプレゼントをして、彼女もプレゼントをもらう。
そんな心温まる物語。
お告げとか占いとか、絶対信じられないと思っていた。
でも、そのお告げが私の隣でいつもにこにこ笑っている、優しい女の子の言葉だったら…、その言葉をすんなり受け入れられそうな気がした。
この物語の中で彩乃ちゃんのお告げを信じる3人の気持ちが私にはよく分かる。
彩乃ちゃんの言葉は、ありがたいお告げなんかじゃなくて、彼女からのプレゼントなのだ。
ずっと大切にしたくなるキラキラした宝物なのだと思う。
そしてもしかしたらそれは、神様の言葉や占い師の言葉を信じる人達の気持ちと同じなのかもしれない。
…その辺はまだよく分からないけど。もしかしたら。
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短く話も読みやすかったので、すぐに読み切ってしまいました。
ちょっと不思議な女の子兼教主さまと三人のお話。
奇跡ってありふれた表現だけど、こんなささやかだけど大切なことがどこかに転がっているかもしれないと思うとちょっと嬉しい。
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教主様は小学生。どこにでもいるちょっと野暮ったい彩乃ちゃん。でも、彼女は先を見通せるチカラがある。彼女に関わった3人は、彩乃ちゃんのおかげでちょっぴり変わった。ちょっぴりっていうのがツボで。ほんわかとしたかわいい話。
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なぜだか教主さまを預かることになった。
書き出しから興味をそそられる。
とはいっても宗教的なことは殆ど関係なくって、ある宗教の教祖の孫である彩乃ちゃんと関わる人々のエピソード。
小5なのに大人な彩乃ちゃんのやさしいお告げで、幸せな気持ちになれる。
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とある小さな信仰宗教の後継とされる、「彩乃ちゃん」。一般的な同年代の子供より、丁寧な作法を身につけるなど少し大人びた部分もある彼女は事情で様々な人の家に居候することになる。目には見えない不思議な「力」も使って、彼女は様々な場所を訪れる。
基本が「一般の人の日常の場面に彩乃ちゃんが居候することで起こる諸々」なので、ほっこりしながら読める。
彩乃ちゃんの「まだ年相応な幼さ」的な可愛らしさと憎らしさを味わう意味では第1話が好き。
…信仰宗教、の設定、もう少しライトなもの(親が占い師で、くらいの)でも成り立つ感はあるかな…
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教祖さまの孫で不思議な力を持つ彩乃が3つの奇跡を起こす。ほんのちょっとのきっかけで、すごく人生が変わるわけではないけれど、確かに一歩幸せになれる。そんな3つのストーリー。
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ある夏、小学五年生の少女だけれど、教主さま、という、彩乃ちゃんを預かる事になった、3つの家。
そこで関わった人物の視点で、順番に、3つの話が語られます。
彼らに共通しているのは、人生の選択について、悩んでいる事。
彩乃ちゃんと関わるうちに、彼らは心に大切なものを得て、ほんの少し、背中を押して貰って、ほんのりと幸せになります。
じんわりほのぼのとしたお話でした。
Posted by ブクログ
『九つの物語』がとても良かったので、再び橋本紡の本を手に取った次第です。
彩乃ちゃんのキャラクターは予想していたよりも魅力的でした。
この先、彩乃ちゃんはどんな暮らしをして、どんな大人になるんだろうな。