永田千奈のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幻想奇譚と言えば良いのだろうか、本書に収録されているのは、理想的な美を体現する女性と、彼女たちへ猛烈な恋情を抱いてしまった男たちの悲劇的な思いを、豪華絢爛たる文章に乗せて描いた作品である。
〇『死霊の恋』~高級娼婦クラリモンドと司祭ロミュアルド
クラリモンドは吸血鬼で、最後には聖水をかけられ朽ち果ててしまうのだが、ロミュアルドは一緒に暮らした生活を思いきれないまま一生を過ごすことになる。
〇『アッリラ・マルケッラ』~アッリラ・マルケッラとオクタヴィア
ナポリの考古学博物館で、オクタヴィアンはポンペイから出土した美しい乳房の丸みと脇腹のくびれを持つ灰の塊に心を奪われる。友人たちと共にポンペイに着いたオクタヴィアンは、その夜一人廃墟を歩いていたのだが、いつの間にかそこは噴火前のポンペイの街になっていた。そして劇場であの女性に出会い、彼女の家に招かれたのだが…
〇『化身』~プラスコヴィ・ラビンスカ伯爵夫人とオクターヴ
夫人を一目見て恋に落ちたオクターブだったが、貞節な夫人はオクターヴの思いをきっぱりはねつける。悲嘆にくれるオクターヴに、インドで修業をしてきたバルタザール医師は、秘術を使ってオクターヴと夫人の夫の魂と肉体とを入れ替えることを提案する。夫の体に入ったオクターヴは夫人に言い寄ろうとするのだが、…。
ストーリーもさることながら、人物の容貌やその衣裳、宝飾品、住まいの館の構造、居室や化粧部屋、食堂など部屋部屋の様相、調度品の絵画やタピスリー、絨毯その他の様々な品物の描写が、とても豪華に細かく描写されていて、小説を読む面白さはこういうところにあるのだなあと感じ入った。 -
Posted by ブクログ
あまり人生をつんでいないからわからないけど、人生ってこんなものだよな。
ジャンヌの描写が、時を経るにつれて、すぐ数年後とかになって時間的な解像度が減ったり、過去を振り返るシーンが増えていったり、またジャンヌの目に映る景色や日常の風景も暗く薄いものとなっていくのが印象的だった。逆に、前半部分の無垢なジャンヌが人間の悪意や俗っぽさに触れていくにつれて失望していくシーンが読んでて辛くなったりすることもあったが、逆に自分がこの先こういった体験をしていくのかなとも思った。
一般的に歳をとると人間は錆びついてきて、空虚な日々を過ごすのだなということは分かっていたが、そういった認識に現実感を与えてくれるような作品だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ積ん読になってて、映画化されたので、読もうと思った。
どちらかというと★2つ寄り。
女の一生じゃない。原題とは異なる。
寄宿学校を出てから、40代半ばまでのジャンヌの話。
結婚とは何なのか。
出会ってすぐに恋に落ち、瞬く間に結婚。
何の知識もなく、初夜で失望。
夫の不倫。
この夫は酷いな。最後はざまあって思ったけど。
あの転がるところの描写は凄惨さが伝わる。一番印象に残った。
子供への甘やかし。過干渉。親を利用する大人の出来上がり。
子育ての失敗が跳ね返ってくる。
不幸なジャンヌ。
夫については同情したけど、子供についてはそりゃあ仕方ないなと思えた。明らかに甘やかしだもの。
生きがいが何もなくて一人ぼっち。
思考が停止、鬱みたいになってるんだろう。
ロザリの言う通り、食べ物もあって息子は生きてるし、何を言ってるんだって思ったな。
自分が一番不幸と思っている。狭い中でしか生きてないから。
最後もどうなんだろう。
そこに落ち着くのか。
依存的な傾向がなくならない限りこの後も不幸だろうなぁ。
最後は強く生きていく方向になるのかと期待してどんどん読んでたのに、ガッカリした。