永田千奈のレビュー一覧

  • 女の一生

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    あまり人生をつんでいないからわからないけど、人生ってこんなものだよな。
    ジャンヌの描写が、時を経るにつれて、すぐ数年後とかになって時間的な解像度が減ったり、過去を振り返るシーンが増えていったり、またジャンヌの目に映る景色や日常の風景も暗く薄いものとなっていくのが印象的だった。逆に、前半部分の無垢なジャンヌが人間の悪意や俗っぽさに触れていくにつれて失望していくシーンが読んでて辛くなったりすることもあったが、逆に自分がこの先こういった体験をしていくのかなとも思った。
    一般的に歳をとると人間は錆びついてきて、空虚な日々を過ごすのだなということは分かっていたが、そういった認識に現実感を与えてくれるよう

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    2024年02月12日
  • 椿姫

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    他作品に引用され登場したのを懐かしく思い、新訳にて再読。
    読みやすく、分かりやすい訳にとにかく驚いた。
    訳本にありがちな妙な言い回しがひとつもなく、美しく流れるような表現のおかげで、作品の純愛度が増したように思う。学生の頃は悲恋に憧れ、作品に没入した印象だったけれど、今回は違う選択をした場合、に興味がわいた。

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    2024年02月01日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    徳を積むという行為は、特別なことをしなくても、日常の生活の中にあることがわかった。
    『方丈記』鴨さんと同じ行為で精神を落ち着かせるのに驚いた。時代も国も違うのに、同じものにたどり着いている。人間の本能なのだろうか。

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    2023年07月07日
  • クレーヴの奥方

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    時代を考えればとってもスキャンダラスな小説だったのだと思う。当初、著者は匿名でこれを出版したという。

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    2023年05月30日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    ルソー初読。エセーを読んだ時も思ったが、教科書で学んだ哲学者たちの著作を大人になって実際に手にしてみると、想像以上の人間臭さに驚く(学生時代に背伸びして読んだカントからは全く感じなかったが…)。思想を吟味するというよりは、親近感をもって軽く読んでしまった。また読み返したい。

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    2023年04月30日
  • 京都に咲く一輪の薔薇

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    都舞台の作品と云うことで読んでみる。元のフランス語もこんなめんどくさい文章なんやろか。文章がめんどくさく感じる。主人公はよう分からん人や。京都の有名どころの描写はなかなか面白くはある。銀閣寺、南禅寺、詩仙堂、大徳寺、西芳寺など

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    2023年02月09日
  • 京都に咲く一輪の薔薇

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    よう学んでいるし、描写力も見事だが、東京始発で7時半には着かないよとか、苔寺は子供NGだろとか、細かいところが気になるか。

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    2022年12月15日
  • 女の一生

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    「いわゆる女」の一生ではなく、「ある女」の一生。取り違えると気分を害しそう。「いわゆる貴族社会」における「ある女」の一生、という感じか。
    貴族の中で主人公の人生が、とりわけ波乱万丈、とりわけ不幸なのかどうか自分にはは分からない。ただとりわけ純粋だったのが、ある意味不幸だったのかも。
    自分も含め、今の時代日本人からは想像もつかないほどの教会の力、貴族のしきたり。固定観念や既得権の怖さを思い知る。
    はて、最後に息を引き取るとき、彼女は幸せだったのか。そこは本人にしか分からない。

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    2022年11月23日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    迫害という真実とそうではない被害妄想に囚われたルソーが世間を忌み苦しみながらもどう生きていくか、という本。
    夢想をし、植物研究に熱中し、己を肯定する為に自己弁護と理論武装をして未来の読者に向けて(ルソーはあくまでも余生のためと書いているが)託したかったのだろう、正直なところ救ってほしかったのかもしれない。
    個人的に人間臭いルソーが苦手で、でもこの丁寧な解説があるのに、苦手なんて言えないよねと思った。

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    2022年01月29日
  • 狂女たちの舞踏会

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    実際にパリに存在する精神病棟を舞台の内容で、実在の人物も登場する。日本でいう時代劇的なスタイル?時代的には19世紀の話で、様々な理由からそこに女性が幽閉されてきた暗い過去がある。どこまで創作けわからんか、舞踏会、公開治療(見せ物的な)などもある。当然のようにあとがきでは作者に好意的だが、自分には、ちょっと調べ物してちょちょっと書いただけで、絶賛するのは?と思ったが、作者の母上が著名な歌手らしくて、いわゆるセレブ本だから話題になってるんかな?と思った。文章はうまいが、根底にある訴えるべき物の存在が見えない。

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    2021年11月28日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    フランスでは、青少年が一度は手にとって読む本だという。
    社会科でも習った宗教改革の箇所で必ず出てくるルソー。

    人生の晩年は、教会からも、学会からも弾圧、無視され寂しい人生だったようだ。
    それらからの疎外感に憤りを感じて憤死してしまうような日々を送っていたが、怒りも一巡すると静かに自分自身を見つめる時間に変わる。
    そんな自分自身を見つめる10章。
    遺作となる。

    冒頭から読み始めないで、訳者後書きや、80ページにわたる解説から読むと、どうして冒頭から怒りに満ちた作者の心情が読み取れる。

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    2021年01月16日
  • 女の一生

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    読み易いし読んでる間は楽しい。読み終わると、さー困った。何も書けない。ジャンヌという修道院で育った年頃の娘が早速結婚する。「純潔、無垢」とは「愚か、中身がない」ということでした。フレッシュな胡瓜は、屈辱という名の粗塩を揉みつけられ、こすられ、いい感じに、ならないんだよ。時代っちゃそうだけんども、自分の考えを持たないで、守ってもらう前提の生き方に対する、やっぱり作者のディスりなんだよな。最後に放逐された召し使いが戻ってきて、教育なんか受けてなくても、しっかり賢いんだよ。作者こそ、産まれてる時代間違えてねえ?

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    2020年01月18日
  • 女の一生

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    一気に読まずにはいられなかった。
    古くて新しい。
    男というのはしようのない生き物だ。
    息子をどんな育て方をすれば、こんなになるかも納得する。

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    2019年08月13日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    積ん読になってて、映画化されたので、読もうと思った。

    どちらかというと★2つ寄り。

    女の一生じゃない。原題とは異なる。
    寄宿学校を出てから、40代半ばまでのジャンヌの話。

    結婚とは何なのか。
    出会ってすぐに恋に落ち、瞬く間に結婚。
    何の知識もなく、初夜で失望。

    夫の不倫。
    この夫は酷いな。最後はざまあって思ったけど。
    あの転がるところの描写は凄惨さが伝わる。一番印象に残った。

    子供への甘やかし。過干渉。親を利用する大人の出来上がり。
    子育ての失敗が跳ね返ってくる。

    不幸なジャンヌ。
    夫については同情したけど、子供についてはそりゃあ仕方ないなと思えた。明らかに甘やかしだもの。

    生き

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    2017年12月17日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    ルソーたん!!!!私がいる!私がいるよーっ( ;∀;)!!!!と呼びかけてしまいたくなるほど冒頭から悲壮感漂う。栄光から一転、迫害を受けたルソーが自分の殻に閉じこもって書いた夢想の束。でも読み進めるにつれ、被害妄想の羅列と化していき、「わかった、わかった」と聞き流してしまいそうに(笑)けれど、ところどころにはっとさせられる言葉が散らばっており、「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」というニーチェの言葉を思い出した。時代が彼に追いつくまでは、まだ少し時間が必要だった。次は『エミール』読もう。

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    2016年09月02日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    ルソーでさえ、こんなこと思うんならわたしなんてどうしたら良いんだろう。
    うまく孤独にもなれなくて、自意識ばかりが肥大している他人を見て、「ねえ!?あなたは普通!普通なんだよ!!」って言いたくなる。それは自分自身に対しての言葉でもある。
    とてつもなくいたくて辛い。
    そんな惨めな思い、誰だってするのだろう。ただ、こうやってルソーのように明確な言葉になんてとてもじゃ、ないけどできない。

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    2013年04月12日
  • 女の一生

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    出てくるのがダメ人間ばっかりなんだけど、それがこの作品の魅力でもある。ラストが素敵ですね。
    描かれているのは主人公の生涯の一部、20年間ほどですが、タイトル(邦題)がしっくりきます。

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    2012年04月06日