永田千奈のレビュー一覧

  • 狂女たちの舞踏会

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    苦しくて辛いのに、ウジェニー、ジュヌヴィエーヴ、ルイーズにテレーズ、四人に言いしれぬ魅力が詰まっていて、ぐいぐい読んでしまった。

    思いもよらぬ終わり方、“ハッピーエンド”ではないのに、どこか、それに近いような穏やかさに満ちた終わり……印象的だった。

    途中、テレーズ(だったと思う)が「ここは決していい所ではないけど、ここにいる限り安全だ」というようなことを言っていたけど、すごく頷いてしまった。


    「ええ、確固たる信仰なんてもってはいけないのよ。物事も、自分自身についても何でも疑ってみることが必要です。疑問を大事にしなくてはなりません」

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    2023年04月01日
  • 椿姫

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    光文社のこの文庫は古典でもすごく読みやすい!

    恋愛ものはあまり読まないけれど、これはとても引き込まれた...アルマンしっかりして!マルグリットを信じて!って心から最後の辺りは思ってた笑
    知らず知らずのうちにマルグリットの人柄に惹きつけられていった。

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    2023年03月19日
  • クレーヴの奥方

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    恋は時間が過ぎれば冷めるもの、まして不倫の恋愛は害あって益なしと知ってる女性の、わかっているのにも求めてしまう恋の苦しさを、これでもかこれでもかと描いています。

    はじめは少々イライラもさせられるほどで、両思いなのに結ばれない、結ばれようとしない自制心の苦しみ、そんなに苦しむなんて無駄…とか、ヒロインの拒絶行動が、恋愛をいやがうえにも盛り上げているのじゃないか、とうがった見方までしてしまう。

    今や女性自身で考える自律が普通のことですけど、17世紀の女性の作家が16世紀のフランス宮廷を背景にしての状況ですから、先駆的でもあったのですね。なるほど、不倫の恋愛の苦しみ、究極の恋愛を描いたフランス心

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    2023年01月30日
  • 狂女たちの舞踏会

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    わたしにとってはひどくホラーだった。
    読み終えても恐怖心が抜けなくて頭がつらい。
    つぎはもうちょっと穏やかな物語を読みたい

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    2023年01月17日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    初めてのルソーでした。
    彼の哲学は個人的には少し共感もありました。
    自分の置かれている身にとっては、良い本に出会えました。
    ルソーという人物が知りたい方、初心者にはこの本が良いかもしれません。
    彼は繊細な方だという印象を受けました。
    訳が非常に分かりやすく、また読みやすかったです。
    光文社も初めてでしたが、これから躊躇なく手に取ろうとも思いました。
    なんか、ルソー可愛かったです。

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    2021年07月01日
  • 狂女たちの舞踏会

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    全体的にもっと長くてもよかったんではなかろうか。面白かっただけに、そして多くの今日的問題も含んでいるだけに。特に脱出劇は意外とアッサリで、え、ここもっとほしいなーと思ってしまった。

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    2021年05月06日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    さいしょはとても希望に溢れている人生が、不幸なことが重なり人を変えてしまう物語。
    それでも生きているだけジャンヌはえらいと思うし、よくがんばったと思う。旦那と息子に恵まれなかったが、最後にはすこし希望がうまれてよかった、、
    どうかジャンヌが些細な幸せを感じていられますように。

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    2020年10月04日
  • 女の一生

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    中学生の頃、こんなに面白い本があったのか!と思った女の一生。大人になって読んで、暗くて絶望しそうな内容だった。確か中学の頃は最後の場面に涙したのだが、今回はへぇといった感じで、感受性の強い時期の読書体験は貴重だったと思った。今は、何度も繰り返す展開の巧みさに気を取られてしまう。Une vieが ある命 とも訳せるという解説を見て、原語で読む人々は同じ本を読んでもまた違うことを感じるのだろうなと羨ましくなった。

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    2020年04月03日
  • クレーヴの奥方

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    ・フランス恋愛文学講座で取り上げられたのをきっかけに読みました。

    めっちゃ良かった!
    クレーヴ夫人の年齢など事前にお話しを聞くことができたりして、あの時代の結婚と恋愛は今とは違う。
    マヌール公とあのような結末になったけど、そうだからこそ今に残ったのかな。

    欲しいものは手に入れたら終わりなのかも。2人とも焦がれるような気持ちでずっといられてある意味しあわせだったかも。そういうのって時効があるから。

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    2019年10月29日
  • 女の一生

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    京都〜山形への新幹線で一気に読んだ。超おもしろかった。
    「アンナ・カレーニナ」のアンナも、この「女の一生」のジャンヌも(あと他にもいた気するけど」、テンション上がり下がり激しくて情緒不安定気味で美しくて無垢で無邪気で無知でなんか不幸。ヨーロッパの貴族って皆こういう感じなの?そんな彼女たちに共感して心寄り添わせることなんて普通に考えてできないんだが、何故か、できるんです。モーパッサンすごい。
    最初ジャンヌが恋に恋して、恋の歓びにおののく場面、素晴らしかった。読んでるだけで光が差してきそうだった。でも美しい場面だからこそ、だいたいのあらすじ分かってるからか、のちの不幸な人生との対比が際立ってしまっ

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    2019年07月18日
  • 女の一生

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    最後ハッピーエンドっぽい締めくくりだが、
    その後幸せに暮らしてそうな気がしない終わり方。
    過保護というか、世間知らずに育ってしまったことは不幸なのか。

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    2015年12月20日
  • 女の一生

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    厳格なカトリック主義に沿う生き方と、奔放で世俗的な生き方の絡み合いと対比。

    自然主義・多神教的な考えを持つお父さんが何故一人娘を厳格な教会付属の寄宿学校に入れてわざわざ貞淑な世間知らずに育てようとしたのか、そこが不可解でしたが、娘だからそうしたのであって、もしも一人息子を持っていたら別の育て方を選んだのでしょうか。

    性的に奔放な社会に強い嫌悪感を感じる世間知らずで純粋な主人公。素敵な男性と出会ってすぐに結婚しますが、ハネムーンから戻ると夫は本性を表します。結婚はどんどん悪い方向に転がっていき、最後には主人公は何も悪いことをしていないにも関わらず一人ぼっちになってしまいます。弱り切った主人公

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    2015年10月25日
  • 女の一生

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    確かに、モーパッサンが師事したフローベールの「ボヴァリー夫人」に似たところが多いのですが、受ける印象は違います。私としては、文章にハードボイルド小説のようなドライさを感じました。劇的なドラマがあるわけではなく、主人公・ジャンヌも決して感情移入しやすい人物造型ではないのですが、でも人生ってこんなものだよね。と、共感や同意できるところも多いです。若い世代にはピンとこないかもしれない老成した物語ですが、これが著者が33歳の時の作品と知り驚き。モーパッサンは他人より倍の速さで生涯を送った人なのかもしれませんね。

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    2013年05月31日
  • 女の一生

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    表題が、女の一生であれば、反面教師というか、読んでウンザリするような主人公ジャンヌの生き方が目に付く。
    ただ、原語のフランス語で題名を訳すと、そこには女とも男とも入らないらしい。つまり、ある誰かの一生。そう捉えて読むと、ラストの女中ロザリの台詞、なんて達観したつぶやきか!いっきに自分ごとかさせられる。
    捉え方ひとつで読み方がこんなにも変わる、古典の奥深いところです。

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    2013年03月17日
  • 女の一生

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    ジャンヌすごいかわいそうだけど、自分にも非があるから子どもがしっかり育つことはなかった。ロザリのことを何十年も経ってから許して、ロザリもものすごく献身的にジャンヌに取り組んでいるところはよかった。

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    2012年01月13日
  • 女の一生

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    読んでいる最中はジャンヌに感情移入して、不幸の人生を生きているかのように錯覚するが、読み終わってふと振り返ると彼女の人生はありきたりな人生である。
    ジャンヌが夫に浮気されたとき、激昂した彼女の父をなだめて牧師は言った「ねえ、皆同じようなことをやっているんですよ。だからといって、あなたの奥様が不幸だったとか、奥様への愛が減ったとか、そういう話じゃないわけでしょう」と。
    そのとおりなのだ、みんな間違えることはあるし苦労している。苦しくて苦しくて死にたくなるほどつらい出来事があったとしても、あとから思い出すとなんてことはない人生の一部である。

    彼女はささいな幸せを認められなかったのだ。夫とうまくい

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    2011年09月20日
  • 女の一生

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    自ら人生を切り開いて自由に生きている人間なんて、本当にいるのでしょうか。ほとんどの(本当はすべてと言いたいところですが…それは断定できないので)人間は、周りの環境や他人の影響によって、常に影響され、流されながら生きているのではないでしょうか。

    だからと言って、人生というものがなんてつまらないのだろう、とか、生きる意味なんてないのではないか、と言いたいのでありません。おそらくモーパッサンも、この長編小説を書きながら、彼自身はたいへんなペシミストではあると思いますが、人生の意味や、自分の中にある生きたいという気持ちの理由を見つけようとしていたのではないかと感じるのです。

    僕はむしろ、人生のそう

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    2011年03月20日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    この人の哲学は性善説とか有神論を前提にしてるからか、ピュアさがあって微笑ましい。
    僕はもうちょいネガティブだけど、性格的にはとても親近感があった。
    人から離れることで、逆に自分の存在がはっきりするような感覚とかを、ただ知覚するだけじゃなくて、言葉にして説明しきれるとこまで見つめられるのが思想家の強さだね

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    2025年05月12日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    本来は書かれている字句をしっかり受け止め、その字義を吟味して読むべきと思うが、時々頭をもたげてくる迫害妄想がそれを難しくさせた。
    この文章は正常な判断力をもって書かれたのだろうかと疑問を持ちながら、ある意味では精読を留保しながら読むのは非常に骨が折れた。正直あまり頭に入ってこなかった。

    一方で壮年期のルソーの事績や著作に興味をもつことができたので無駄な時間ではなかった。

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    2024年07月15日
  • 死霊の恋/化身~ゴーティエ恋愛奇譚集~

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     幻想奇譚と言えば良いのだろうか、本書に収録されているのは、理想的な美を体現する女性と、彼女たちへ猛烈な恋情を抱いてしまった男たちの悲劇的な思いを、豪華絢爛たる文章に乗せて描いた作品である。

    〇『死霊の恋』~高級娼婦クラリモンドと司祭ロミュアルド
     クラリモンドは吸血鬼で、最後には聖水をかけられ朽ち果ててしまうのだが、ロミュアルドは一緒に暮らした生活を思いきれないまま一生を過ごすことになる。

    〇『アッリラ・マルケッラ』~アッリラ・マルケッラとオクタヴィア
     ナポリの考古学博物館で、オクタヴィアンはポンペイから出土した美しい乳房の丸みと脇腹のくびれを持つ灰の塊に心を奪われる。友人たちと共にポ

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    2024年05月30日