永田千奈のレビュー一覧

  • 椿姫

    購入済み

    とても共感できました

    現役ホステスです。
    とても共感出来るところや経験したことあるなあという事が多々ありました。
    そして羨ましくも思いました。
    説明や解説も解りやすく読みやすいので、ぜひ現役ホステスさんに勧めたい一冊です。
    今も昔も男と女は根本が大して変わって無いからこそ現代でも愛される作品なのかなと思いました。
    今日もお仕事がんばります。

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    2021年03月28日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    久々に良い本読んだ…ありがとう…ありがとう… 対極のロザリとジャンヌ…ふたりともなんの判断も選択もないまま生きて来たけど偶然に2人とも変わっていく…
    ジャンヌが受身すぎるって酷評されてたけどでもちゃんと生きてないかな、って思った。ジャンヌしっかり自分の人生生きてるだろ…?って思いながら読んでた。つらいことがあってもそれでも。あとがきに私が言いたかったことが上手く書いてあったから引用すると、「そんなに簡単に自分の力でものごとを選択したりできないものじゃないか」っていうこと

    まぁ受け身と感じられなかった私にもちょっと問題あるのではとは思う。確かに夫がクズすぎるけれども、キリスト教社会でそう簡単に

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    2019年11月20日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    晩年のルソーが、
    故国フランスを追われ、社会から断絶された状況下で、
    過去の華々しい栄光と栄華を忘却の彼方に見ながらも、
    今を生きることの幸せと儚さを、独り言のように綴った日記のような書。

    人間不平等起源論や社会契約論を著して
    フランス革命思想に貢献したルソーが
    これほどに理不尽と思える仕打ちを受けるのか
    と思いたくなる。

    最後には革命軍によって、
    亡骸はフランス故国へうつされたようである。

    ルソーという人間がまたひとつ深く知れる書。

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    2019年05月01日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    開高健「任意の一点」という小説や三原順「ロングアゴー」を思い出した。

    叔母のリゾンが物語を通じて何度も現れる。ジャンヌは、最初は「かわいそうなリゾンおばさん」と見下していたのに、一緒に息子ポールに奉仕するのようになり、最後にはなぜ自分は愛されないのかとリゾンのように堕ちていくのが面白かった。
    同時に、常にリゾンの影がちらつくことで「ジャンヌは自分を不幸だと思っているが、リゾンより不幸ということはないでしょう」と読者に思い出させようとしているのかと思った。それはロザリがジャンヌを農民よりマシという趣旨のことを言って叱咤するのと同じ効果があるのかもしれない。

    ジャンヌも男爵もロザリも善良ではあ

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    2015年12月13日
  • 女の一生

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    なんという素晴らしい小説!世間知らずのお嬢様だったジャンヌが少女のまま眠りにつきふと我に返ると人妻になっていた、など表現が素晴らしく、自然描写も素晴らしい。結婚してケチな本性を現す夫や、逆に金遣いが荒くジャンヌにたかる最愛の息子の対比。あんなにも情熱的に恋したのに夫の本性を知り、現実を知り、冷めていくジャンヌの心理の変化。新訳で読みやすかったのかもしれないけど非常に良かった。この物語は冷めた両親と弟の放蕩ぶりをモデルに書かれたらしい。2012/405

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    2015年04月22日
  • 女の一生

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    恵まれた境遇で育てられた娘ジャンヌが、希望と期待を抱いて愛した男性のもとへ嫁ぎ結婚生活が始まる。しかし皮肉にも、そこから彼女の転落人生は始まった。

    リアリズム文学の名作として挙げられる本作ですが、これが『女の一生』であったら人生に匙を投げたくなります。
    女癖の悪い夫、心を通わせた友人、そして最愛の息子にさえ…。題名は『裏切り』でも良いのではと思うほどジャンヌには苦闘と絶望の日々が押し寄せます。薄幸な彼女がそれでも周囲に期待し、夢破れ打ちひしがれる姿に、もう可哀想すぎて読んでいられないと暗い気持ちになるか、悲劇のヒロインと化した主人公に好奇心すら湧き読み進めるかは読者によって異なるかと思います

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    2015年04月21日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    ルソーは、理性の時代を生きる人間としては、優しすぎた。直感的で、情け深い(そして妄想癖のある)ルソー。そんな「人間」ルソーの魅力を、本書が余すところなく伝えている。

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    2013年02月28日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    ここにいるのは人間ルソー。歴史上の偉大な人物ではなく、いや、でもありつつ等身大のルソーがいる。勘違いかもしれないけど、ここに書かれている感情、情動の多くは私でも体験したことがある。素晴らしい著作だなぁ。

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    2012年10月06日
  • 女の一生

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    ありふれた人生の惨めさ、滑稽さ。年齢をとってから読むと、それは笑えるし心安らぐし、救われる気がするから不思議だ。

    人生に夢見ていた主人公が現実に打ちのめされていく。しかし自分は不幸だと考える主人公だけでなく、登場人物すべてが現実の中でみっともなさを晒しながらも、それでも何とかギリギリ現実社会の中に踏みとどまって夢を抱き続けるのだ。
    自然主義文学の代表作と評されているが、リアリズムとは堅苦しいものではなく、現実社会の中でお互いに恥らいを持って知らないふりを決め込んでいる、人間のみっともなさをさらりさらりと描いてくれるのだ。
    良いことでも悪いことでも、何かが自分の前で起こるのは不幸ではない。それ

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    2011年05月10日
  • 食卓にきた犬

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    表現が難解だし、ひきこもり老夫婦の日常ストーリーなんだけど、何でかとても引き込まれたし、読後はすごく爽やかな気持ちになった。
    自然を愛するほど人間クソと思うのは良く分かるし、友達のような旦那に対する感覚も分かるなぁ。

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    2025年11月17日
  • クレーヴの奥方

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    ネタバレ

    「心理小説の祖」と言われる作品。16歳のシャルトル嬢がクレーヴ公に見初められ結婚するも、舞踏会で出会ったヌムール公に恋をする。夫の嫉妬と夫への道ならぬ恋の告白。若気の至りともいえる行動もあるが、葛藤の中で自分を律する彼女の姿は「純愛」とはかくも厳しく辛いものなのかと。強い恋心だからこそ相手の心変わりへの恐怖も相当だったかな? 一度きりの人生、自分なら……とも考えてしまった。冒頭から登場人物の説明で退屈だったが、ネット上にある相関図が細かく秀逸で読書の助けになった。終わってみれば第一部の説明が必須でした。

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    2025年10月19日
  • 女の一生

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    結構感動した
    作者は男なのに女の人生、考え方みたいな表現が緻密で美しいと思った
    原題はune vie で別に女の一生という意味ではない

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    2025年09月24日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    『孤独な散歩者の夢想』は、ルソーの徹底した自己内省が魅力である一方、読んでいて序盤は閉塞感を覚える。自分以外を信用せず、自分の考えはおおよそ正しいという前提で語られる世界は、対話の余地がなく、柔軟性に欠けている。深いメタ認知力はあるものの、他者の視点や思考の余白を認めず、思考が自己完結して硬直していく様は、高学歴で発達傾向のある人と会話しているときの「頭は良いが視野が狭い」という感覚に非常に近く感じた。
    本の中での説明に加えてルソーの人物像,置かれている状況,精神状態などの情報を加味すると自分ならどうなりそうか?と想像して読み進めました。
    一番印象的なのは第八の散歩です。ルソーが硬直的な思考か

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    2025年04月21日
  • 死霊の恋/化身~ゴーティエ恋愛奇譚集~

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    新訳版テオフィル・ゴーティエの「死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集」。「死霊の恋」「化身」「アッリア・マルケッラ」の3編を収録する。19世紀フランス幻想文学の雄ゴーティエは名作「死霊の恋」を新訳が出るたびに読んでいる気がする。それくらい好きだ。芥川龍之介の翻訳が最初だったか、岡本綺堂や田辺貞之助、青柳瑞穂版もあった。幻想と恋愛の融合がゴーティエの真骨頂である。「死霊の恋」は以前も書いたので、ここでは中編「化身」の話を。

    伯爵夫人に恋をした青年がインドの秘術を使って夫人の夫の魂と入れ替えてその身体を乗っ取る話だ。洋の東西を問わず怪しげな魔術はインドに限りますね。芥川龍之介の「魔術」か谷崎の「

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    2025年01月04日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    修道院寄宿学校を出たばかりの少女がすぐに恋に落ち結婚するお話。浮気をする(当時の19世紀フランスでは当然)旦那が死んでも幸せにはなれず、子供のみが生きがいとなる。甘やかして育てた子は最後まで自分の元には残らず絶望した日々を一度は追い出された女中ロザリが手助けしながら歳をとっていく。

    19世紀フランスでの中層階級以上における浮気は当たり前であるという背景を念頭におくと読みやすいかもしれない。

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    2024年10月30日
  • 京都に咲く一輪の薔薇

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    後半でようやくこの本の読み方に気が付きました。読み始めると不思議な感覚が押し寄せるために、懸命に字義だけを読み取ろうとしてしまいます。しかし、まずはその未知の感覚を受け止めた上で、頭の中で映像化すると非常に面白く読み進められます。
    こうした読書経験は初めてだったので、抜け出せません。

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    2024年09月29日
  • 狂女たちの舞踏会

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    時は19世紀場所は華やかなりしパリ。その中の女性患者のための精神病院が舞台の小説だ。主人公のウジェニーは家族に霊が見えると言ってしまったがためにこの精神病院に無理やり入れられてしまう。この時代、精神病患者の扱いは見せものに近く、酷い扱いを受けていた。ウジェニーは必死にそこから抜け出そうとするが…。というのが本書のスリリングなところ。この本はヴィクトリア・マスのデビュー作で、「高校生が選ぶルノード賞」も受賞しており、さらに映像化が決定している。映像化された時はぜひ見てみたいと思った。

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    2024年04月21日
  • 死霊の恋/化身~ゴーティエ恋愛奇譚集~

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    幻想小説はホフマンとゴーティエがお気に入り。
    前者は現実との境目が曖昧な幻想世界を描くのが抜群に上手く、さながら今流行りの拡張現実のよう。
    後者は描写が緻密(特に女性の)で、文章そのものに豪華絢爛な印象を受ける。
    この本では特に『化身』が面白かった。

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    2023年11月26日
  • クレーヴの奥方

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    ネタバレ

    色恋がフランス宮廷を支配しすぎててびっくりする。宮廷なら政略結婚の要素が強いのかと思っていたが、さすが愛の国。そしてだいたいみんなうわさ好きで口が軽い。人が簡単に死んでしまうのは医療が未発達なせいなのか。
    読んでいてクレーヴ夫人の好意に気づいてからのヌムール公がだんだんうっとうしくなる一方、クレーヴ夫人本人に対しては好感が増した。

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    2023年10月27日
  • 死霊の恋/化身~ゴーティエ恋愛奇譚集~

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    官能的で美しい文章。
    ちょいファンタジーもありつつ、恋に悩み苦しむ心情はとてもリアル。他の作品も読んでみたくなった。

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    2023年10月13日