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Posted by ブクログ
『パリ、女性差別に翻弄される狂女たちの足掻き』
19世紀末のパリを舞台に、「狂っている」と診断されて入院中の女性患者と看護婦が、父や恋人、医師など男性から受ける女性軽視の風潮の中でもがく姿を描く。100年ほど昔のパリが、これほどの女性蔑視社会だったことがとても意外だった。読み始めるとすぐに物語に引き込まれ、一気読みでした。
Posted by ブクログ
時は19世紀場所は華やかなりしパリ。その中の女性患者のための精神病院が舞台の小説だ。主人公のウジェニーは家族に霊が見えると言ってしまったがためにこの精神病院に無理やり入れられてしまう。この時代、精神病患者の扱いは見せものに近く、酷い扱いを受けていた。ウジェニーは必死にそこから抜け出そうとするが…。というのが本書のスリリングなところ。この本はヴィクトリア・マスのデビュー作で、「高校生が選ぶルノード賞」も受賞しており、さらに映像化が決定している。映像化された時はぜひ見てみたいと思った。
Posted by ブクログ
苦しくて辛いのに、ウジェニー、ジュヌヴィエーヴ、ルイーズにテレーズ、四人に言いしれぬ魅力が詰まっていて、ぐいぐい読んでしまった。
思いもよらぬ終わり方、“ハッピーエンド”ではないのに、どこか、それに近いような穏やかさに満ちた終わり……印象的だった。
途中、テレーズ(だったと思う)が「ここは決していい所ではないけど、ここにいる限り安全だ」というようなことを言っていたけど、すごく頷いてしまった。
「ええ、確固たる信仰なんてもってはいけないのよ。物事も、自分自身についても何でも疑ってみることが必要です。疑問を大事にしなくてはなりません」
Posted by ブクログ
全体的にもっと長くてもよかったんではなかろうか。面白かっただけに、そして多くの今日的問題も含んでいるだけに。特に脱出劇は意外とアッサリで、え、ここもっとほしいなーと思ってしまった。