【感想・ネタバレ】椿姫のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2022年06月26日

軽い気持ちで読み始めたら思いの外すごくよかった。アルマン……仕方のないやつ……。

解説に載っていて覚えておきたいと思った言葉。477ページ。
『ジャンルとしての小説には固有の知恵があり、その知恵は個々の小説家よりもすこしばかり聡明である。そしてこの「小説の知恵」に耳を傾けず、みずからの小説よりも聡...続きを読む明たらんとする小説家がいるとすれば、その小説家は職業を変えるべきだという。』

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Posted by ブクログ 2022年06月16日

19世紀、著者の実体験を元にした恋愛小説。金持ちを相手に享楽的な生活を送る高級娼婦が真実の愛に目覚める。

ズバリ泣ける話だ。冒頭からもう、悲劇のニオイがぷんぷん。一体何があったのかと興味を引く、聞き手を配して一人称で語らせる構造もうまい。エンタメの洪水に慣れすぎている現代人にとってはベタな展開とい...続きを読むえるかもしれないが、この手の物語の源流のひとつなのだろう。

父親によって諭される、恋愛における現実的な視点が痛烈。若いころは先のことを考えられなくなるほど燃え上がる情熱も、何年もたてばどうなるか。娼婦であるがゆえの社会的なハンデ。さらに家族の問題を出してトドメをさしてくるが、この父親は人格者であり読者も憎めないと思う。青年アルマンによって純粋な愛に目覚めた高級娼婦マルグリットがとる決断と行動。愛憎が絡み合うすれ違い。日記という形で伝えられる本心が、涙なしには読めない。清らかな愛は往々にしてお金の問題や社会という現実に押しつぶされるものだ。美しい心根を受容できないこんな世の中こそ、非劇の温床というべきだろう……。

作中では頻繁に「マノン・レスコー」が引き合いに出される。登場人物たちにとって重要な本であり、ネタバレもされてしまうので、本作の前に読んでおいたほうが良い。
さらに本作「椿姫」の光文社古典新訳文庫版は、翻訳者の違う2バージョンが存在するので注意が必要。今回は最新の永田千奈訳を選んだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月12日

悲恋です。

主役のアルマンと高級娼婦のマルグリットが出会い、激しく燃え上がる恋愛をし、一時的に穏やかな生活を送り、家柄の関係で引き裂かれ、生きている間に二度と再会できなかったお話です。
妹の婚約者であり、結婚相手が「彼らが仲たがいしないのならば妹とは結婚しない(=親族に娼婦がいるような家の娘とは婚...続きを読む姻しない)」と言い出したことが彼らの関係に終止符をうつ結果を生み出したところが憎らしいです。実質手を下したのはアルマンの父親でマルグリットが真実アルマンを愛していたこと、彼女が娼婦を生業にした過去があったとしても今は、たただひとりの男を愛する善良な女でしかないことを理解しても「別れてくれ」としか言えなかった現実にやるせなさを感じました。
マルグリットはアルマンと関係を解消した後、彼からひどい仕打ちを受けますが、それでも彼を憎むこともできなければ忘れられることもできません。病に侵されベッドの上でひとり、昼夜襲いくる息もできないほどの壮絶な苦しみを味わいながら再び愛した人が来てくれることを期待し待ち続けながら…この世を旅立ちます。
物語の後半は、このマルグリットの日記を呈した文章なのですが悲しい気持ちでいっぱいになり泣きながら読みました。

あまりにも切ない男と女の話でした。

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Posted by ブクログ 2021年09月27日

泣ける。マルグリットは悪女だ、という風に描かれることも多いけど、どちらかというと娼婦という人生を歩まないといけない女性が、その中でどうやって愛を貫くかのお話だった。
いつの時代も、相手にちゃんと話さないこと、ミスコミュニケーションにより起こる悲劇は鉄板だなと。意外と自分の人生でも起こるんだよなぁ。

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Posted by ブクログ 2021年07月26日

La Dame aux camélias.
アルマンとマルグリットの恋愛物語。
筆者がアルマンの話とマルグリットの日記を元にこの小説を書いているという設定。
二人の純愛と、高級娼婦という肩書の為にその関係が崩れてしまうという悲劇的な物語を書いている。読みやすく、いつの時代も変わらない男女の純粋な心が...続きを読む描かれている。マルグリットのモデルはマリ・デュプレシス。1824年にノルマンディーの貧しい家に生まれ、父にロマの一団に売られ、パリにたどり着き、高級娼婦となる。彼女は貴族に劣らない気品と教養を身に着けていた
。教養を与え、美意識を育てたのは彼女を見初めた青年貴族ギュッシュ公爵。かなりの部分が筆者アレクサンドルデュマフィスとマリ・デュプレシスの実話。本書の二人の手紙のやり取りなども、ほぼ同じ内容のものが確認されている。胸が熱くなる一冊。

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購入済み

とても共感できました

2021年03月28日

現役ホステスです。
とても共感出来るところや経験したことあるなあという事が多々ありました。
そして羨ましくも思いました。
説明や解説も解りやすく読みやすいので、ぜひ現役ホステスさんに勧めたい一冊です。
今も昔も男と女は根本が大して変わって無いからこそ現代でも愛される作品なのかなと思いました。...続きを読む
今日もお仕事がんばります。

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Posted by ブクログ 2023年03月19日

光文社のこの文庫は古典でもすごく読みやすい!

恋愛ものはあまり読まないけれど、これはとても引き込まれた...アルマンしっかりして!マルグリットを信じて!って心から最後の辺りは思ってた笑
知らず知らずのうちにマルグリットの人柄に惹きつけられていった。

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Posted by ブクログ 2024年02月01日

他作品に引用され登場したのを懐かしく思い、新訳にて再読。
読みやすく、分かりやすい訳にとにかく驚いた。
訳本にありがちな妙な言い回しがひとつもなく、美しく流れるような表現のおかげで、作品の純愛度が増したように思う。学生の頃は悲恋に憧れ、作品に没入した印象だったけれど、今回は違う選択をした場合、に興味...続きを読むがわいた。

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