中島梨絵のレビュー一覧
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夏休みの初日、目が覚めたらそこは体育館で、周りには同年代の少年、少女たちがいた。
着ぐるみを着た謎の人物が、集められた8人で劇を演じてもらうと言う。
閉じ込められた中で、8人の中学生は劇を演じることができるのか…。
なぜここに集められたのか?なぜ劇をするのか?
やらなければそこから出られないという状況で、反抗していても無駄だとわかり、演じる彼らたちが徐々に気がついていくのは、自分たちが誰かを傷つけていたことを知ることだった。
事実に目を背けては、何も変わらない。
人の痛みに気づかないで、知ろうともしないで大人になることは許さないと言われているようでもあった。
劇を演じながら彼らはそれぞれ何が正しかったのかを考えていたのだろう。
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ネタバレかがみの孤城を思いだすはじまりだと感じました。
なにか罪があるからそこに送られた。
自分を送った相手は誰なのか、罪とはなにか。
本当にここを抜け出せるのか、なぜ演技をするのか。読者も登場人物も考えることは同じだったはず。この台本もなぜこの内容なのか、この配役なのか。なぜ?がたくさん出てくる物語。
終盤に近づくにつれ、それぞれの罪が明かされていく。すると台本の意味がわかっていき
考えて行動する、ということを知るホノカたち。劇を終えた彼女たちは、成長し、相手のことも考えて行動できるように変わったのだなと思いました。
子供も大人も相手のことをもう一歩思いやる、ということが出来ないことがある。
老若男女問わず考えてみて欲しいなとおもう作品でした。
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とにかく笑えると噂を聞いていたので
お初の森見登美彦さん作品はこれにしたかった。
書簡体小説で文章が小難しいのかなぁなんて思っていたけどそんなことはなく、バラエティに富んでいて、ユーモアの溢れる文章で飽きることがない。
守田一郎目線の手紙だけでこれほどまでに登場人物の性格を表現し、また物語の情景が目に浮かぶとは…
構成や巧みな表現、森見さんの技術には感服!
やはりなんといっても”守田一郎”のどこか憎めない滑稽さがポイントなのだろう。
毎度違う、宛名と署名の書き方。これには幾度となく笑いがこみあげた。
とは言え、なんだかんだ言っても
文通武者修行で培った技術の成果
集大成となる最後の伊吹さんへの手紙は結構胸にグッとくるものがあり、心打たれた。
愛すべき守田一郎、これからも応援したい -
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あかりのお母さんは病気で死んでしまっていた。お父さんと二人暮しだけど、お父さんには恋人がいるらしい。
由香の家は親が離婚していて、お母さんと暮らしているけど、父親が養育費をたくさん払ってくれて、由香はヴァイオリンのレッスンを頑張っている。
桃子は美人でモテるけど、空手一筋。誰とも付き合うつもりはない。
三人はフツーじゃない。でも、お互いを干渉せず、ベタベタ気を使い合う関係ではなく、悪友としていつも一緒にいる。家族の悩みも恋の悩みも打ち明けないドライで気軽な関係。
そんな三人が、小学校最後の思い出作りにチアダンスをする事に決めた。でも、三人の気持ちにズレが出てきて、チアダンスもうまくいくかどうか。
家庭の事に、友達とのこと、自分のやりたいこと…三人の成長物語。 -
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どこかすでに拗らせている小中学生の物語を書くのが上手、草野たきさんは。今回は仲良しでもない、親友でもない、悪友だよね、とそれぞれが言い合う3人組のはなし。
幼い頃に母親を亡くし父一人子一人で生活しクラスのイケメンに恋心を持ち、父親には若い恋人がいるのかもしれないと悶々するものの、悪友には相談できない、ほんとうは親友が欲しいなと心の中で思うあかり。両親が離婚し父の慰謝料と養育費で常に家にいる母と暮らしながらバイオリンを習いドイツに引っ越すことが決まっている由香。美人でスタイルも良く男の子からたくさんの告白とラブレターをもらうも、振られるの分かっててコクって来るなんてみじめな奴ら、と吐き捨て、げっぷはするわ口は悪いわ男の子みたいなショートカットで空手を習い、母親が傷つくからという理由で顔に自傷する桃子。それぞれがかかえる闇と闘いながら小学校最後の思い出づくりという名目で、悪友3人がやるにはらしくなさすぎるチアリーダーをはじめることになる――。
という物語です。ラストもちょっとひねくれていて、かわいい。でもいまどきの小学生ってこんなにおませさんなのかなぁとも思ったりしながら楽しく読ませていただきました。 -
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亡くなった父の「遺志」を継ぐようにと、生まれたときから言い聞かされ続け、親戚の中での「末っ子」として、期待を裏切らないように生きてきた中2の明良。言われたとおりに父の得意だったバスケをやり、父のような医師になるために勉強してきたが、自分の本当にやりたいことに気づいてしまう。
自分のことでいっぱいいっぱいの少年の、思春期の葛藤が描かれている。自分だけが仮面をかぶってムリをしているつもりだった彼が、周囲の人たちの「素顔」に気づくようになる成長の様子が、ほほえましい。(当人にこんな言い方をすると怒られるだろうけど。) 母親のずるさは生きていくための知恵でもあるし。腹の据わり方は見事。 -
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草野たきさんの作品はちょいちょい読んでます。
これも草野さんらしい作品でした。
なんか、ほとんどの主人公がひねくれてる気がします
性格が悪かったり、なんかとっつきにくかったり。。。
医者になれ、という遺言どおりに医者を目指す明良。
若くして夫を亡くし、良き妻であろうとする母。
家事をなんでもこなす兄、和也。
の、三人家族。そして絡んでくる親戚。
弱小バスケ部のキャプテンとして奮闘する明良だが、心の中ではよわっちい部員を、ださい仲間を嘲笑う明良。
そこでとてつもなくバスケのうまい小杉がやってきて、嬉々とする明良。コーチに小杉とともに見出され、ひいきされているのがうれしい。だけどそのうれしい気持ちを悟られたくなくて、ださい仲間である部員と一緒になって小杉を影で笑う明良。
そんななか兄ちゃんの悪事を隣のクラスのカワイイ女の子に目撃され、おばあちゃんから仰天告白され、家族崩壊、部員崩壊の危機!
だけど家族から優しい言葉をかけられ、ださい仲間は自分を待っていてくれている。女の子ともちょっとずついい感じになり、ハッピーエンド、って感じ。
性格わるいです明良くん。自分でも言ってたけどかなりの勘違いヤローです。 -
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中2の男子バスケ部キャプテンの明良が主人公。 周囲の医者になれという期待を受け、いい息子、いいキャプテンを演じているが、女子から、兄が万引きをしていると聞かされてショックを受ける。部活の方も型破りな転校生が入部したことからギクシャクし始め、いろいろなことがうまくいかなくなってくる。 明良が尊敬していた兄、把握していると軽んじていた仲間は思っていたようではなかった。戸惑いと困惑、そして苛立ち。 そんな明良に変わるきっかけをくれたのは意外にも… 今回、さわやかな成長話で、ポプラ社の本らしいなぁという感じ。 でも、草野たきさん、やっぱり一度大人、せめて大学生主人公で読んでみたい。届かないかなぁ、この気持ち。