中島梨絵のレビュー一覧
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中学生の明良は母と大学生の兄の3人暮らし。明良が生まれたその日に、父親が事故で亡くなってしまった。
その父の願いや周囲の期待を背負い、父と同じバスケットボール部に入り、父と同じ医者を目指していた明良。しかし、バスケの魅力を体で感じ夢中になっていくうちに、新たな夢が生まれていた。
それでも優しい兄や、女でひとつで自分達を育ててくれた母、親戚のためにその夢は自分の中にひっそりとしまって過ごしていた明良。ところが信頼していた兄に関する「あること」をきっかけに、今までの生活はほころびを見せ、ついに気持ちを爆発させる明良。家族はバラバラになり、バスケに対する情熱も失ってしまう…。
明良は、家族は、バスケ -
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夏休みの初日、目が覚めたらそこは体育館で、周りには同年代の少年、少女たちがいた。
着ぐるみを着た謎の人物が、集められた8人で劇を演じてもらうと言う。
閉じ込められた中で、8人の中学生は劇を演じることができるのか…。
なぜここに集められたのか?なぜ劇をするのか?
やらなければそこから出られないという状況で、反抗していても無駄だとわかり、演じる彼らたちが徐々に気がついていくのは、自分たちが誰かを傷つけていたことを知ることだった。
事実に目を背けては、何も変わらない。
人の痛みに気づかないで、知ろうともしないで大人になることは許さないと言われているようでもあった。
劇を演じながら彼らはそれぞれ何 -
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ネタバレかがみの孤城を思いだすはじまりだと感じました。
なにか罪があるからそこに送られた。
自分を送った相手は誰なのか、罪とはなにか。
本当にここを抜け出せるのか、なぜ演技をするのか。読者も登場人物も考えることは同じだったはず。この台本もなぜこの内容なのか、この配役なのか。なぜ?がたくさん出てくる物語。
終盤に近づくにつれ、それぞれの罪が明かされていく。すると台本の意味がわかっていき
考えて行動する、ということを知るホノカたち。劇を終えた彼女たちは、成長し、相手のことも考えて行動できるように変わったのだなと思いました。
子供も大人も相手のことをもう一歩思いやる、ということが出来ないことがある。
老若男 -
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とにかく笑えると噂を聞いていたので
お初の森見登美彦さん作品はこれにしたかった。
書簡体小説で文章が小難しいのかなぁなんて思っていたけどそんなことはなく、バラエティに富んでいて、ユーモアの溢れる文章で飽きることがない。
守田一郎目線の手紙だけでこれほどまでに登場人物の性格を表現し、また物語の情景が目に浮かぶとは…
構成や巧みな表現、森見さんの技術には感服!
やはりなんといっても”守田一郎”のどこか憎めない滑稽さがポイントなのだろう。
毎度違う、宛名と署名の書き方。これには幾度となく笑いがこみあげた。
とは言え、なんだかんだ言っても
文通武者修行で培った技術の成果
集大成となる最後の伊吹さん