為末大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書を読んで、言葉の力を改めて実感することができました。言語になっていることで、思考や行動に変化を生み出せることや、言葉の使い方次第で体の挙動を理想の形に近づけることができることがすごく良く分かります。
このお二人の会話は、とても興味深く、私はいつまでも聞いていたい。
為末さんは、みなさんご存知の陸上ハードル競技で日本の代表選手として活躍した方です。アスリートの多くは専属のコーチをつけて、自らの技をより高みに押し上げるスタイルをとってますが、為末さんはコーチをつけずにセルフコーチングで自らの体を鍛錬してきた人です。言葉の選び方、使い方を意識して活用することの大切さを語ってくれています。運動のできない私にもとてもわかりやすく語ってくれています。とても面白く、小説で得られるような高揚感も不思議と感じた一冊です。 -
Posted by ブクログ
動きを描写する方法でいちばんいいのはことばなのです。
気になるのは、以下です。
■ことば
・同じことばでも、学習者のレベルによって有効である場合と、ない場合があります。
・コーチングのうまい人は、学習者のレベルによってどのようなことばが的確かを直観的に判断し、巧みにことばを使う人が多い。
・映像では情報量が多く正確すぎ、人間の処理できる能力を超えてしまっている。ことばは、いちばん大事なところをスポットライトを当てることができるので、表現方法としては、いちばん適しているのではないか。
・人間の認識や認知にはくせがあり、同じものを見たり、同じアドバイスを受けても、受け取り方が人によって異なると感じるようになりました。
・受け取る人の認識を想像しながらことばを選ばないと、同じ動きを引き出せない。
・ブレイクスルーは、体験によって、このことか!と分かった瞬間に起きます。
■ことばと身体
・リズムは身体の動きに不可欠です。なぜなら、動きは、身体の部位が連動していくことだからです。
・スポーツの世界では、身体の連動のイメージには音声のほうが向いていて、方向性や軌道のような視覚的イメージはことばのほうがふさわしい
・システムを自分で考えて構築していくという過程があるからこそ、仮に実体がない概念的なことばを聞いても、実体のあることばとの関係の中で理解することができるのです。
・そのように理解したことばこそ、自分の知識の一部となり、身体の一部になります。
・ことばには余白があるから、伝えやすい。余白がたんさんある。つまり聞き手が自分で考え、解釈する余地がたくさんあるということです。自分で考え、解釈した情報は知識となり、身体の一部となりやすいのです。
■言語能力
・言語化するというのは、見たものそのままを言語で表現することではなさそうです。
・相手に、自分が見たものとまったく同じものを思いうかべてもらうことを目的としているとしても、実際には見たものそのままをことばで表現しているとは限りません。
・そもそもことばというのは2つの種類がある
1つは、認知的な意味合いで情報を伝える役割をもったもの
もう1つは、感情を伝えることば
・ことばというのは、おもしろくて、抽象度の階層があるわけです。
・あることを細かい粒度でいうこともできるし、それよりももっと粒度を粗くして、抽象的にいうこともできる。
・言語能力とは、「どのように伝えれば相手がこちらの意図を理解できるか」を推論する力だと思います。
・おなじことばを話していても、コモングラウンドが違うと伝わらない
・コモングラウンドとは、ある単語を行ったり、聞いたりしたときに、同じ対象、同じ意味を思いうかべることができたり、同じ文を行ったり聞いたりした時に同じシチュエーションをイメージできるかという認識の共通の枠組です。
・文章を読んでわかる、理解するということは、結局、このメンタルモデルをつくるということでそれができない子どもが非常に多い。メンタルモデルとは、状況を心の中で組み立てたイメージのこと
■熟達
・客観的に動きを眺めるということは、連続する動きの中で、ある点を捕らえて言語化するというプロセスが必要となるのですが、それができるには別の能力が必要となります。
・身体はすべて関係しあっているので、起こしたい動きを間接的に狙ったほうがうまくいくこともある
・毎回異なる状況に対して、同じ結果を出せる。つまり状況への対応能力、調整力が高いということが、熟達したということではないでしょうか。
・ことばはきっかけづくりとして使用されますが、技術習得の過程への影響はあまり大きくはありません。
・コーチの役割は4つ
教える
そのまま伝える
揺さぶる
気づかせる
・できるようになるとは、同じ事が繰り返してできるようになるということではなく、違う条件に対応できるということです
■学びの過程
・学びの過程
①最初は反復しかありません
②無意識にできるようになる
③無意識にしまい込んでいた身体の動きを改めて引き出し、意識的に改善する
⇒細かい動きを意識しすぎると、過剰に動きを意識してしまいへたになってしまいます
⇒意識するとギクシャクし、意識しなければ、動きが改善されない
④意識的に練習するときと、無意識に練習するときに、分けていた
⇒局部だけに集中すると全体が見えない
⑤局所で技術を改善すると、それによって変化した全体のバランスを取り直す
・新しいことを学ぶと、これまでできていたことができなくなる、あるいは混乱する
・達人になれる人というのは、自分が、何をわかって、何をわかっていないかを明確に判断できるということが非常におおきい
・ICAPモデル:情報を深くする
① Passive 受動的 聞いているだけ
② Active 能動的 メモや付箋をつける
③ Constructive 構成的 新しい情報と既存の知識が関係づけられる
④ Interractive 双方向的 対話によって複数の人と新しい知識を構築する
学びで大事なことは、学び方の学び
もくじ
はじめに 為末大
1章 ことばは世界をカテゴライズする
2章 ことばと身体
3章 言語能力が高いとは何か
4章 熟達とは
5章 学びの過程は直線ではない
おわりに 今井むつみ
ISBN:9784594095796
出版社:扶桑社
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:950円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月01日 -
Posted by ブクログ
為末さんは男子400メートルハードルで日本記録を叩き出したアスリートです。2012年に現役を引退し、会社経営やスポーツコメンテーターとして活躍している。
為末さんのスポーツ解説を聞いていて、興味を持ち書籍を購入した。
本書は、為末さんがコーチを付けずに一人で競技者として過ごしてきた経験談を知ることができるもので、目標をどのように設定するのかとか、自分との向き合い方とかを的確な言葉で語っている。これは、仕事・ビジネスにも通じるものがあると感じられた。特に
partⅡ「わたし」の心をつくるもの
では、学びになる言葉が多く、整理して私のチームメンバーに共有しようと考えている。本書以外にも書籍はあるようで、書店にいった際には他の書籍も確認したい。 -
購入済み
努力は必ず報われる、成功しないのは努力不足だ、と多くの人が信じ続ける呪縛を解きほぐしてくれる諦めるための本
諦めることは逃げることで負けだなどマイナスの意味を持つ人は多いと思う
でも作者は手段は諦めても目的は諦めなくていい、自分に向いていない分野に執着することより諦めて自分が飛躍できる分野に移ればいい
スポーツで活躍していた作者だからこそ諦めるということにいっそう抵抗はあったにちがいない
そんな作者からの言葉は説得力がある
自分で自分をがんじがらめにしてしまう人におすすめしたい本です -
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近年脚光をあびている「アンラーン」を解説した書。さくさくとよめました。
学習とは、どんどん知識や情報をプラスにしていくこと、それによって思考の力を高めていくことです。そのプロセスの中で、インプット以上に大切なことがあります。それが「アンラーン」といっています。
アンラーンとは、これまで学習したものを取り去って新しい学習を行うという意味ではなく、これまでに身に着けた思考のクセを取り除くことです。
経済学者である柳川範之氏がビジネスを対象としてみたアンラーンと、為末大氏がスポーツのスキルとして捉えたアンラーンが具体的な例として描かれています。
これまでの学習をし続けていくと、新しい環境で行き詰ってしまいます。これを防ぐのがアンラーンです。
アンラーンが本当に必要なのは、何かの学びを得ていて、それなりの成功体験を持っている人です。
アンラーンは、アメリカのビジネス界で注目されている手法で、「いったん捨て去る、取り外す、忘れる」といった意味です。身についた変なクセを直すというイメージです。それをクセのない、ニュートラルな状態へもどすです。一からすべてを忘れて学び直すわけではありません。
目次は以下です。
はじめに 大人にこそ不可欠な「新しい学び」アンラーン
Chapter1 学びの質を高める方法 アンラーンとは何か
Chapter2 実践アンラーン 自分を「新しく学べる状態」に整える方法
Chapter3 アンラーンを阻む7つの壁と、乗り越え方
Chapter4 「アンラーン」を人生とキャリアの武器にする方法
あとがきにかえて 僕たちがアンラーンに「前のめり」な理由 -
Posted by ブクログ
一生涯学ばないと生きていけないと言われている100年時代。
学びよりも今持っている思考や慣習をあえて捨てる、アンラーンが必要になります。
いつもこうしてるから、やったことがないから、今まで積み上げてきたものがある...
これらは成長を止め、変化に適応できなくなる原因になります。
自分を客観視して、一旦思考の癖を取り除くことで、新たな考えやスキルが入ってきます。
水がいっぱい入った桶は水を捨てた分、新しい水を入れることができます。
そんなイメージで、手放す⇄入れるを繰り返すことを小さく続けていくことが今を生きるポイントなんだなと思いました。
良書です! -
Posted by ブクログ
遊びの中ではルールの変更は自由にできる。ちょっと約束事を変えてみたりすることで、別の楽しさ、別のワクワク感が生まれてくる。新しい可能性が見えてきたり、新鮮な発見がある。本書より抜粋。
楽しく遊ぶ、夢中になって遊ぶ。大人になってから難しくなったように思う。本来は、遊びとは自由であり、ルールを好きに変えて思いのままに楽しめばいいんだ、と思える。大人になるにつれて、何かにつけて意味や意義が先行して、自由から遠ざかってしまっていたのかも。
運動について、日本では小さいころから競技を絞り込むが、海外ではいろんな競技を体験しながら体の使い方を覚えていく、にも納得と共感。