高木彬光のレビュー一覧

  • 白昼の死角

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    金融詐欺をテーマにした小説で、先が気になって、ぐいぐい読めた本です。最後も鮮やかです。映像化できそうなくらい、と思ったら過去にしてるんですね。

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    2025年09月20日
  • 新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選

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    ネタバレ

    推理小説のなかでも「読者への挑戦」に特化した犯人当てアンソロジー。今後シリーズ化されるようなので楽しみが増えた。

    【◯看破 △引き分け ×お手上げ】

    ×高木彬光「妖婦の宿」
    名作とは聞いていたが自分にはピンとこなかった
    気づかない伏線があったのかな

    〇坂口安吾「投手(ピッチャー)殺人事件」
    イージー

    △土屋隆夫「民主主義殺人事件」
    冒頭の横読みは気づいたが犯人を間違えた

    ×江戸川乱歩「文学クイズ「探偵小説」」
    穴埋め問題。昔に流行ったらしいが目新しさがあった

    〇飛鳥高「車中の人」
    イージー

    ×佐野洋「土曜日に死んだ女」
    部屋に、足が引っかかるほどのガス管が?

    ×菊村到「追悼パー

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    2025年09月13日
  • 検事霧島三郎

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    「前の二人の女の殺害は、竜田弁護士の犯罪だと見るのがいちばん妥当だろう。最初は痴情、そして次には、女の口から自分の秘密がばれそうになったので、恐怖のあまりにと考えれば理解できないこともない。もちろん、ほかに犯人がおり、ほかの動機で殺人をやったと考えられないでもないが、いままで捜査本部が努力しても、ほかの線は考えられなかったんだ」

    「あなたは完全に、彼にだまされていたのです。いや、われわれもつい最近まではだまされていたのですが、僕の推定に間違いがなければ、彼は第一、第二の殺人に対しても真犯人だったでしょう。本間春江、鹿内桂子、この二人の女を手にかけたのも、彼のしたことだったでしょうね」

    「慎

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    2025年09月12日
  • 密 告 者

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    「貴様が新製品の秘密をねらっているスパイだ――と、僕に密告したものがいる。僕はまさかと思った。学生時代にあれほど親しかった友人が、こんなことで、計画的に、僕を裏切るとは信じられなかった……しかも、金のことは言いたくないが、その面でも、君は僕に対して、いささかの恩義は感じていいはずだ……その恩を仇で返すような男だとは、まさか思っていなかったがね」

    不況で会社をくびになった瀬川は、かつての恋人からセールスマンの仕事を紹介された。ところが、営業成績が思うにまかせぬある日、化学会社を産業スパイせよと命じられる。なんとか潜入に成功したが、自分を手引きした男が絞殺されて容疑は瀬川に……。 資本主義社会の

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    2025年08月28日
  • 白昼の死角

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    ぐいぐい読ませる筆力と精緻なストーリー展開。
    令和のこの時代でも色あせることのない展開は発表当時は今以上の衝撃的な作品だったんではないか。
    退屈な印象の表紙が残念。

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    2025年05月08日
  • 呪縛の家 新装版

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    ネタバレ

     没落した新興宗教・紅霊教の教団本部で起きる二重密室殺人を始めとした連続殺人、それらを示唆する不気味な予言の数々、名探偵神津恭介&松下研三のコンビに『読者への挑戦状』など古き良き本格ミステリーの魅力に溢れた作品で、神津恭介が犯人の恐るべき智略に苦戦しながらも事件を解決する場面にカタルシスを感じたかと思いきや、ラストで明かされる黒幕に思わず呆然としてしまった…

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    2025年03月28日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    名探偵神津恭介デビュー作「刺青殺人事件」。なんとも懐かしく素晴らしい。先日横溝正史読んだら読みたくなったのだ。占い師に小説家に向いていると言われて初めて書いた作品を江戸川乱歩に送り、乱歩に絶賛されて出版された高木彬光の処女作。

    内容はこんな感じ。刺青彫りの名人彫安の娘、背中に大蛇の刺青が彫られた野村絹枝。彼女のもとを訪ねた元軍医の松下研三は鍵のかかった浴室で、胴体のない絹枝の死体を見つける。胴体のないバラバラ密室殺人の謎を神津恭介が解き明かす!という内容です。


    古き良き時代の本格探偵小説の典型といいますか。ワトソン役の松下研三は南方帰りの元軍医で、後に執筆活動も務める、まさにワトソンと同

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    2025年02月11日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    見事な大蛇の刺青を背負った女が浴室で殺害される。しかし、刺青を施した胴体だけが消えていた。
    刺青に異常な執念を燃やす博士、大蛇の女に魅了される男達、蛙・蛇・ナメクジの三すくみの呪い、と妖艶な雰囲気に浸れる作品でした。

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    2024年11月08日
  • 邪馬台国の秘密 新装版

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    急性肝炎にかかってふたたび入院を余儀なくされた神津恭介。またしても退屈を持てあました恭介は、今回は邪馬台国の所在に挑む。『成吉思汗の秘密』に続く歴史推理の第二弾。

    本書のゴールは「邪馬台国はどこにあったか」というシンプルなもので、無理のない文献解釈と自然地理学的観点からの推理を中心に、「中学生にもわかるような明快簡潔な答え」を導き出す。

    また推理するにあたって、
    ①『魏志・倭人伝』に改定を加えないこと
    ②原文の地名や国名を現在の地名と勝手に結びつけないこと
    を前提としているのが特徴的。

    専門的な知識は持ちあわせていないが、従来の研究において「南」を「東」に置きかえたり、古代中国語の音訳に

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    2024年05月11日
  • 神津恭介、密室に挑む

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    密室をテーマにした事件を集めた短篇集。「白雪姫」「月世界の女」「鏡の部屋」「黄金の刃」「影なき女」「妖婦の宿」の六編を収録。

    なかでも「影なき女」と「妖婦の宿」が秀逸で、とくに「妖婦の宿」はたくみなミスリードと思い込みを利用したトリックが見事。

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    2024年03月13日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    背中に大蛇丸の刺青を彫った女が密室となった浴室で殺され、しかもその胴体はどこかに持ち去られていた。明智小五郎、金田一耕助とならぶ日本三大探偵のひとり、神津恭介のデビュー作。(しかしその登場は終盤まで焦らされる)

    刺青に魅入られた医学博士や女の情夫、刺青にまつわる迷信など、戦後間もなくという時代とあいまって妖しく耽美的なストーリー。

    ちなみに、本バージョンは大幅に書き直されて1953年に刊行された改稿版。1948年に刊行された初稿版は、『初稿・刺青殺人事件』として扶桑社より出版されている。

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    2024年03月13日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    マジでやられたミステリ リスト作品

    いにしえの単行本を持っていたけど通読する前にやむなく処分してしまった悲しい記憶があるタイトル
    内容についての記憶は全くない
    「イレズミ」じゃなくて「シセイ」

    高木彬光作品は「破戒-」「人形-」に次いで3作目
    読もう読もうと思っているうちに積読が角川版、扶桑社版、光文社版、の3冊になる

    読みやすそうな光文社をチョイス

    〜ざっくりあらすじ〜
    刺青を剥ぎ取られた死体が!同様に2人目の犠牲者が!

    〜感想〜
    二十章の構成
    まず第一章から、読んでいて快感を覚えるほどの文章力
    刺青への興味がそそられる

    気づいてしまったが、作中に!は出てくるけど?は無い
    筆者の

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    2024年03月12日
  • 人形はなぜ殺される

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    マジでやられたミステリ リスト作品

    高木彬光を読むのは「刺青-」「破戒-」に続いて3作品目、だと思う。刺青は古い単行本を持っていたのに手放してしまったのが今でも悔やまれる

    初出は1955年、70年前
    この角川文庫化ですら1974年、ちょうど50年前
    手元にあるのは新版、初版1995年、30年前
    100年間は評価されそうな作品

    刺青と同じく神津恭介シリーズだけど、あっちは激古単行本だったのもあり、正直言って途中で投げた
    実質、初めての日本三大探偵の神津恭介!

    〜ざっくりあらすじ〜
    人形が殺され(斬首、バラバラ、刺殺)るたびに人間も殺される


    〜感想〜
    まず文章がスラスラ問題なく読めると

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    2024年03月05日
  • 邪馬台国の秘密 新装版

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    名探偵神津恭介がベッド上で邪馬台国の場所を推理する『成吉思汗の秘密』の様な歴史物。アチラと違って採用された文献が史書の執筆で名高い(信用できる情報しか載せない)陳寿の『魏志倭人伝』。更に推理する側がルールを定めているので正統派ミステリーとして楽しめる。
    近畿か九州かに大別されるが読んでいると本書の理屈(結論については読んで頂きたい次第)が合っている気がする。

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    2023年10月05日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    怪奇ものの抗いがたい危うい魅力を纏いながらも、新しい時代に向かう論理的展開を中心に据えた作品。
    密室が解けることにより、犯行現場を誤認させるという心理的トリックが見事。
    ほかにも見せつけるようで隠し、隠しているようで見せつけるといった表裏一体の仕掛けを乾板の陰画と陽画に重ね合わせた暗示も素晴らしい。

    犯罪の遺伝的側面やファイロ・ヴァンス風の心理的分析により容疑者を排除していく手法など現在の本格では好まれない部分もあるがかえって本書に時代めいた怪しさを付与するスパイスになっている。

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    2023年03月31日
  • 呪縛の家 新装版

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    ネタバレ

    す…すごかった…。

    解決編の後にまた解決がある感じですね。
    最後はちょっとゾワリとしました。
    結果遺産も好きな女も手中におさめるという…ブルブル。

    文章が古いかと言われれば現代とは違うんだけど、でも全く読みにくくはない。
    途中で作者の心の声がダダ漏れ出るのも面白くて、楽しく読みました。

    しかし挑戦状が2回もあるとは。そして挑戦状の文面がめっちゃ挑発的。特に2回目!
    さすがにもうわかるっしょ!!ねぇ!っていうね!

    わかんなかったよ!!笑
    また機会があれば続き読みたいです!!

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    2023年03月20日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    古い作品なので、読みにくそうだなぁと勝手に思い長い間詰んでありました。
    しかし読んでみるとほとんど読みにくさはなかったです。

    犯人はこの人かなぁ?と思いましたが、トリックは最後までわからずでした。
    わかった時はあぁなるほどねぇと唸ってしまいました。
    思い込みって怖い笑

    密室のトリックがそこまで重要視されていないのも個人的には高評価でした。


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    2022年10月13日
  • 「横浜」をつくった男~易聖・高島嘉右衛門の生涯~

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    こんな人がいたこと自体知らず…高島町を利用してただなんて。
    ただ開港に絡んだだけではなく、明治という激動の時代に、易学を極め、その後の戦争の艦隊撃破のアドバイスまで。。。すごい人だ

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    2022年06月08日
  • 成吉思汗の秘密

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    源義経と成吉思汗が一人二役だったのでは、と推理して行く異色推理。
    義経もジンギスカンも詳しくないけど、分かり易く要所要所が説明されているので歴史としても面白かった。

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    2022年04月09日
  • 神津恭介、密室に挑む

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    神津恭介シリーズ。短編集で過去に読んだものもあったが楽しめた。表題通り密室トリックがメインであるが、トリック自体は単純でも、それが解けたところで犯人がわかるわけではない、人ひねり入れてくるところが作者のうまさを感じられた

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    2022年01月12日