高木彬光のレビュー一覧
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ネタバレ推理小説のなかでも「読者への挑戦」に特化した犯人当てアンソロジー。今後シリーズ化されるようなので楽しみが増えた。
【◯看破 △引き分け ×お手上げ】
×高木彬光「妖婦の宿」
名作とは聞いていたが自分にはピンとこなかった
気づかない伏線があったのかな
〇坂口安吾「投手(ピッチャー)殺人事件」
イージー
△土屋隆夫「民主主義殺人事件」
冒頭の横読みは気づいたが犯人を間違えた
×江戸川乱歩「文学クイズ「探偵小説」」
穴埋め問題。昔に流行ったらしいが目新しさがあった
〇飛鳥高「車中の人」
イージー
×佐野洋「土曜日に死んだ女」
部屋に、足が引っかかるほどのガス管が?
×菊村到「追悼パー -
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「前の二人の女の殺害は、竜田弁護士の犯罪だと見るのがいちばん妥当だろう。最初は痴情、そして次には、女の口から自分の秘密がばれそうになったので、恐怖のあまりにと考えれば理解できないこともない。もちろん、ほかに犯人がおり、ほかの動機で殺人をやったと考えられないでもないが、いままで捜査本部が努力しても、ほかの線は考えられなかったんだ」
「あなたは完全に、彼にだまされていたのです。いや、われわれもつい最近まではだまされていたのですが、僕の推定に間違いがなければ、彼は第一、第二の殺人に対しても真犯人だったでしょう。本間春江、鹿内桂子、この二人の女を手にかけたのも、彼のしたことだったでしょうね」
「慎 -
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「貴様が新製品の秘密をねらっているスパイだ――と、僕に密告したものがいる。僕はまさかと思った。学生時代にあれほど親しかった友人が、こんなことで、計画的に、僕を裏切るとは信じられなかった……しかも、金のことは言いたくないが、その面でも、君は僕に対して、いささかの恩義は感じていいはずだ……その恩を仇で返すような男だとは、まさか思っていなかったがね」
不況で会社をくびになった瀬川は、かつての恋人からセールスマンの仕事を紹介された。ところが、営業成績が思うにまかせぬある日、化学会社を産業スパイせよと命じられる。なんとか潜入に成功したが、自分を手引きした男が絞殺されて容疑は瀬川に……。 資本主義社会の -
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名探偵神津恭介デビュー作「刺青殺人事件」。なんとも懐かしく素晴らしい。先日横溝正史読んだら読みたくなったのだ。占い師に小説家に向いていると言われて初めて書いた作品を江戸川乱歩に送り、乱歩に絶賛されて出版された高木彬光の処女作。
内容はこんな感じ。刺青彫りの名人彫安の娘、背中に大蛇の刺青が彫られた野村絹枝。彼女のもとを訪ねた元軍医の松下研三は鍵のかかった浴室で、胴体のない絹枝の死体を見つける。胴体のないバラバラ密室殺人の謎を神津恭介が解き明かす!という内容です。
古き良き時代の本格探偵小説の典型といいますか。ワトソン役の松下研三は南方帰りの元軍医で、後に執筆活動も務める、まさにワトソンと同 -
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急性肝炎にかかってふたたび入院を余儀なくされた神津恭介。またしても退屈を持てあました恭介は、今回は邪馬台国の所在に挑む。『成吉思汗の秘密』に続く歴史推理の第二弾。
本書のゴールは「邪馬台国はどこにあったか」というシンプルなもので、無理のない文献解釈と自然地理学的観点からの推理を中心に、「中学生にもわかるような明快簡潔な答え」を導き出す。
また推理するにあたって、
①『魏志・倭人伝』に改定を加えないこと
②原文の地名や国名を現在の地名と勝手に結びつけないこと
を前提としているのが特徴的。
専門的な知識は持ちあわせていないが、従来の研究において「南」を「東」に置きかえたり、古代中国語の音訳に -
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マジでやられたミステリ リスト作品
いにしえの単行本を持っていたけど通読する前にやむなく処分してしまった悲しい記憶があるタイトル
内容についての記憶は全くない
「イレズミ」じゃなくて「シセイ」
高木彬光作品は「破戒-」「人形-」に次いで3作目
読もう読もうと思っているうちに積読が角川版、扶桑社版、光文社版、の3冊になる
読みやすそうな光文社をチョイス
〜ざっくりあらすじ〜
刺青を剥ぎ取られた死体が!同様に2人目の犠牲者が!
〜感想〜
二十章の構成
まず第一章から、読んでいて快感を覚えるほどの文章力
刺青への興味がそそられる
気づいてしまったが、作中に!は出てくるけど?は無い
筆者の -
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マジでやられたミステリ リスト作品
高木彬光を読むのは「刺青-」「破戒-」に続いて3作品目、だと思う。刺青は古い単行本を持っていたのに手放してしまったのが今でも悔やまれる
初出は1955年、70年前
この角川文庫化ですら1974年、ちょうど50年前
手元にあるのは新版、初版1995年、30年前
100年間は評価されそうな作品
刺青と同じく神津恭介シリーズだけど、あっちは激古単行本だったのもあり、正直言って途中で投げた
実質、初めての日本三大探偵の神津恭介!
〜ざっくりあらすじ〜
人形が殺され(斬首、バラバラ、刺殺)るたびに人間も殺される
〜感想〜
まず文章がスラスラ問題なく読めると