【感想・ネタバレ】邪馬台国の秘密 新装版のレビュー

あらすじ

邪馬台国はどこにあったか? 君臨した女王・卑弥呼とは何者か? この日本史最大の謎に、入院加療中の名探偵・神津恭介と友人の推理作家・松下研三が挑戦する。一切の詭弁、妥協を許さず、二人が辿りつく「真の邪馬台国」とは? 発表当時、様々な論争を巻き起こした歴史推理の一大野心作。論拠を示したエッセイを併せて収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「成吉思汗の秘密」とそう離れない時期に読んで記憶がある。徹夜で読んで、女王の都は宇佐に違いないと思った。

ただベッドディテクティブもの以外の神津恭介にはあまり惹かれないのは何故だろう。

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2025年11月10日

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急性肝炎にかかってふたたび入院を余儀なくされた神津恭介。またしても退屈を持てあました恭介は、今回は邪馬台国の所在に挑む。『成吉思汗の秘密』に続く歴史推理の第二弾。

本書のゴールは「邪馬台国はどこにあったか」というシンプルなもので、無理のない文献解釈と自然地理学的観点からの推理を中心に、「中学生にもわかるような明快簡潔な答え」を導き出す。

また推理するにあたって、
①『魏志・倭人伝』に改定を加えないこと
②原文の地名や国名を現在の地名と勝手に結びつけないこと
を前提としているのが特徴的。

専門的な知識は持ちあわせていないが、従来の研究において「南」を「東」に置きかえたり、古代中国語の音訳による地名・国名を現代日本語の現在の地名と結びつけることには違和感を覚えるので、個人的には上記二項はとても気持ちがいい。

ちなみに、本書は初版におけるミスを修正した改稿版。(初版では、春分・秋分の日に太陽は真東から昇ってこないとし、魏使の考えた東西南北は現在のとはずれているとした説が採用されていた)

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2024年05月11日

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名探偵神津恭介がベッド上で邪馬台国の場所を推理する『成吉思汗の秘密』の様な歴史物。アチラと違って採用された文献が史書の執筆で名高い(信用できる情報しか載せない)陳寿の『魏志倭人伝』。更に推理する側がルールを定めているので正統派ミステリーとして楽しめる。
近畿か九州かに大別されるが読んでいると本書の理屈(結論については読んで頂きたい次第)が合っている気がする。

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2023年10月05日

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高木彬光の神津恭介ベッドディテクティブものの一冊。「成吉思汗の秘密」「古代天皇の秘密」もそれなりに面白いのだが、「邪馬台国の秘密」は特に氏の研究成果がストレートに出ていて興味深い。神津恭介物語の名を借りた研究論文となっている。
邪馬台国特定に、厳密な制約を設け、最も自然な形で場所を決定する手腕には説得力がある。

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2015年03月29日

Posted by ブクログ

結構面白かったです。魏志倭人伝の記述が誤っている、とか、現在の地名と響きが似ている、といった論証方法をとらずに、あくまで魏志倭人伝に書かれてる内容に忠実に、論理的に邪馬台国の場所を比定しよう、という安楽椅子ならぬ病床探偵小説で、なかなか納得させられるものがありました。ただ、最後6分の1くらいが、ちょっと説得力に欠けたかな。以前に、鯨統一郎氏の『邪馬台国はどこですか』を読んで面白かったですが、鯨氏がこの『邪馬台国の秘密』の新装版のあとがきを書いていて、その中でこの本がなければ自分は作家にならなかっただろう、というようなことを書かれていたのが印象的でした。自分が影響を受けた本の題材にここまで正面きって取り組んで作家デビューというのは、珍しいのでは?

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2009年10月04日

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