高木彬光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いつか読みたいと思いつつ
ずっと手が出せていなかった神津恭介シリーズ。
名作との誉れ高い本書をようやく読むことができた。
読み始め、物語の設定された年代もあって
古臭さというか入り込めないところがあったものの
中盤からは入り込め、神津恭介が出てきてからは
一気読みでした。
いろんな箇所に粗さは見えるものの
デビュー作ということで密室トリックへのこだわりや
読者への挑戦状など初期衝動に溢れている。
本作に欠かせないギミックではあるものの
作中、刺青への偏執的な薀蓄が多く
やや辟易するところはあるものの、
そういうある種の禁忌性を帯びたものへの
偏執的な愛・耽溺・マニア性・怪奇趣味が
乱歩 -
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松下研三は、一高時代の友人である卜部鴻一から危急を告げる手紙を受け取った。彼の大叔父である卜部舜斎は、かつて勢力を誇った新興宗教、紅霊教の教祖。終戦後は勢いを失い、発祥の地である奥武蔵の八坂村で三人の孫娘と暮らしていた。八坂村へと急ぐ研三は、行き合った男から舜斎に宛てて「今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし」と告げられる。そしてその予言は、密室殺人の形で遂げられた。絡みつく呪いと不可能と思われる犯行に彩られた事件が幕を上げる。
名探偵神津恭介登場の長編としては、刺青殺人事件に続く第2作。読者への挑戦もあって本格推理の醍醐味に満ちている。戦後間もない時世を背景に、暗く因縁めいた設定もたま -
購入済み
昔が懐かしい
若い頃、平泉付近を旅行した時に、民宿の御主人が食事の後に、義経から成吉思汗の話をしてくれた。その時は、聞き流していたが、その後、この本に巡り合い、その時の事を思い出し、懐かしく読んだが、最近になり、何十年かたって、又、懐かしく読みたくなった次第。
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ネタバレ『白雪姫』
呪われたハナレで5日間を過ごせば10万円を貰えるという賭けをうけた緑川鋭二。兄・源一の家のハナレで賭けの最終日に何者かに殺害される。雪の上に残されていない足跡。鋭二の妻・幸子と源一の関係。かつての婚約者だった2人。犯行時刻にアリバイの無い幸子。同じ密室で死んだ源一が残した手紙。
『月世界の女』
松下研三の宿泊するホテルにとまる美しい元子爵家の娘・月子と友人の久子。月子と別行動する久子。月子の3人の求婚者がホテルに現れた夜消えた月子。月子に対する3人の求婚者の気持ち。
『鏡の部屋』
昭和初期の女マジシャンの屋敷を買い取った日下健蔵。新聞社にかけられた犯行予告の電話。健蔵の妻・梨枝 -
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この作品を読んで、私は昭和30年代までの時代背景の重みと、法廷という場が持つ物語性に強く引き込まれました。
「戦前・戦中・戦後の時代背景が分からなくてものめり込める裁判小説」でした。
法廷の中で飛び交う言葉、証言、そして黙して語る過去の影。読み進めるうちに、「この被告は何を背負っているのか」「弁護士は何を賭けているのか」という問いが、私自身の内側に湧いてきました。
私は途中で自然に“推理”していました。
誰が本当に被告を助けたいのか、誰が真実から目をそらしているのか。
弁護側の百谷泉一郎の姿勢には、熱さと冷静さが同居していて、彼の推論や絡む人間関係に唸らされました。
一方で、被告村田の背景