高木彬光のレビュー一覧

  • 刺青殺人事件~新装版~

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    これぞ日本の本格ミステリ。
    呪術的な妖しい香りただよう陰惨な連続殺人、古典的ながら何重ものトリックで演出される不可能犯罪、そしてそれを鮮やかなロジックで暴く名探偵。
    根底のミステリが見事であるのは言うに及ばず、刺青という頽廃的な美の演出が強烈な魅力。刺青の人皮つけたトルソの描写から入るのはずるい。
    そして昔の名のある作家はマジで文章が上手い。特別なことはしてないのに、味わいがあって尚且つ読みやすい。
    完全無欠の天才イケメン探偵神津恭介だが、突然碁を打ちだして相手の人間性を測るとかエキセントリックさもあって良き。

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    2024年07月01日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    明智小五郎、金田一耕助と並ぶ日本三大探偵の一角、神津恭介が初登場する推理小説。

    他の二人と比べて全く知名度が高くない理由はなんとなくわかる。小さい頃から秀才で東大出身、身なりもきちんとしていて推理も論理的、いわゆる正統派すぎる探偵。

    ただ、推理物としては非常に面白かった。密室が物理的また心理的にもトリックになっていて、まさに古き良き本格ミステリー。

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    2023年10月10日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    刺青の歴史、戦後の雰囲気、色褪せない素敵な作品でした。(名探偵ものがとても好きです)

    神津恭介の登場にはテンションが上がりました。名探偵の登場にテンションが上がったのは初めてです。
    難事件を華麗に推理する神津恭介は本当にかっこいい!
    もっと読みたい!そう思いました。光文社さん他の作品も新装版お願いします!!!

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    2023年07月15日
  • 神津恭介、犯罪の蔭に女あり

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    神津恭介シリーズ。女性がらみの短編集ですがどれも読んただことがなかったので大いに楽しめた。個人的には青髭の妻がお気に入り。
    この作者の作品はとても読みやすいので気に入っています

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    2022年01月14日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    いつか読みたいと思いつつ
    ずっと手が出せていなかった神津恭介シリーズ。

    名作との誉れ高い本書をようやく読むことができた。

    読み始め、物語の設定された年代もあって
    古臭さというか入り込めないところがあったものの
    中盤からは入り込め、神津恭介が出てきてからは
    一気読みでした。

    いろんな箇所に粗さは見えるものの
    デビュー作ということで密室トリックへのこだわりや
    読者への挑戦状など初期衝動に溢れている。

    本作に欠かせないギミックではあるものの
    作中、刺青への偏執的な薀蓄が多く
    やや辟易するところはあるものの、
    そういうある種の禁忌性を帯びたものへの
    偏執的な愛・耽溺・マニア性・怪奇趣味が
    乱歩

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    2022年01月10日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    神津恭介の初めての事件。

    密室、刺青、持ち去られた胴体、と
    ミステリー好きには堪らない要素が
    たくさんありました。

    これからこのシリーズも読んでいきたい。

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    2021年01月29日
  • 呪縛の家 新装版

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    松下研三は、一高時代の友人である卜部鴻一から危急を告げる手紙を受け取った。彼の大叔父である卜部舜斎は、かつて勢力を誇った新興宗教、紅霊教の教祖。終戦後は勢いを失い、発祥の地である奥武蔵の八坂村で三人の孫娘と暮らしていた。八坂村へと急ぐ研三は、行き合った男から舜斎に宛てて「今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし」と告げられる。そしてその予言は、密室殺人の形で遂げられた。絡みつく呪いと不可能と思われる犯行に彩られた事件が幕を上げる。

    名探偵神津恭介登場の長編としては、刺青殺人事件に続く第2作。読者への挑戦もあって本格推理の醍醐味に満ちている。戦後間もない時世を背景に、暗く因縁めいた設定もたま

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    2020年07月25日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    舞台は終戦翌年の東京。刺青に彩られた妖艶な美女、密室殺人、容疑者のアリバイ、名探偵登場というミステリーの醍醐味を味わえる。

    名探偵神津恭介初登場にして著者のデビュー作として名高い。

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    2020年07月11日
  • 成吉思汗の秘密

    購入済み

    昔が懐かしい

    若い頃、平泉付近を旅行した時に、民宿の御主人が食事の後に、義経から成吉思汗の話をしてくれた。その時は、聞き流していたが、その後、この本に巡り合い、その時の事を思い出し、懐かしく読んだが、最近になり、何十年かたって、又、懐かしく読みたくなった次第。

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    2020年05月29日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    冒頭の刺青の耽美講義から作品世界に惹き込まれました。猟奇的な死体も相まって良い雰囲気です。
    密室トリックは初歩的で拍子抜けしましたが、そこから派生する「何故、密室にしなければならなかったのか」と「何故、胴体が消えたのか」のプロットが実に素晴らしいです。「日本推理小説史上に欠かすことのできない作品」という評価は十分頷けます。
    ただ一つ気になったのは、「読者への挑戦」の後で新事実が発覚することです。推理する条件はある程度揃っているとはいえ、探偵と読者が公平でないのはややアンフェアかなと思います。

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    2015年12月27日
  • 成吉思汗の秘密

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    チンギスカンは源義経の後の姿なのかをベッドディテクティブで解いていく物語。過去の研究成果を基にして果たして真実か否か判断は分かれると思う。初版には無かった部分が最後に追加されているが、私的には若干余計。

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    2015年01月26日
  • 神津恭介、密室に挑む

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    ネタバレ

    『白雪姫』
    呪われたハナレで5日間を過ごせば10万円を貰えるという賭けをうけた緑川鋭二。兄・源一の家のハナレで賭けの最終日に何者かに殺害される。雪の上に残されていない足跡。鋭二の妻・幸子と源一の関係。かつての婚約者だった2人。犯行時刻にアリバイの無い幸子。同じ密室で死んだ源一が残した手紙。

    『月世界の女』
    松下研三の宿泊するホテルにとまる美しい元子爵家の娘・月子と友人の久子。月子と別行動する久子。月子の3人の求婚者がホテルに現れた夜消えた月子。月子に対する3人の求婚者の気持ち。

    『鏡の部屋』
    昭和初期の女マジシャンの屋敷を買い取った日下健蔵。新聞社にかけられた犯行予告の電話。健蔵の妻・梨枝

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    2013年05月24日
  • ミイラ志願

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    歴史に肉付けした、時折ミステリーだったり…
    中々面白い作品ぞろいです。
    織田信長の影武者やら、
    戦国武将に亡霊出現とか…

    特に亡霊出現のそれは
    結末がユニークで、
    それらの追求の結果、誰もが思いつくことに対して、
    「ま、無理でしょう」といっているようなものです。
    実際そうでしょうね、
    そうでなければ人間ではないでしょうから!!

    表題作は、人の本能の描写が
    非常に印象に残りました。
    欲に対する人の弱さが。

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    2012年03月25日
  • 「横浜」をつくった男~易聖・高島嘉右衛門の生涯~

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     男の一代記としては非常に面白い。波乱万丈という言葉がとてもしっくりくる。こんなに近代日本の発展に貢献した人物なのに、あまり知られていないのは、やはり易者というものに何かいかがわしいイメージが付きまとうからなのかもしれない。
     文中にある易断が果たして本当のものなのか、それとも事後に書きくわえられたものなのか、参考文献が関係者の著作というネックはあるが、そこは小説として読めば大した問題にもならないかと思う。

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    2017年08月15日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    見事な大蛇の刺青を背負った女が浴室で殺害される。しかし、刺青を施した胴体だけが消えていた。
    刺青に異常な執念を燃やす博士、大蛇の女に魅了される男達、蛙・蛇・ナメクジの三すくみの呪い、と妖艶な雰囲気に浸れる作品でした。

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    2024年11月08日
  • 邪馬台国の秘密 新装版

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    急性肝炎にかかってふたたび入院を余儀なくされた神津恭介。またしても退屈を持てあました恭介は、今回は邪馬台国の所在に挑む。『成吉思汗の秘密』に続く歴史推理の第二弾。

    本書のゴールは「邪馬台国はどこにあったか」というシンプルなもので、無理のない文献解釈と自然地理学的観点からの推理を中心に、「中学生にもわかるような明快簡潔な答え」を導き出す。

    また推理するにあたって、
    ①『魏志・倭人伝』に改定を加えないこと
    ②原文の地名や国名を現在の地名と勝手に結びつけないこと
    を前提としているのが特徴的。

    専門的な知識は持ちあわせていないが、従来の研究において「南」を「東」に置きかえたり、古代中国語の音訳に

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    2024年05月11日
  • 神津恭介、密室に挑む

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    密室をテーマにした事件を集めた短篇集。「白雪姫」「月世界の女」「鏡の部屋」「黄金の刃」「影なき女」「妖婦の宿」の六編を収録。

    なかでも「影なき女」と「妖婦の宿」が秀逸で、とくに「妖婦の宿」はたくみなミスリードと思い込みを利用したトリックが見事。

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    2024年03月13日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    背中に大蛇丸の刺青を彫った女が密室となった浴室で殺され、しかもその胴体はどこかに持ち去られていた。明智小五郎、金田一耕助とならぶ日本三大探偵のひとり、神津恭介のデビュー作。(しかしその登場は終盤まで焦らされる)

    刺青に魅入られた医学博士や女の情夫、刺青にまつわる迷信など、戦後間もなくという時代とあいまって妖しく耽美的なストーリー。

    ちなみに、本バージョンは大幅に書き直されて1953年に刊行された改稿版。1948年に刊行された初稿版は、『初稿・刺青殺人事件』として扶桑社より出版されている。

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    2024年03月13日
  • 刺青殺人事件~新装版~

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    マジでやられたミステリ リスト作品

    いにしえの単行本を持っていたけど通読する前にやむなく処分してしまった悲しい記憶があるタイトル
    内容についての記憶は全くない
    「イレズミ」じゃなくて「シセイ」

    高木彬光作品は「破戒-」「人形-」に次いで3作目
    読もう読もうと思っているうちに積読が角川版、扶桑社版、光文社版、の3冊になる

    読みやすそうな光文社をチョイス

    〜ざっくりあらすじ〜
    刺青を剥ぎ取られた死体が!同様に2人目の犠牲者が!

    〜感想〜
    二十章の構成
    まず第一章から、読んでいて快感を覚えるほどの文章力
    刺青への興味がそそられる

    気づいてしまったが、作中に!は出てくるけど?は無い
    筆者の

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    2024年03月12日
  • 人形はなぜ殺される

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    マジでやられたミステリ リスト作品

    高木彬光を読むのは「刺青-」「破戒-」に続いて3作品目、だと思う。刺青は古い単行本を持っていたのに手放してしまったのが今でも悔やまれる

    初出は1955年、70年前
    この角川文庫化ですら1974年、ちょうど50年前
    手元にあるのは新版、初版1995年、30年前
    100年間は評価されそうな作品

    刺青と同じく神津恭介シリーズだけど、あっちは激古単行本だったのもあり、正直言って途中で投げた
    実質、初めての日本三大探偵の神津恭介!

    〜ざっくりあらすじ〜
    人形が殺され(斬首、バラバラ、刺殺)るたびに人間も殺される


    〜感想〜
    まず文章がスラスラ問題なく読めると

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    2024年03月05日