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Posted by ブクログ
いつか読みたいと思いつつ
ずっと手が出せていなかった神津恭介シリーズ。
名作との誉れ高い本書をようやく読むことができた。
読み始め、物語の設定された年代もあって
古臭さというか入り込めないところがあったものの
中盤からは入り込め、神津恭介が出てきてからは
一気読みでした。
いろんな箇所に粗さは見えるものの
デビュー作ということで密室トリックへのこだわりや
読者への挑戦状など初期衝動に溢れている。
本作に欠かせないギミックではあるものの
作中、刺青への偏執的な薀蓄が多く
やや辟易するところはあるものの、
そういうある種の禁忌性を帯びたものへの
偏執的な愛・耽溺・マニア性・怪奇趣味が
乱歩全盛時代の当時のミステリー界には
受け入れられやすかったのかもしれない。
全体的に読みやすいとは言えないものの、
ミステリーとしての論理性などは今でも色褪せないもので
ミステリー好きならやはり一読に値する作品だと思う。
Posted by ブクログ
名探偵神津恭介デビュー作「刺青殺人事件」。なんとも懐かしく素晴らしい。先日横溝正史読んだら読みたくなったのだ。占い師に小説家に向いていると言われて初めて書いた作品を江戸川乱歩に送り、乱歩に絶賛されて出版された高木彬光の処女作。
内容はこんな感じ。刺青彫りの名人彫安の娘、背中に大蛇の刺青が彫られた野村絹枝。彼女のもとを訪ねた元軍医の松下研三は鍵のかかった浴室で、胴体のない絹枝の死体を見つける。胴体のないバラバラ密室殺人の謎を神津恭介が解き明かす!という内容です。
古き良き時代の本格探偵小説の典型といいますか。ワトソン役の松下研三は南方帰りの元軍医で、後に執筆活動も務める、まさにワトソンと同じ。お兄さんが警視庁捜査一課長だから何かと動きやすい大食いで、躁鬱症持ち。神津恭介は松下の一高の先輩で、東大で法医学を研究する何でもできるクールな天才肌。でもホームズのような嫌らしさのないカッコいい男なのだ。
さらに捜査一課長の松下の兄は、若くして一課長を勤める優秀な刑事だが、ここでは神津の引立て役に徹する。絹枝には常太郎という兄と珠枝という双子の妹がいて、それぞれ蛙と蛞蝓が背中に蠢く。さらに刺青の入った人皮をコレクションする刺青研究家の早川教授など、おかしな登場人物たちが脇を固め、謎が謎を呼ぶ。
刺青という怪しげな世界を描きながら、華やかな密室を用意しながら密室以外の複数のトリックを絡めて構成される。80年くらい前の有名な作品ですから読んでいてある程度想像はつくのだけれど、世界観やプロット、登場人物の配置の仕方、さらには読者への挑戦状、そして謎解き。往年の本格派ど真ん中で楽しめました。
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