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「日本三大名探偵」といえば明智小五郎、金田一耕介、そして神津恭介。他二名と比べ若干影が薄い、この神津恭介。実は容姿端麗、頭脳明晰の一度見たら忘れようがない、超絶イケメン名探偵なのです!中学を飛び級、6カ国語を操り、論文も認められた数学の天才。現在は東大医学部の法医学教室助教授。資産家で生活に困る心配なし。ラノベでよく見る「最強系主人公」でもここまでやらないだろう、まさに完璧超人!
そんな彼を激賞するワトソン役は神津の友人、松下研三。ワトソンというより、ドラえもんに泣きつくのび太のような…。物語によっては事件の真相以上に松下君の言動にひっくり返ることも!?
戦後間もない時期が舞台のため、設定や表現に古さを感じることはありますが、それもこの作品の味の一つ。日本が誇る「完璧系名探偵」の活躍。ぜひご一読下さい!
Posted by ブクログ
かつて(いまでも)日本を代表する名探偵であった神津恭介を主人公とする短編集。タイトルのとおり、密室殺人事件が並んでいる。
今読んでみると文体や人間の描き方、道具立てにさすがに書かれた時代を感じさせる。だけど全体としてすっきりと端正に感じられるのは、名探偵神津恭介のイメージでもあるし、小説内で描かれる謎解きのクリアーさのためだと思う。そういったあたりは全然負来るなっていないばかりか、逆に新鮮で驚く。
6編の短編集の中に、ミステリの典型的なアイデアが見本市のように並んでいて面白い。特に最後の2編は、稚気が感じられるほど作者が楽しんで書いたんじゃないかなって思う。時々でてくる機械的トリックはノスタルジックな感じがしてしまうけれど、わかりやすく楽しいミステリをして、まだまだ現役だなって思う。
それにしても神津恭介、眉目秀麗、頭脳明晰なんて紹介されているけど、やりすぎだ!と言いたくなるくらい、絵に描いたような名探偵ぶりでおもしろい。
Posted by ブクログ
傑作セレクションと銘打っているだけあり、6編の高純度の密室モノが読めます。
冒頭を飾る『白雪姫』は陳腐なトリックの裏に隠れた罠にしてやられました。張られた伏線がミスディレクションにもなるという素晴らしい逸品。
続く『月世界の女』『鏡の部屋』『黄金の刃』の3編は巧さは感じるものの、構造自体は単純。
そして『影なき女』の捻くれたプロットでまたもや騙され、ラストの傑作『妖婦の宿』で高木彬光の凄さを再認識。犯人当てミステリを語るときには外せない作品だと思います。意外な犯人を突き詰めたエドマンド・クリスピンの『誰がベイカーを殺したか』ほど意地悪ではないので、違和感を拾っていけば、必ず正解へとたどり着けます。
初めての高木彬光としてもオススメです。
Posted by ブクログ
神津恭介が活躍する短編集。
全編密室ものです。
【白雪姫】
密室物ですがトリックよりもプロットの上手さが光っていると思う。
雪国に向かう列車内で偶然居合わせた白雪姫のように美しい女性という出だしも幻想的でいい。ラストの風景も素敵だった。
双子の登場によって当然入れ替えトリックが浮かびますが、それを逆手にとって二転三転する展開もおもしろいです。
しかし、神津恭介はちょっとうっかりだったんじゃないでしょうか。
人を疑う以上迂闊なことは言えないというのは分かりますが、、新たな事件発生を予期しながらもそれを誰にも伝えず、防げなかったのはひどい。
寒くて疲れてたから彼を責められない、っていわれても。
【月世界の女】
竹取物語のように、自分は月に帰らねばならないという美しく聡明な女性の消失事件。聡明な女性ということですが、あんな意味不明な言動をする人に対して警戒心や不信感を抱くのは普通の反応ではないでしょうか。これが彼女の為になったのが疑問。
神津に対してこの石木め!絶交だ!と理不尽にあたったかと思えば、言を弄して事件を解明させようと呼び出す松下くんのわがままっぷりがかわいい。
消失トリックは状況を見れば自明。
【鏡の部屋】
消失トリックは単純ですが、かつて女魔術師が住んでいたといういわくつきの鏡の部屋での手品でおもしろいです。
あの人がなぜ新聞社に電話したのかが分かりませんでした。
【黄金の刃】
四次元がどーたらこーたら言っているわりに単純なトリックだと思ったものの、この言動が最後にあのような形で思い出されるのが哀しい。
最後の被害者はもうちょっとなんとかして救ってもらいたかった。
【影なき女】
次々と起こる事件がすべて密室殺人。その不自然さにもしっかり理由があり好感です。
「影なき女」という不気味な存在が全体に不穏な空気を与えており楽しい。
前半は神津が登場せず、別の探偵が活躍するのでどうなるのかと思っていましたが、こんな真相だったとは。
内容の濃い短編でとてもおもしろかったです。
【妖婦の宿】
途中で読者への挑戦が挟まれる本格ミステリ。
殺人予告ともとれる不気味な蝋人形の登場、限定された容疑者、見張られていた現場。なんとも楽しい状況です。
事件が起きる前から神津がついていながらの惨事、そこからの華麗な推理とお決まりのパターンですが、ここからまさかまさかの展開になりました。
真相への手掛かりはあからさまではあるものの、まさかね、ということが本当だったのでびっくり。
○○○○トリックがこんな形で使われるなんておもしろいです。
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