【感想・ネタバレ】呪縛の家 新装版のレビュー

あらすじ

〈今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし〉紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。だがそれは、呪われた一族に襲い来る悲劇の序章に過ぎなかった……。教祖を大伯父に持つ旧友の鬼気迫る依頼で、教団本部に出向いた松下研三だったが、ついに神津恭介に救援を求めた。名探偵は、恐るべき凶事の連鎖を止めることができるのか!?

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Posted by ブクログ

松下研三は、一高時代の友人である卜部鴻一から危急を告げる手紙を受け取った。彼の大叔父である卜部舜斎は、かつて勢力を誇った新興宗教、紅霊教の教祖。終戦後は勢いを失い、発祥の地である奥武蔵の八坂村で三人の孫娘と暮らしていた。八坂村へと急ぐ研三は、行き合った男から舜斎に宛てて「今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし」と告げられる。そしてその予言は、密室殺人の形で遂げられた。絡みつく呪いと不可能と思われる犯行に彩られた事件が幕を上げる。

名探偵神津恭介登場の長編としては、刺青殺人事件に続く第2作。読者への挑戦もあって本格推理の醍醐味に満ちている。戦後間もない時世を背景に、暗く因縁めいた設定もたまらない。

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2020年07月25日

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ネタバレ

 没落した新興宗教・紅霊教の教団本部で起きる二重密室殺人を始めとした連続殺人、それらを示唆する不気味な予言の数々、名探偵神津恭介&松下研三のコンビに『読者への挑戦状』など古き良き本格ミステリーの魅力に溢れた作品で、神津恭介が犯人の恐るべき智略に苦戦しながらも事件を解決する場面にカタルシスを感じたかと思いきや、ラストで明かされる黒幕に思わず呆然としてしまった…

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2025年03月28日

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ネタバレ

す…すごかった…。

解決編の後にまた解決がある感じですね。
最後はちょっとゾワリとしました。
結果遺産も好きな女も手中におさめるという…ブルブル。

文章が古いかと言われれば現代とは違うんだけど、でも全く読みにくくはない。
途中で作者の心の声がダダ漏れ出るのも面白くて、楽しく読みました。

しかし挑戦状が2回もあるとは。そして挑戦状の文面がめっちゃ挑発的。特に2回目!
さすがにもうわかるっしょ!!ねぇ!っていうね!

わかんなかったよ!!笑
また機会があれば続き読みたいです!!

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2023年03月20日

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新興宗教・紅霊教の関係者である同窓生からSOSの手紙を受け取った松下。
紅霊教本部ではおどろおどろしい予言が次々に実現していく。天才神津が参戦しても止まらない殺人。

「刺青殺人事件」で快刀乱麻を断つごとくの名推理を見せた神津が犯人の後手に回っているのでハラハラしましたが、読み終えてみると神津の人間らしさが際立ったような気がしました。
そして犯人の動機解明が読ませどころかと思いきや、ラストにもう一発食らいます。
特別にひねったオチではないのですが、その描き出し方が醜悪かつ効果的でちょっと唸らせられました。

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2016年11月10日

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神津恭介シリーズ。悪徳な宗教団体、そして内部分裂、預言者による殺人の予言、莫大な遺産、密室殺人、そして相次ぐ殺人未遂と殺人。これだけ材料がそろって面白くない訳がない!という期待を全く裏切らない、王道の推理小説に大満足。ただ、表紙が残念…

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2015年07月19日

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ネタバレ

宗教、因習、戦後の雰囲気が結構好きだった。最後の僕は神津さんよりもっと早く犯人わかってた発言がかっこよかった。神津恭介に犯人を早く判明させて事件を解決させるために呼んだってよりも婚約者のボディガード兼犯人の注意をそらすために呼んだって感じかなって思った。

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2025年11月09日

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ネタバレ

不思議な殺人予告通りに殺害されていく、教祖の孫娘たち。呪われた家や狂った教祖、それに絡む莫大な遺産相続。雰囲気抜群なミステリーです。

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2021年04月04日

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雰囲気的には八つ墓村。ただ、展開とオチはとても分かりやすい。初めから怪しい人が“多分こうだろうな”と思う手法で殺人を犯し、さらに裏のある人はそのまま裏の姿を見せて終わる。

気楽に見れる2時間ドラマといった感じで、個人的には嫌いじゃないけれど、連続殺人を唐突に音楽に例えだす点に「なぜ急に音楽?」ということばかりが気になっちゃって、集中力を削がれた。

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2020年10月31日

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紅霊教という新興宗教の本部で教義になぞられた連続殺人事件が発生し、神津恭介がその謎を解いていきます。
おどろおどろしい雰囲気、密室殺人、遺産相続、抜け穴…横溝正史を彷彿とさせる設定と、最後の最後まで予断を許さない展開で面白いですし、犯人指摘後ゾクリとさせられるオチもありお腹いっぱいです。
しかし、第一の殺人の状況が非常にアバウトで分り難い、見立てる必然性が薄い、小道具である短刀の扱いが雑など不満を感じる部分が多く、本格推理小説のしての質はもう一つといった印象です。

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2015年12月07日

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