高木彬光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ推理小説としてはなかなか面白く、文章を楽しむという点ではそうでもない、という感じ。時代設定のせいなのか、あるいは行間から作品を映像として立ち上げるには視覚情報がやや乏しいからか、個人的な感想としては「世界にのめりこめない」状態のまま、ラストまで行ってしまいました。事件を調べる警察の言葉遣いが汚いことが要因の一つかもしれません。まぁ、作品が書かれた当時の警察は本当にこの程度の品性だったのかもしれませんが。
そこまで重要だと思えなかった人物が実はキーパーソンだった、というのは推理小説の常套手段なのですが、このぐらいしか出てこなかった人がコアになるのかー、と思うと、ちょっと悔しいというが面白くないというか。
最後の謎解きで、とある重要な人物についての描写(真犯人を推理した検事の憶測)が出ますが、これも今の時代に生きている身としては荒唐無稽というか、そんな無茶な解釈があっていいのか?という印象を受けました。
冒頭にも書きましたが、推理小説としては面白いです。最後がなんだか昼の2時間サスペンスみたいな幕引きとなってますが、これも「当時のミステリー小説の流行はこうだった」と思えば、それほど無理はないでしょう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ傑作セレクション第2弾。
タイトル通りどれも謎に満ちた女たちが登場しますが、それほど女が強調された話でもないものもあり、このタイトルの括りでの一冊としては少々物足りない。
そして全体的に複雑な構成のお話が多かった気がします。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【死美人劇場】風で飛んできたストリップ劇場のポスターがイケメン神津の顔に貼りつく冒頭がちょっと笑える。
被害者の誤認、アリバイトリック、想定外の事故、狙われた男女が逆に罠を仕掛けるなど捻りがありましたが、強烈な登場人物たちも加わってよく分からないままバタバタと終ってしまった感。
神津の思惑にはびっくりしました。
【嘘つき娘】つい嘘をついてしまうという娘の証言の信憑性をめぐるサスペンス色の強い一編です。名乗り出ない謎の男、片方の手袋、脱ぎ捨てられたオーバーなど、現場の状況からの推理には納得。
ただ、背中を刺された死体が、結局自分でも出来るよ、と他殺をあっさり否定したのにはちょっとがっかり。
狂気じみた女の妄想と現実の境の危うさがおもしろい一編でした。
【青髭の妻】狂気の女はまさにこの短編集に相応しい人物でした。その最後も劇的で良いです。
それにしてもいろいろな事が起こるのでてんやわんや。最後の解決場面の演劇などいちいち考え込んでしまいました。ちょっと早足なんじゃ。
【女の手】飲んだくれていた松下くんの前に現れた謎の女性。そして腕のない女の死体の発見。
腕を切り取られた理由、更には腕を切り取ったにも関わらず神津の手にまんまと乗ってしまう犯罪者の心理というのがおもしろいです。
犯人が全く分からない状況で、女掏摸士の殺害から容疑者を絞り出したのは流石。
神津さんが体張っていて楽しく、松下君のだめだめっぷりが可愛い。
【ヴィナスの棺】亡霊から自分の遺体を探してほしいと依頼される不思議な冒頭。怪しいホラーっぽい展開。
遺体の隠し場所と宝石の行方の謎がメインになっていますがこれは分かりやすい。しかしラストの発見場面はインパクトがあり楽しいです。
【血塗られた薔薇】登場人物が多いですね。しかも真相がわかってからだと更に混乱します。
犯人の動機や行動がすごくグッとくるんですが、短編だからかそのへんがさらっとしてたのがちょっと寂しい。
しかしこの話の松下くんはひどい。酔っぱらってるだけだった。
ラストの神津さんは素敵なのですが、彼女がいつの間に二人にとってそんな大きな存在に? -
Posted by ブクログ
私の親父が好きだった作家で、
昭和を代表する推理小説家です。
彼の作品は、高校時代にほとんど読んでいるのですが、
なぜかコレだけ読んでなかった(記憶になかった)ので、
読みました。
いやぁぁ、面白い。
この本は、高木彬光の中でも一番有名な神津恭介探偵シリーズです。
ちなみに、神津恭介は、明智小五郎、金田一耕助と並び日本三大名探偵と呼ばれています。
その、神津が病院のベッドの上で推理を繰り広げていくという、
いわゆるベッドディテクティブスタイルの推理小説です。
簡単に言えば、探偵が動かないで机上だけで推理するってやつですね。
この本の趣旨は、
成吉思汗 = 源義経 という仮説をさまざまな材料、視点から
神津が証明しようとしています。
そんなバカな、と思って読んでいると、
次第に引き込まれていき、
最後には本当にそうなのではないか、と思えてきます。
そりゃあ多少無理なところもあります。
体型が全然違うのに、無理やり説明しています。
うーーーん、ちょっと説得力に欠けるなぁ、と思うところもあります。
が、この本にはロマンがあるのよ。
成吉思汗 = 源義経 だったら面白いじゃない。
そう考えたら、歴史の見方が変わるでしょ。
途中からはもう読むのを止められず、
いっき読みしちゃいました。
多分、大多数の人が未読だと思うので、
ゼヒゼヒ読んでみてください。
あわせて、高木彬光のほかの作品
「白昼の死角」「検事霧島三郎」「青刺殺人事件」「一二三死」「人形はなぜ殺される」
などなど、もオススメですよ。