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無言の110番がかかってきた。現場へ急行すると、モリネシア領事館の通訳が殺されていた。その死体の横には、傷を負った男も倒れていて、その男を容疑者として捜査が進められる。が、彼は記憶を失っていた。外交特権もからむ難事件。石橋を叩いても渡らない〃グズ茂〃検事・近松茂道がたどり着いた意外な真実! 港町・神戸を舞台にした、本格推理の傑作。
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Posted by ブクログ 2014年05月25日
推理小説としてはなかなか面白く、文章を楽しむという点ではそうでもない、という感じ。時代設定のせいなのか、あるいは行間から作品を映像として立ち上げるには視覚情報がやや乏しいからか、個人的な感想としては「世界にのめりこめない」状態のまま、ラストまで行ってしまいました。事件を調べる警察の言葉遣いが汚いこと...続きを読むが要因の一つかもしれません。まぁ、作品が書かれた当時の警察は本当にこの程度の品性だったのかもしれませんが。 そこまで重要だと思えなかった人物が実はキーパーソンだった、というのは推理小説の常套手段なのですが、このぐらいしか出てこなかった人がコアになるのかー、と思うと、ちょっと悔しいというが面白くないというか。 最後の謎解きで、とある重要な人物についての描写(真犯人を推理した検事の憶測)が出ますが、これも今の時代に生きている身としては荒唐無稽というか、そんな無茶な解釈があっていいのか?という印象を受けました。 冒頭にも書きましたが、推理小説としては面白いです。最後がなんだか昼の2時間サスペンスみたいな幕引きとなってますが、これも「当時のミステリー小説の流行はこうだった」と思えば、それほど無理はないでしょう。
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