フランシス・ホジソン・バーネットのレビュー一覧
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ネタバレイギリスの厳格な身分制度に、アメリカ生まれの7歳の少年セドリックが新たな風を吹き込む。おじいさまは偏見からアメリカ人やアメリカを嫌い、靴磨きのホッブスもイギリス人を忌み嫌っている。しかし、セドリックはまだ7歳なのでそうした偏見はなく、初めて会う人にも優しく心をくだき、人のいいところを見つけようとする。その心ざしが人の心を和ませ、お互いに優しくするきっかけ作りになる。お金持ちの伯爵であるおじいさまが金を出すと人助けがたくさん知ったセドリックは「おじいさまがいるおかげで、世界がよくなってるみたいだ」と言う。おじいさまは「いつでも人のいいところに気がついて、お手本にするようにしなさい」と答える。それはまさにセドリック自身の生き方である。おじいさまはセドリックを心の鏡にしていたのだ。結局、偏見をなくすには、まず相手と腹を割って話し合うことなのだと思う。話してみれば、相手を嫌う理由が実は曖昧な思い込みにすぎないことに気づける。そのことが、おじいさまの態度の変化によく表れていた。これほどまでに素直で親切なセドリックがこのまま成長していけば、伯爵となったあとも良い為政者となることが予想できる。
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孤児となった主人公メアリは、インドから伯父の住むイギリスへ行くことになる。
到着した屋敷には、主人や使用人が決して近づくことのない、閉ざされた花園があることを知る。
これまで感じたことのない好奇心が、メアリを花園へと導くのであった。
花園がなぜ閉ざされたのか?
夜中に屋敷に響く鳴き声はいったい?!
メアリともう一人の人物が、ある目的を達成するために、使用人たちに勘づかれないよう立ち回るシーンが面白かったです!
小公女の作者さんなので、身構えて読みましたが、話はスッキリとしており、穏やかな気持ちで読むことができました!
とてもおすすめです!! -
Posted by ブクログ
お話は超ストレートハッピーエンド児童文学なのだけど、ぼったぼたに涙流して読んだ。自分は最近ずっとお腹の弱さに悩まされ振り回される人生を送っているけど、そんな自分を救ってくれるような言葉がたくさんあった。
「ぼくはよくなった!よくなった!なんだかーなんだか、何か叫びたいーお礼とか、喜びの言葉を!」
病は気からってことですよ。美しい自然の中で思いっきり息しようぜ!ってことなんですよ。そしたら魔法は起きるんですよ泣
そして思い出の明日海さん退団公演の作品は絶対これを元にしているなと、リンクする箇所がたくさんあってそれも胸いっぱいになった。
美しく純粋な光は塞ぎ込んで硬くなった心と身体を優しくほぐしてくれる。
ディコンとそのお姉さんとお母さんがとっても良かったなぁ。本当に最後の方には読んでいて魔法がかけられた気分になった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ1911 年発行。『小公子』『小公女』などの児童文学で有名なイギリスの作家フランシス・ホジソン・バーネットが描いた不屈の名作。
イギリス領時代のインドで暴君じみたわがままな少女として育ったメアリは、十歳にして突然孤児となり、イギリスに住む叔父に引き取られる。全てを呪うように生きるメアリだったが、閉ざされた庭園の鍵と、生き物を愛する少年ディコンとの出会いをきっかけに、世界の素晴らしさを知っていく。従兄弟のコリンとの大人たちを驚かせる秘密の計画は、運命に導かれるように美しい魔法を巻き起こす。
メアリははじめ、どうしようもなく生意気な子どもだ。常に苛立ち大人を狼狽させるのだが、読んでいて楽しく何度も笑った。そんな生意気なメアリさまが可愛く思えるのは、不幸な身の上のせいだけではない。メアリさまは態度は悪いが人間は悪くない。あまりにも正直すぎるのだ。啖呵のセリフからしても頭の良いことはわかるし、自分の間違いも認めることができる。従兄弟のコリンの方がよほど重症である。
メアリが出会ったころのコリンは妄想に囚われていて悲観的で、読んでいるとメアリさまにつられてイライラしてくる。そのコリンも友人と共に世界の素晴らしさを学ぶようになり、自らの生きる力に気づくシーンはとても感動的で、すべての子どもたちを祝福しているようだ。コリンが文字通り一人歩きするまでがこの物語のクライマックスであり、父親との和睦まではエンドロールみたいなものである。幼い息子を亡くした経験のあるバーネットは、生きる気力を無くした子どもを救いたかったのではないか。あくまで子どものための物語に終始している。
十年間誰も入ったことのない、扉のない庭というアイデアが素晴らしい。心理的な面では箱庭療法なども想起させるが、単にアイデアが良いだけではない。
児童文学の王道パターンに「行きて帰りし物語」がある。現実世界でうまく生きられない子どもが異世界に迷い込み、冒険をするなかで自分のトラウマに打ち勝ち、現実世界に帰ってくる。剣と魔法の異世界ではないが「誰も入ったことのない庭」は子どもにとって同じくらい魅力的な場所だ。「行きて帰りし物語」の異世界は主人公に勇気と自信を呼び起こさせる装置である。
更に児童文学のもう一つのパターンとして英雄譚がある。主人公が運命によって旅立ち、師の導きで一人前となって、市民を困らせる大きな問題を解決することで英雄となる。本作もある意味、英雄譚である。両親の死によって旅立ち、ディコンという師をみつけ、コリンの問題を解決することで、ミセルスウェイト邸に平和が訪れるのである。家庭の問題を英雄譚の形式にしたところに、『秘密の花園』というアイデアの奥深さを感じた。
本作が古典となった今日でも、ここまで絶妙に構成された作品は少ないのではないだろうか。本作はキャラクターに魅力があるだけでなく、児童文学の構造をよく理解して創作されていて、物語の構成に無駄がなく、何度でも繰り返し読める強度がある。物語作りのひとつの教科書でもあり、不屈の名作という表現に何の誇張もない。
あまりにも”いぎいぎ”とした描写に、子どもの頃を思い出した人も多いだろう。私も昔、「秘密の公園」と呼んでいた他人の庭があった。今思えば花壇や井戸のポンプもあって、公園というには綺麗に手入れされ過ぎていたと思えるが、子どもの自分にはそんな広い庭があるとは知らなかったので公園だと思っていた。鉄格子でできた洋風の扉は、鍵が開いている時と閉まっている時があって、開いていれば勝手に入って手押しのポンプで水を汲んで遊んでいた。ある日、鍵が開いていたので後ろから来る兄に大きな声で「秘密の公園開いてるでー(ヨークシャー弁ならぬ関西弁)」と叫んだら、植え込みの影から笑顔のおじさんが出てきて「ここは公園じゃないよ」と教えてくれた。恥ずかしくて逃げ出したが、この世には公園のような庭があることを知った。
子どもには大人の目の届かない遊び場が必要で、その遊び場は大人たちが子どもたちのために残しておかなければならない。今では公園だけでなく山も川も全て管理しようとしていて、これでは子どもの感動を奪っているのではないかと思うが、それでも子どもは隙間を見つけて遊ぶのだ。大人はそれに手を貸してはならない。転ばないようにするのではなく、転んでも一人で立ち上がれるように大人は遠くから見守る。『秘密の花園』は大人の目線で読んでもやはり感動する。この作品は時代が変わっても変わらないテーマを魔法のように魅力的に描いていると思う。 -
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小公子セディ!世界名作劇場でやっていたことは覚えていますが、内容は全く覚えていませんでした。
この歳になって児童文学の名著を読む意味とは...単純にとにかく面白い!底抜けに明るくてだれにでも親切なセディに心が洗われるようでした。
ストーリーは、英国貴族の父を亡くしアメリカで母と暮らすセディは、大人にも子供にも好かれる街の人気者です。そんななか、セディの祖父から伯爵の後継者フォントルロイになるべく英国に来るよう命じられます。伯爵はセディの母を毛嫌いしているので、母と息子を引き離してしまいます。
気難しく、街の住人からも嫌われている伯爵ですが、セディは伯爵を「とても親切」だと尊敬して大好きになります。そんなセディに伯爵も心を開いていきます。
アメリカとイギリスでの文化や言語などの違いがあったおかげでセディと伯爵がお互いに興味を持ち、うまく行ったのであろうという解説がありましたが、それにしても思い込みの枠を外し、新鮮な心でで伯爵になついているセディの様子には学ぶものがあります。どんな人でも「人の期待に応えたい」という欲求があるということがわかります。
セディと母親は「なかよしさん」と呼び合っているのがとても微笑ましい本書ですが、原文では「Dearest」だそうです。やっぱり「なかよしさん」のほうが可愛らしいですよね。 -
Posted by ブクログ
すごくよかった……
秘密の花園は子供の頃絵本で読んだ記憶があります。
蔦の絡まった扉にひっそりと鍵穴がついていて、特徴的な装飾の鍵で開けるっていうのにすごくときめきました。
内容は全然覚えてなかったんですが、コリンやディコンといった登場人物の名前は覚えていたので子供の頃の記憶は馬鹿に出来ないなと。
主人公のメアリが不器量で黄色い顔のすごく嫌な感じの子っていうのがよかった。
だいたい可愛くて素直な子が主人公じゃないですか(笑)
コリンも最初はガリガリでヒステリックで自己中だったけど、メアリと花園の力でどんどん変わっていきます。
2人とも甘やかされて育ったから単に性格が悪いというより注意してくれる人がいなかっただけなんですよね。
ディコンは天使みたいにいい子。
クレイブンさんの夢に奥さんが「花園よ!」って出てくるところがいい。
クレイブンさんには今までの10年を取り戻すべくコリンといっぱい話してほしい。
「魔法」の力で恐怖から解き放たれて幸せいっぱいなラストが素敵です。