フランシス・ホジソン・バーネットのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公のセーラ・クルーは環境の変化により、自分の立場や身なりが
異なるものになっても『心』までをそれに染められず、
気品と気高さを無くさず振る舞う、精神力の強さを印象づけます。
逆にセーラの周囲のキャラクターは、子どもはともかく、
大人まで自分の態度をブレブレで変化させる不安定さで、
俗世の人々の移ろいやすい心との対比がなされています。
相手の立場によって態度を変えることの卑しさは、作品を通して
俯瞰的に見れば良くないこととして映りますが、
自分たち一般人も無意識のうちに同じことをしていないでしょうか?
立場の弱い相手に対して高圧的に振る舞う姿も、
お金持ちのワガママにおべっかを使う姿も -
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Posted by ブクログ
子供地代には手にしなかった本。
大人になってから、児童書を読み進めるのが難しいときもあるが、
主人公セドリックの天真爛漫な愛らしさ、優しさに引き込まれて、優しさ溢れる行動に読み進めるスピードが止まらなかった。その母親の温かく、セドリックを包み込む優しさが、セドリック始め、まわりの人たちを包み込んでいき、読者も包まれるような感覚になれる。ホッとする。
荒れすさんだ祖父が、セドリックによってすこしずつ変化していく様子が現実でもそうあればと願ってしまう。
祖父はいい人だと信じる、その信じるに人は応えたくなるとも教えてくれた。
自分も子供を信じてあげたいと重った。 -
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Posted by ブクログ
実のところ『小公女』は子供の頃から目をそらしていた。大金持ちのお嬢様が寄宿学校に入り、特別扱いされているとまもなく父親が亡くなったと知らされ突如召使へと降格されいじめを受ける•••
最後はハッピーエンドでも、この部分が嫌で何十年も避けていた。バーネットさんごめんなさい。
ここへ来て一気に3冊購入したので1冊目として新潮社を選び読み始める。
原題は『A Little Princess』。この“プリンセス”という言葉の意味が子供の頃には分かっていなかった。ドレスを着てキラキラしている人は皆“お姫様”でひとくくりにしていた。読んでみると、ここが肝なのだと実感。
読み始めは本当に10歳前後?と思うほど -
購入済み
驚きの訳者!
えっ⁉️訳者が、川端康成⁉️
ビックリして、読んでみた。昭和35年刊行なので、金銭的な物に関しては、少し古いなと思ったのと、名前とかの表示が、ちょっと違和感が有ったけれど、原文に忠実に訳そうという気持ちが伝わってきて、面白く読めた。 -
ネタバレ 購入済み
ずっとずっと大好きな本
子供の頃に読んで、感動した本は、大人になって読んでも、感動する。世の中の嫌なことも、綺麗さっぱり無くなってしまって、すっきりした気分で、また、明日から頑張ろうという気になる。
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Posted by ブクログ
・はじめはなかなかページが進まなかったが、50ページをすぎたくらいから、「こんなに童心にかえりワクワクできる、花や葉や空気の匂いを敏感に楽むあの感覚が蘇るような感覚になれる物語があるのか!」と大感動。描写のひとつひとつがきもちいい。
【印象に残ったフレーズ】
・物語中の登場人物たちの言動(ほぼ全てがみずみずしく、印象に残った)
・たとえ不快で陰鬱な考えが浮かんでもゆるぎない勇気を与えてくれる心地の良い考えとすぐさま置き換える分別があれば、誰にでも、もっと素晴らしいことが起きる可能性があるのだ。
・19世紀に新たに発見されたことの1つは、単なる思考でも電池と同じ位強力で太陽光と同じ位人間のた -
Posted by ブクログ
ネタバレ「小公女」は子供の頃に読んだけど、梨木さんの書評本を読むにあたってこれは未読だったので読んでみたんだけどすごくよかった!「裏庭」や「西の魔女が死んだ」など、梨木さんの作品に通じるものも確かに感じることができる。
偏屈で尊大で常に不機嫌な子供だったメアリ、癇癪で人を支配する病んだ小さな王様だったコリンが、動物や植物の友達がたくさんいるディコンと秘密の庭での庭仕事と交流を重ねるうちに成長していく。二人のやせ細ったからだと精神が膨らんで豊かになっていくのと、秘密の花園が目覚めさせられ、芽吹き、花を咲かすのが同期していて、エネルギーに満ち溢れた優しい小説になっている。病気が治っていないふりをするために