法条遥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドッペルゲンガーとか分身的な存在、バイロケーションを巡るお話。ジャンルはホラーだけど中身はホラーというよりミステリな感じ。
ホラーというジャンルにしては、設定が細かく、超常現象への恐怖というより、それに対するそれぞれの考え方に焦点を当てている様に感じた。
読んでいるうちに語り手や登場人物達が本体なのかバイロケーションなのかわからなくなってくる。
どんでん返しの連続なので、ドキドキしながら読めた。(実際に現れたらたまったもんじゃないし)
作者的にも内容的にもオチは読めていたが、それでも切ないラストだった。
買ってからしばらくしたら映画化した。映画版は色々設定がホラー寄りに変えられてるらし -
Posted by ブクログ
実はホラーミステリー。
設定がおもしろそうで購入。オチは期待外れの気もしましたが、ラストは…多少予測どおりとはいったものの、なかなかおもしろかったです。
途中、まわりくどいとかいうか、スッキリしないというか。伏線張りきれてない感じはありましたが。
読みどころは、この“もうひとりの自分”という現実離れした状況からの、実は奥深い衝撃的な結末。
よくあるホラーのただ怖いということではなく、人間であるからこそ・感情があるからこそ、恐ろしいということ。
幸福は共有できない…でも苦しみは共有してもらう。
まぁ所詮、現実の世界ではあり得ない。なんて思っていたけれど、読み終わってふと…
この苦しみや苛立ち -
Posted by ブクログ
ネタバレSFは好きなジャンルだったので
帯の「史上最悪のパラドックス」に惹かれて読んでみた。
結果から言うと予測できなかった結末だったため面白くはあったのだが、 同級生の女子の名前が何人か出てきて、特徴が覚えづらい、タイムリープに関する条件が複雑かつ小説にとって都合が良すぎるなどがあり、正直上手い小説だと思えなかった。
何パターンもやり直すという発想は良かったと思う。そして最後に彼を助けに行かないという選択肢も面白かったが、このあたりの詳細が矢継ぎ早に近づけられていたためにこの小説の面白さが半減していると感じた。
北条遥さんの小説を他にも読んで今後付き合うかを判断したいと思う。